公開日 | 2022/06/20 |
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記載者 | ビジネスサクセション株式... |
その他
プレ事業承継のススメ!
認定バトンズDD調査人
スモールM&Aに特化したアドバイザー業務を売り手及び買い手側共に対応、毎年10件程度の成約実績(M&A支援機関登録専門家ですので事業承継引継ぎ補助金の対象)
専門分野
M&Aアドバイザー(全般相談)
企業/事業評価
企業/事業概要書作成
契約書草案作成
デューデリジェンス
経営支援
金融・行政対応
その他中小企業支援
対応可能エリア
関東地方全般
関西地方全般
中小企業の事業承継の現実
中小企業数は、358万社で日本企業の99.7%を占め、中小企業の従業者数は2,834万人で雇用の65.9%を占めています(中小企業庁から)。
特に地方経済において中小企業の果たす役割が大きく、三大都市圏以外の地域において、雇用者数における中小企業比率が高くなっています。
地域経済を支えている中小企業が、事業承継対策の手遅れが原因で、残念にも事業継続が困難になってしまうようでは、少子化も合まり、日本経済そのものが縮小してしまいます。
そこで、政府としても中小企業が存続できるように、税務面において「事業承継税制」を設けて、支援しています。
団塊世代の経営者の高齢化に伴い、経営者の平均引退年齢も上昇傾向にあり、直近の経営者の平均引退年齢は中規模企業で67.7歳、小規模事業者では70.5歳となっています(2013年中小企業白書より)。
今後10年間で、5割を超える現経営者が平均引退年齢にさしかかり、事業承継のタイミングを迎えると思われます。
ここで悩ましいのが後継者問題です。
今から20年前ぐらいは、親族内承継が83.4%でしたが、直近10年間に行われた事業承継のうち、親族内承継が約60%へ減少しています。
その代わり、親族以外の役員従業員への承継が21.5%、社外の第三者への承継が18.0%へと拡大しています。
中小企業の事業承継先として、親族、役員従業員、第三者のうちどれになるにしろ、事業を引き継ぐ次の経営者がスムーズに事業承継できるように「プレ事業承継」をしておくことが重要です。
プレ事業承継のススメ!
今回は、「1.株式・株主等の整理」と「2.労務回りの整備」をご紹介します。
1.株式・株主等の整理
平成2年の商法改正以前に設立された株式会社の場合、設立発起人が最低7人必要でした。そのため、親戚や知人、従業員等に名前を借りる、いわゆる名義株となるケースが散見されました。
創業者である現経営者からすると、お金も払ってもらってないし名前だけ借りているという認識であったとしても、先方の相続等で当初の所有者から変更していることもあります。こうなると、面識のない第三者にこれまでの経緯を説明し交渉しなければなりません。やはり、経緯を認識している当事者同士で解決しておくことをお勧めします。
次は株券の話です。
平成18年5月に会社法が施行され、原則、株券不発行会社になりました。
施行前→原則は株券発行会社
施行後→原則は株券不発行会社
どちらに該当するのかは、登記簿謄本をみればわかります。
中小企業ではレアケースかもしれませんが、実際に株券を発行した会社で株券全てが存在している場合なら、問題になる可能性は低いでしょう。
しかし、先述の通り、昔は親戚や知人に名前だけ借りることもありました。
そのため、少数株主が多く、中には株券を紛失してしまっているケースもあるようです。このようなケースでは、株券紛失登録手続という方法もありますので、余裕を持って対処されることをお勧めします。
また、株券発行会社の場合、問題ないようであれば、定款変更して株券不発行会社へ移行されることをお勧めします(弊社で司法書士をご紹介可能)。
2.労務回りの整備
昨今、労務問題が増加しています。特に未払い残業代問題、退職金問題は中小企業にとっては死活問題です。
残業代を払っているつもりでも、割増率を間違っていませんか?
退職金規程がある場合、支払い原資は確保されていますか?
これらの簿外債務を把握した上で、後継者に引継ぎされることをお勧めします。
特に第三者承継(M&A)する場合には、重要項目となります。
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
※上記は執筆現在(2015.10.26)での情報ですので、今後の動向により変更される可能性がありますので、ご注意ください。