1. 事業承継・M&AならBATONZ(バトンズ)
  2. 事業承継・M&A売り案件一覧
  3. M&A記事・コラム
  4. ベンチャー・スタートアップ
  5. ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達するまでの流れ〜出資を受けるために〜

ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達するまでの流れ〜出資を受けるために〜

2022年05月11日

ベンチャー企業の経営者の中には、事業に必要な資金を調達するためにベンチャーキャピタルから出資を受けたいと考えている人もいるでしょう。

ベンチャーキャピタルからの出資は、ベンチャー企業でよく検討される資金調達の方法のひとつです。しかし、実際に出資を受けるためにはどのようにしたらよいのか、またどのようなプロセスで出資が行われているのかなど、わかりにくいこともたくさんあります。

この記事では、ベンチャーキャピタルから資金調達をするにはどうしたらよいのか、基本事項を解説していきます。

ベンチャー企業の資金調達方法4選

ベンチャー企業の資金調達には、ベンチャーキャピタルの利用以外にもいくつかの方法があります。まずは、メジャーな資金調達手段を確認しておきましょう。

出資

ベンチャー企業が資金調達をする手段として一般的に思い浮かべられるのは、出資ではないでしょうか。出資の場合、創業前や創業当初などの初期の段階では創業者やその親族、個人投資家などが出資者となるケースが多く、事業のスタートを支えています。その後、ビジネスの将来像がより明確に固まってきて、事業が少しずつ軌道に乗り出すと、ベンチャーキャピタルから出資を検討してもらえるチャンスが高まります。

ベンチャーキャピタルからの出資については、次のパート以降でより詳しく見てみましょう。

 

融資

銀行などの金融機関からの融資は、事業を行う際の資金調達方法として、ベンチャー企業に関わらず一般的にイメージされやすいものでしょう。ベンチャー企業の経営者や起業家も、一度は融資による資金調達を検討したことがあるのではないでしょうか。

近年では、政府系の金融機関である日本政策金融公庫などで、ベンチャー向けの融資商品が用意されていることがよくあります。また民間の金融機関であっても、地域の信用保証協会などがベンチャー企業向けに用意している商品を利用した融資を受けられる可能性があります。一つの選択肢として、金融機関からの融資という可能性も視野に入れておくとよいでしょう。

ただし一般的に、創業から間もないベンチャー企業は社会的信用や実績が少ないことが多く、金融機関からの融資を受けるのは簡単ではありません。金融機関からはリスクの高い貸出先として認識されてしまうからです。そのため、融資以外の資金調達の選択肢も検討しておく方がよいでしょう。

 

クラウドファンディング

最近では、一般人へ広く出資を募ることができるクラウドファンディングが注目されています。クラウドファンディングとはプロジェクトの内容や理念に共感した人々からの協賛を募る資金調達の方法で、SNSなどを利用した情報発信により出資者にアピールするのが特徴です。

出資をするのは主に一般の個人であることが多いので、一口ごとの協賛金額は少ないものの、たくさんの相手にリーチすることでまとまった金額を調達できることも可能です。

クラウドファンディングによる資金調達がしやすいのは、消費者の日々の暮らしの向上にダイレクトにアプローチできるようなビジネスや、一般の人々から共感を得やすいような社会的ビジネスでしょう。クラウドファンディングを実施することで事業の認知度向上にも貢献するので、宣伝効果もあり一石二鳥です。

ただし、継続的にまとまった金額を調達できる保証はなく、必要資金のすべてをクラウドファンディングのみでまかなうのは現実的ではないということも理解しておきましょう。

 

補助金や助成金

ベンチャー企業向けに、国や地方の公的機関が補助金や助成金を支給している場合もあります。こうした公的な支援は、必要資金の一部として利用することができます。補助金や助成金は基本的に返済の必要がなく、資金繰りが厳しいことも多いベンチャー企業にとっては頼りになる資金調達の手段です。積極的に情報を仕入れ、利用できそうなものはまずは申請してみることをお勧めします。

ただし一般的に、公的な支援金の申請手続きはとても手間がかかります。書類の記入事項が多く、さまざまな資料の用意が必要となる場合もあるからです。また、ほとんどの場合は申請の期間が限られているため、計画的に申請をしなければいけないということは頭に入れておきましょう。実際に資金が調達できるまでには時間がかかり、金額がそれほど大きくないことも多いため、あくまで資金調達の補助的な手段として捉えるのがよいかもしれません。

 

ベンチャーキャピタル(VC)からの出資(増資)が増加中

ベンチャー企業の資金調達手段として、ベンチャーキャピタルからの出資は増加傾向にあります。ここでは、ベンチャーキャピタルの投資動向と、ベンチャー企業にとってのメリットやデメリットを確認しておきましょう。

 

ベンチャーキャピタル(VC)の投資動向

近年、ベンチャーキャピタルによるベンチャー企業への投資は増加しています。日本のベンチャーキャピタルによる投資は、この5年間ほど、金額ベースでも件数ベースでも着実に増加しています。国内向けに限ると、約10年間投資金額は増加し続けています。

出資を受けているのはIT関連の事業が多くなっていますが、ほかにもバイオ・医療・健康関連の分野など、幅広い分野のベンチャー企業がベンチャーキャピタルから出資を受けています。特に日本国内では、ベンチャーキャピタルは偏りなくさまざまな分野に投資を行っています。

また、事業が比較的初期の段階であっても、ベンチャーキャピタルからの出資を受けることは可能です。ベンチャー企業の成長段階はいくつかのステージに分類されていますが、事業立ち上げの準備期間や事業が完全に軌道に乗り出す前の期間も含め、どの段階のベンチャー企業であっても、ベンチャーキャピタルは投資を実施することができます。

参考(一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター2018年度ベンチャーキャピタル等投資動向)

 

ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるメリット・デメリット

ベンチャーキャピタルから出資を受けることには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

 

ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるメリット

まずメリットとして、経営面での指導やアドバイスを受けることができる点があります。ベンチャーキャピタルにはビジネスの立ち上げについて、詳しい人材が揃っている場合が多く、自社内だけでは不足している経験や知識を補うことができるのです。ベンチャーキャピタルの持つコネクションを利用できることもあり、事業の拡大にも有利となるでしょう。

また、ベンチャーキャピタルから出資を受けることで資金調達のために余計な時間を割く必要がなくなれば、より多くのリソースを本業に集中させることもでき、効率的な経営が可能です。さらに、ベンチャーキャピタルから出資を受けたという実績は企業の信用として評価されやすいため、金融機関などからの資金調達も簡単になる可能性があります。

 

ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるデメリット

一方で、ベンチャーキャピタルから出資を受けることによるデメリットもいくつかあります。例えば、経営方針について何らかの形で口出しをされるようになるため、経営の自由度は下がります。また、将来性に見切りを付けられた場合は、経営陣が望んでいなくても事業をたたむ方向で進まなければいけなくなる可能性があります。事業がうまくいかない場合、ベンチャーキャピタルはできるだけ損の少ない形で投資した資金を回収しようとするからです。

 

 

ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるには

ベンチャーキャピタルからの出資は、ベンチャー企業にとって有力な資金調達方法であるということがわかったと思います。では、実際にベンチャーキャピタルから出資を受けるためにはどうすればよいのでしょうか。

魅力的な事業であること

当然のことですが、出資を受けるためには事業が魅力的でないといけません。金融機関から融資を受けるときには信用や担保が必要なように、ベンチャーキャピタルから出資を受けるためには、事業の魅力が必要なのです。同時に、技術力や将来のビジョンなどで同業他社との差異をアピールできるとよいでしょう。

 

経営陣の実績

見落とされがちな要素かもしれませんが、経営陣の実績はベンチャーキャピタルから出資を受けるための重要な要素です。経営陣に十分な経験やその分野の確かな知識がなければ、明確な根拠に基づいた事業戦略を立てることができないとみなされてしまうからです。

金融機関ほど保守的ではないものの、ベンチャーキャピタルも当然リスクの高すぎる企業には出資ができません。事業計画を実現させる行動力があると評価してもらうことができるように、経営陣の実績をアピールできるとよいでしょう。

 

EXIT戦略があること

EXIT戦略があることは、ベンチャーキャピタルから出資を受けるための重要なポイントです。なぜなら、ベンチャーキャピタルは出資して手に入れた株式を将来的に高値で売却することで利益を得るからです。

EXITには、IPOとバイアウト(M&A)が挙げられますが、ベンチャーキャピタルから出資を受けるにはIPOをEXITに見据えた戦略が好まれます。IPOのほうが手間や難易度などでハードルは高いですが、EXIT時に得られる収益が大きいからです。出資を受けるためにはEXIT戦略まで決めて、伝えるようにしましょう。

 

ベンチャーキャピタル(VC)の探し方

ベンチャーキャピタルから出資を受けたい場合、どのようにアプローチすればよいのでしょうか。

知人の紹介

ベンチャーキャピタルと出会う最も効果的な方法は、知り合いを通して紹介してもらうことです。知り合い経由で紹介してもらった場合は、少なくとも話を聞いてもらえることが多いためです。

紹介してもらった人がすでに他のベンチャーに出資していたとしても、ほかのベンチャーキャピタルにつなげてもらえるかもしれません。自身の知り合いのつてを辿り、知り合いがいないか探して連絡を取ってみましょう。

 

ベンチャー系イベントに参加

ベンチャー系イベントに参加するのも、ベンチャーキャピタルと出会うための効果的な方法です。最近では起業家をサポートするために様々なイベントが開催されており、起業家と出資者がつながることのできる機会が増えてきています。そのようなイベントを積極的に利用して、ベンチャーキャピタルとのコネクションを築きましょう。

優勝したら支援金を得られるようなピッチコンテストが開催されることもあり、そこでベンチャーキャピタルの目に留まれば、先方から話を持ち掛けてもらえることも十分にあります。人脈は資金調達以外の面でも役に立つことがあるので、ベンチャー系イベントに関する情報収集は積極的に行っておくとよいでしょう。

 

直接コンタクトをとる

ベンチャーキャピタルと出会う機会になかなか恵まれないような場合は、直接コンタクトをとることもできます。事業計画書などを持ち込み、話を聞いてもらえるように交渉してみましょう。また、ベンチャーキャピタルによっては面談の機会を設けている場合もあり、話を聞いてもらうことができます。

ただし、直接のアプローチが出資につながる可能性は非常に低いこともまた事実です。良い反応を得られなかったり、そもそも話すら聞いてもらえなかったりするケースもあるので、難しい道のりだという心構えはしておいた方がいいでしょう。

 

マッチングサービス

ベンチャーキャピタルとベンチャー企業とをマッチングしてくれるサービスもあります。

一口にベンチャーキャピタルと言っても、どのような事業に出資しているのか、出資の可否を決める判断のポイントは何かなど、方針がそれぞれ異なっています。

そのため、自社の事業や将来ビジョン、経営方針などにできるだけ合致するようなベンチャーキャピタルと出会うことが、出資への近道です。ミスマッチをできるだけ減らすためには、マッチングサービスを利用してより条件の合うベンチャーキャピタルと出会うことを検討してみるとよいでしょう。

また、このようなサービスを利用すると、客観的な視点で事業を分析してもらえたり、強みを効果的にアピールする方法を提案してもらえたりすることもあります。マッチングのみならず、経営面でもメリットがあるのです。

 

 

出資に至るまでのプロセス

ベンチャーキャピタルと出会うことができても、もちろんすぐに出資をしてもらえるわけではなく、いくつかのプロセスを通過しなければ資金調達は実現に至りません。ここでは、どのように出資が決まるのかを簡単に見ていきましょう。

 

事業計画書の記入事項

ベンチャーキャピタルに出資を検討してもらうために、まずは事業計画書を作成する必要があります。事業計画書は過不足なくわかりやすい記載が必要で、主に以下のような項目をまとめなければいけません。

□会社概要

□経営理念

□経営陣の略歴

□事業計画、事業の説明

□他社と比較した優位性や市場調査の結果

□成長戦略

□財務計画やリスク管理計画

事業計画書は、ベンチャーキャピタルが出資を検討する際に最も重視する資料のひとつです。直近数年間の具体的な成長戦略や必要資金の詳細、自社の製品やサービスの差別化などがしっかりと伝わる事業計画書が作成できているかどうか、確認しておきましょう。

 

マネジメントプレゼンと投資委員会

ベンチャーキャピタルから関心を持ってもらうことができたら、投資委員会のメンバーに向けてプレゼンを行う機会が与えられます。これはマネジメントプレゼンと呼ばれることもあり、このプレゼンとその後の討議により出資の決定が左右します。経営陣が事業戦略をどれだけロジカルに説明できるかがカギとなるでしょう。的確に自社の事業をアピールすることができたら、資金調達の実現が近付くはずです。

 

ベンチャーキャピタル(VC)側がデューデリジェンスを行う

ベンチャーキャピタルは、実際に投資を決定する前に相手企業のデューデリジェンスを行います。デューデリジェンスとは投資候補先の価値や収益性などを調査することで、総合的なリスクとリターンを検討することが目的となっています。組織や事業の調査のほかに、財務内容、定款など法律面、社内のシステム面などが確認されます。

ベンチャーキャピタルはデューデリジェンスを行うことで、不要なリスクをできる限り抑えた投資をしています。

逆に言うと、これらの調査でマイナス面が目立つベンチャー企業には、投資が行われない可能性が非常に高まります。ベンチャーキャピタルにチェックされる項目を理解して、できる限り不安を与えないように前もって準備をしておくことが重要でしょう。

このようなプロセスを経て、ベンチャー企業とベンチャーキャピタルは契約の締結に至るのです。

 

ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達をするには

ベンチャー企業にとって、ベンチャーキャピタルからの出資は重要な資金調達手段のひとつです。経営の自由度が下がることなどのデメリットはあるものの、出資を得ることで事業の拡大を進めることができたり企業の信用度が向上したりするなど、デメリットを上回るメリットがあります。資金調達を考えている場合は、選択肢のひとつとして検討してみてください。

ただし、実際に出資を受けるのは決して簡単ではありません。ベンチャーキャピタルに魅力を感じてもらえるよう、事業の強みを最大限にアピールし、経営面でのマイナスポイントはできるだけ減らしておく必要があります。

そのためには綿密な準備が必要になり、時間や手間もかかるでしょう。ベンチャー企業向けのイベントに参加してネットワークを築いたり、マッチングサービスを活用したりして情報収集に努め、ベンチャーキャピタルからの資金調達を成功させましょう。

 

 

M&Aや事業継承について、
こんなお悩みありませんか?
M&Aを検討しているが、良い企業に出会えない
小さな会社で、売却先が見つかるか不安
M&Aを進めたいが、何から進めれば良いか分からない
バトンズはM&Aの売り手と買い手を
つなぐマッチングプラットフォームです。
累計5,000件以上の売買を成立させています。
またM&Aを進めるためのノウハウ共有や
マッチングのための様々なサポートを
行わせていただいておりますので、
まずはお気軽にご相談ください。
誰でも会社を売買できる時代に、テレビで話題急増中

ベンチャー・スタートアップ 資金調達

その他のオススメ記事