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種類別のVCリスト、最適なべンチャーキャピタルを見つけよう

2022年05月12日

起業家が事業を運営する上で避けて通れないのが資金調達の問題です。ベンチャーキャピタルは出資や経営支援などスタートアップやベンチャー企業にとって重要な存在です。ベンチャーキャピタルにも運営主体や投資に対する考え方、どのステージの企業に投資するかの違いがあり、その種類は様々です。今回はベンチャーキャピタルの種類と代表的なベンチャーキャピタルを紹介していきます。

ベンチャーキャピタルとは何かについてはこちらをご覧ください。(「ベンチャーキャピタルとは」の記事へ)

政府系ベンチャーキャピタル

政府系ベンチャーキャピタルとは、政府や公共団体が運営主体となっているベンチャーキャピタルです。技術力のある中小企業の支援や国内産業の活性化を目的としています。政府系で有名なベンチャーキャピタルとしてINCJがあります。INCJは既存の官民ファンドである株式会社産業革新機構から新設分割して発足しました。

産業革新機構は日本の古い産業構造の課題解決のための中長期的なリスクマネーの出し手として民間ファンドでは出来ない投資を行うために官民ファンドとして設立されており、INCJはその性質を引き継いでいます。

過去にも半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスや液晶パネルメーカーのジャパンディスプレイなど上場企業の再編や再構築で資金の出し手としての実績があります。

中小企業を対象とした政府系ベンチャーキャピタルとしては、中小企業の支援・育成を目的として中小企業投資育成株式会社(以下、投資育成会社)が有名です。投資育成会社は1963年に施行された中小企業育成株式会社法という法律に基づき、地方公共団体・金融機関などから資金を受け入れて、中長期的な時間軸で中小企業に対して資金提供と経営支援を行っています。

東京・大阪・名古屋にそれぞれのエリア名を冠する投資育成会社が事業を行なっており、3社で全国をカバーしています。

東京の投資育成会社の公開データによると現在の投資先の投資経過年数は長い企業で50年を超えています。また、2018年時点で投資したのべ投資先の社数は、倒産企業等を除き約2,600社となっています。政府系で国内企業の支援を目的としているため、出資により経営の方向性について強く意見されるケースはあまりないといえます。

独立系ベンチャーキャピタル

独立系ベンチャーキャピタルとは、系列の親会社を持たずにベンチャー投資を行うベンチャーキャピタルです。事業会社などの系列も無いため事業提携などは行わず、出資に対しての値上がり益を狙う事業スタイルとなります。系列がないので事業のしがらみ等を気にせずに出資を受けることが出来ます。

国内で最大規模の独立系ベンチャーキャピタルはジャフコです。ジャフコは1973年に設立された民間では国内最古の投資ファンドでもあります。国内のみならずグローバルでベンチャーキャピタル投資を行っています。東証1部に上場しており、投資の実績も公開しています。2019年3月期はスタートアップやアーリーステージの15社に投資し、業種別ではITサービスや医療・バイオなど企業への投資の割合が多くなっています。

その他の代表的な独立系ベンチャーキャピタルには、日本アジア投資、日本ベンチャーキャピタルなどがあります。

金融機関系ベンチャーキャピタル

金融機関系ベンチャーキャピタルとは、地銀やメガバンク、保険会社やその他金融機関などが運営主体のベンチャーキャピタルです。金融機関としての強みを生かした事業連携や経営支援などが期待できるほか、資金調達においても支援を受けられる可能性があります。

代表的な金融機関系ベンチャーキャピタルとして、みずほフィナンシャルグループ系のみずほキャピタルがあります。みずほキャピタルは1983年の創業以来、投資先の上場企業数が830社超と国内最大クラスです。グループ内の銀行や取引先などネットワークを活かした支援を行っています。

その他にも金融機関系のベンチャーキャピタルは多く、例えば三菱系の三菱UFJキャピタル、SBI傘下のSBIインベストメントなどがあります。

コーポレートベンチャーキャピタル

コーポレートベンチャーキャピタルは事業会社が運営主体のベンチャーキャピタルです。事業会社においても自社には無い知見やイノベーションをもつスタートアップ企業の取り込みや自社とのイノベーション連携などを主眼に近年コーポレートベンチャーキャピタルの設立が増えてきています。

コーポレートベンチャーキャピタルを傘下にもつ事業会社は数多く、例えばNTTドコモ傘下のNTTドコモ・ベンチャーズやソニー傘下のソニー株式会社事業開発プラットフォームイノベーションファンド室、パナソニック傘下のパナソニックベンチャーズなどがあります。

コーポレートベンチャーキャピタルは事業会社としての色が強く出るため、事業会社との相性が重要になります。経営支援や業界での販路開拓やサポートなどを受ける際に相性の良い事業会社であればより支援のメリットを生かすことが出来るでしょう。

 

ここで、いくつかのコーポレートベンチャーキャピタルの例を紹介します。

 

フジ・スタートアップ・ベンチャーズは、フジ・メディア・ホールディングスが出資するコーポレートベンチャーキャピタルです。インターネット、モバイル分野の事業に特化してこれらの関連のベンチャー・スタートアップ企業に投資を行っています。スマホやタブレットなどの新しいメディアへの展開を念頭にフジ・メディア・ホールディングスにシナジー効果をもたらす目的も含めた事業展開です。

NTTドコモが出資するベンチャーキャピタルである、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズも有名です。もともとNTTドコモは自社の研究開発部門が強く、自前主義が当然の社内カルチャーでした。しかし、2000年代後半からスマートフォンの登場など技術の革新が進む中、全てを自社で開発するよりも外部のリソースの活用の必要性が社内でも言われるようになり、設立された経緯があります。

他にも、パナソニック参加のベンチャーキャピタルである、パナソニックベンチャーズ合同会社などもあります。パナソニック本体は1998年から家電事業で新技術を使用するため米国シリコンバレーでのベンチャーキャピタル投資を積極的に行ってきました。その後パナソニック本体がテレビ事業の縮小などを迫られる中で新規事業の創造に寄与することを目的として設立された経緯があります。

コーポレートベンチャーキャピタルは事業会社が運営主体のため、自社事業に関連する事業領域についての助言や支援は他のベンチャーキャピタルよりも手厚くなります。資金面の支援もさることながら事業支援のサポートを受けたい起業家にとってコーポレートベンチャーキャピタルは有力な選択肢となるでしょう。

ベンチャーキャピタルは運営主体によって目的や設立の背景は様々です。さらにどのような投資戦略を持っているか、役員の派遣や事業への助言、人脈や販路の紹介・連携など企業価値を高めるためにどのような活動を行っているかなども多様です。ベンチャーキャピタルの担当者と起業家との相性なども大切な要素となります。担当者の人となりを見極め、良好な関係をつくることも非常に大切です。

資金以外にもスタートアップ企業を支援してくれる機関

スタートアップ企業は資金面だけでなく、ヒトやモノ、ノウハウなどの様々なリソースが不足しています。それに対して主にソフト面でスタートアップ企業に対して支援を行っているのが、アクセラレーター、インキュベーターです。

創業者に伴走し、新規事業を加速させるアクセラレーター

スタートアップ企業と事業会社などの連携は近年増加しています。

アクセラレーターはスタートアップ段階の企業に対して、経営ノウハウの伝授や資金面の少額の出資、設備や施設の貸し出し、他の事業者とのパートナーマッチングなどを行います。アクセラレーターとは「加速する」という意味で文字通り企業の成長を加速させる存在であることからその名がついています。

国内ではアクセラレーターはアクセラレーター・プログラムと呼ばれる期間を定めた経営アドバイスやノウハウの伝授などを行なう場合が多いです。

アクセラレータープログラムにスタートアップ企業が参加するには、ビジネスプランを応募し、面談などの選考を通過しなければいけないため、アクセラレータープログラムに参加できることは外部に対しての一定の信用力をもたらします。アクセラレーターは大企業が運営主体となることが多いです。

大企業にとっては社内の研究開発や新規事業の担当部署では手がけにくいような斬新なビジネスモデルやイノベーションを持っているスタートアップ企業と接点を持つことにより、自社事業への連携やビジネスモデルの共有が出来るメリットがあります。

他方で、スタートアップ企業は大企業のノウハウや人材、ネットワーク、出資などのリソースの提供を受けることが出来るため、双方にメリットがあるといえます。

近年では、 AI・IoTといった新技術への技術革新が進みつつあることや、既存の事業領域が再定義されつつあることからこのような動きが加速しています。

企業のホームページなどでもアクセラレーターについて表記されているため自社の事業領域に近い大企業のホームページのチェックをおすすめします。また、大企業だけでなく、東京都など自治体も近年運営主体となることが多くなっています。

新規事業を生み育てるための資源を供給するインキュベーター

インキュベーターは、アクセラレーターと同じくスタートアップ段階の企業に対して、少額出資やノウハウ伝授、経営のアドバイス、設備や施設の貸し出し、パートナーマッチングなどを行います。アクセラレーターとの違いは、アクセラレーターはすでに創業して成長段階にある企業に対しての支援を行なう「成長」を促す存在ですが、インキュベーターは起業する前のアイディアだけの段階の起業家などに対しての支援を行ないます。インキュベーターとは「生み出す」という意味です。

インキュベーターは起業家に対してレンタルオフィスなどの安価な提供も行います。このような施設には、インキュベーションマネージャーと呼ばれる専門家が常在していることも多く、起業家に対して相談やサポート、経営ノウハウの伝授など総合的なアドバイザーとなります。インキュベーターは起業家が事業の立ち上げに専念出来るような環境を提供しています。インキュベーターの運営主体は大学や地方自治体、公益法人など公的な機関が主体となることが多いです。

アクセラレーター・インキュベーター一覧

以下に主なアクセラレーターやインキュベーターの一部を紹介します。

【主な国内のアクセラレーター】

・富士通アクセラレータプログラム

・三菱UFJフィナンシャルグループ デジタルアクセラレーター

・IBM BlueHub

・日本生命アクセラレーター

・野村アクセラレータープログラム

・JXTGグループアクセラレーター

・四国電力アクセラレーター

・KEIKYUアクセラレーター

・東京メトロアクセラレーター

・三井住友カード Accelerator

・三越伊勢丹グループアクセラレーター

・ビッグカメラアクセラレーター

・バンダイナムコアクセラレーター

・DENSO ACCELERATOR

・伊藤忠商事アクセラレーター

・NTT東日本アクセラレータープログラム

・SoftBank innovation Progrm

・RICOHアクセラレーター

・東芝テックCororate Accelerator Program

・青山スタートアップアクセラレーションセンター

・JTB ACCELERATOR

・DMM.make AKIBA Open Challenge

・あいちアクセラレーター

・KOBE OPEN ACCELERATOR

・東京都アクセラレータプログラム「フィンテックビジネスキャンプ東京」

・JR東日本スタートアッププログラム

・東急アクセラレートプログラム

・コーセーとの共創におけるInnovation Program

 

【主な国内のインキュベーター】

・北大ビジネス・スプリング

・東大柏ベンチャープラザ

・東北大学連携ビジネスインキュベータ

・東工大横浜ベンチャープラザ

・千葉大亥鼻イノベーションプラザ

・ベンチャープラザ船橋

・和光理研インキュベーションプラザ

・京大桂ベンチャープラザ

・彩都バイオインキュベータ

・岡山大インキュベータ

・慶應藤沢イノベーションビレッジ

・農工大・多摩小金井ベンチャーポート

・くまもと大学連携インキュベータ

・さがみはら産業創造センター

・神戸都市振興サービス株式会社

・浜松イノベーションキューブ

・クリエイション・コア名古屋

・いしかわ大学連携インキュベータ

・ながさき出島インキュベータ

・クリエイション・コア福岡

・福岡システムLSI総合開発センター

自社と相性のよいベンチャーキャピタルを探してみよう

経営の自由度という観点から、ベンチャーキャピタル選びは非常に重要です。経営の自由を重視するのであれば、政府系ファンドや中小企業投資育成株式会社などが選択肢となります。自社の属する業界のノウハウや人脈を得たいのであればコーポレートベンチャーキャピタルの活用が有用でしょう。また出資額が少ない、もしくは出資なしで経営支援の受けられるアクセラレーターの活用も検討すべきでしょう。

スタートアップにとってベンチャーキャピタルは不足するリソースを補ってくれる可能性のある重要な存在です。ベンチャーキャピタルと一口にいってもその運営主体は様々ですし、運営方針や投資のスタイルなども異なります。

起業段階や成長段階などによって、スタートアップのフェーズも異なるため、例えば、起業のアイディアを温めている起業家であればベンチャーキャピタルだけでなく、インキュベーターからの支援も一つの選択肢です。各地のインキュベーター施設のレンタルオフィスが使えるだけでなく、起業家同士の情報交換の場としても活用できるでしょう。

自社に適した相性の良いベンチャーキャピタルを見極めましょう。

 

 

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