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シード期の起業家が資金調達の前に知っておくべきこととは?

2022年03月17日

起業を決意し、事業を始めるためには、まず資金が必要となります。そういったシード期のベンチャーが自己資金で充分な事業が行えない場合、不足する資金は外部から調達しなければいけません。起業家にとって「資金調達」は、最初に直面する大きな壁ではないでしょうか?

この記事では、資金調達の方法や調達前、調達後の留意点など詳しくご紹介しています。

 

ベンチャー企業の成長ステージ

創業を目指す人ならシードやスタートアップなどの言葉を耳にしたことがあるかと思います。ベンチャー企業の成長段階を分類してステージと呼び、4つのステージに分かれます。

 

シード期

シード期は、まだサービスを始めていない準備段階です。シード期では、ビジネスモデルは仮説をベースにしており、サービスや製品はプロトタイプ(試作品)段階です。1人で立ち上げる場合もあれば、少人数のチームで起業することもあります。

 

アーリー期

事業を立ち上げた後軌道に乗るまでの期間は、アーリー期と呼ばれます。事業内容や市場の成長スピードなどによってこの期間がどのくらい続くかは不透明です。事業としてはまだまだ赤字ですので、この期間をできるだけ短くすることが、起業が成功に結び付くかどうかの分岐点になります。

 

ミドル期

事業が事業計画通りに成長し、事業展開を本格的に進めていく段階がミドル期です。市場に企業名やサービスが認知され始めてはいますが、利益水準はそれほど高くありません。更なる成長を見据えて新たな設備投資や従業員の採用に着手する時期になっています。

 

レイター期

事業が更に成長・拡大し、安定的に収益を計上できる段階になるとレイター期です。この段階ではEXITを視野に入れる段階となり、IPO、M&Aそして自社での新規事業展開などを検討・選択することになります。また、起業家が創業者利益を得る段階でもあります。

 

シード期のベンチャーにおける資金調達

起業し事業を展開しようと思っても先立つもの、つまりお金がないと何もできません。ベンチャー企業にとってシード期の資金調達は、起業が成功するための最も重要な要因の一つです。

 

資金調達の重要性

まず、創業自体にお金がかかります。機器の購入や事務所の内装費用など大きめの費用から賃借料、通信費など日々の細々した経費まで思い描いていた以上にお金は出ていきます。

また、起業間もない時期は、取引先や顧客数も少なく、会社や製品・サービスの知名度も高くありません。そのため、事業がすぐに軌道に乗り、収入を得ることができるとはまず考えられません。さらに、新しい会社ということで社会的な「信用」がありません。そのため、取引先から現金即払いを求められることが多く、あっという間に資金ショートを起こしてしまいます。

 

起業時に一定額の資金調達を行い、ある程度の余裕をもっていないと起業後すぐに倒産するリスクに直面しかねません。創業後の苦しい時期を乗り切るためにも、創業時には一定規模の資金調達が必要になっています。

 

シード期の資金調達額の目安

起業に必要な資金は、大きく分けて、「初期投資」と「運転資金」があります。

「初期投資」とは、起業に必要な設備・ソフトウェアなどの購入、事務所の契約費用や改装費用、権利金など起業準備段階で必要となる一時的で、比較的金額の大きな資金です。

 「運転資金」は、事業を継続的に営業(運転)していく為に日々必要な資金で、「固定費」「変動費」の二つがあります。「固定費」とは売上に関係なく毎月発生する経費で、人件費、賃借料、通信費などがあります。「変動費」とは売上の増減に比例して増減する経費で、例えば飲食業の原材料費が該当します。

 

「売上>運転資金」の段階になって初めて余裕資金が生まれますので、売上が運転資金を超える段階になるまでの期間は、資金調達が必要となります。

 

シード期の代表的な資金調達法

「起業家」と一言で言っても、実は立ち上げる事業によって2つに区分されます。1つは、類似の製品・サービスがあり、一定の規模が見込める市場で起業するケース、もう一方はAI,IoTなど最先端の技術などによって全く新しい市場の創出を狙って起業するケースです。後者を「ベンチャー企業」と称するのが一般的となっています。

 

前者の場合、金融機関なども成長の見立てができますので、銀行借入による資金調達(デッドファイナンス)が主流となります。

後者の場合は、大きな成功が期待できる一方で失敗するリスクも高いため、株式を利用する資金調達(エクイティファイナンス)が活用されています。

 

自己資金

自己資金は、貯金など自分で持っているお金です。銀行から融資を受ける際に、自己資金をどれだけ用意しているかで、起業への本気度を判断されることもあります。そのため、自己資金は多いに越したことはありません。一方で、事業が失敗した場合に自分の資産を失うことは覚悟しておく必要があります。

 

家族・知人から借りる

自己資金に近いですが、家族・知人からの借り入れも良く見かけます。ただ、事業は必ずしも成功するとは限りません。必ず返済できるという保証はないため、近い間柄とはいえ、お金を借りる側・貸す側としてはそれぞれ複雑なものがあります。先々のトラブルを避けるためにも、借りる前の丁寧な説明と返済条件などを文書化するなど、きちんとした取り決めが必要です。

 

補助金・助成金

補助金・助成金は、国や自治体などが給付している返済の必要のない資金です。特定の目的や費用について補助金が受けられます。注意するポイントは2つあります。まず、特に補助金では、受給要件の他に申請書などの審査があるため、確実に受け取れるとは限りません。また、助成金・補助金は後払い清算であることにも注意が必要です。そのため、清算されるまでは、自己資金や銀行からの借入などによる資金調達が必要となります。

 

銀行からの融資

起業段階での銀行融資は、ほぼ2択となっています。日本政策金融公庫の創業融資と制度融資です。制度融資とは、地方自治体、民間金融機関、信用保証協会が連携している融資制度で、自治体によって保証料や利子の補助もあります。都市銀行など民間銀行単独からの借入はかなりハードルが高くなっています。

また、ベンチャー企業の場合、事業リスクが高いことと大きな金額での資金ニーズがあることから、金融機関としては手を出しにくい状況となっています。

 

エンジェル投資家からの出資

エンジェル投資家とは、ベンチャー企業に出資する個人投資家のことをいいます。出資とは、ベンチャー企業の株と引き換えに、返済義務無しで資金提供を行う資金調達方法です。ベンチャー企業にとっては、返済義務がないというメリットがありますが、株式(経営権)を譲渡していますので、経営のハンドリングが制限されるリスクがあります。

 

ベンチャーキャピタルからの出資

ベンチャーキャピタルは、金融機関、大企業等の事業者を出資者とした投資会社です。成長性のあるベンチャー企業に対して出資を行い、将来の金銭的なリターンを得る点では、エンジェル投資家と同じです。違いは個人による出資か法人による出資かという点です。ベンチャーキャピタルは、法人形態の投資家ですので、審査やEXITなど意思決定が会社レベルの判断となります。また、出資金額は案件によって億単位となり、エンジェル投資家よりもはるかに大きいものとなることが多いです。

 

資金調達をする前にやっておきたいこと

資金調達を行うということは、裏を返せば将来そのお金を返済しなければいけないということです。事業が順調に成長し、一定のリターンをつけて返済することができれば問題ありません。しかし現実には、起業には失敗するリスクがつきもので、事業に失敗し借金だけが残ってしまうこともあります。起業が成功する確率を高めるために、資金調達の前に色々と取り組んでおきたいことがあります。

 

創業メンバーを集める

起業を成功させるためには創業メンバーを集めることも重要です。チームで起業することのメリットは、生産性の向上とスキル・機能の補完です。起業時はとにかく忙しくなります。1人では時間的にも物理的にも限界があります。チームであればそれぞれの得意分野を効率的に進めることができます。製品・サービスを創りあげる技術責任者、顧客を開拓する営業責任者、VCなどと交渉する財務責任者で構成されるチームが理想といえるでしょう。

起業家とそれぞれの分野のプロフェショナルをマッチングするサービスもおすすめです。

 

事業計画を作る

事業計画は、起業家が抱いている夢や情熱について自分を含む第三者に伝える最も大切なものです。無計画に事業を進めていけば失敗するのは目に見えています。事業計画が無ければ起業は成功しないといっても過言ではありません。

事業計画書は、「だれのため」であるかによって、その活用の目的が変わってきます。

 

起業家自身にとっての事業計画書

 計画自体の実現可能性、論理性を検証できる効果が期待できるとともに、事業の進捗状況ついて事業計画と対比することでPDCAをまわすことができます。

 

創業メンバーにとっての事業計画書

会社理念や事業の社会的意義を共有することができ、ゴールに向かってメンバー自身が果たすべき役割を確認し、実行することができます。

 

VCや金融機関にとっての事業計画書

事業計画に成長性や収益性など主に財務的な数値を確認・検証することで、適切な融資判断ができます。

 

資金調達の目的と目標額を明確化する

資金調達の目的と目標額は、事業計画の「資金繰り計画」で具体化します。「いつまでに、いくら必要なのか?」「その資金は何に使う予定か?」「その結果どうなるか?」を月別など時間軸で整理します。

金融機関やVCは財務のプロです。資金計画を「たられば」で作成しても受け付けてもらえません。事業の進捗状況や環境変化などのリスクを織り込んで実現性の高い具体的な「資金計画」が求められます。

 

資金調達のメリットとデメリットを理解する

主な資金調達手段である銀行からの融資と株主の出資についてそのメリット・デメリットは充分理解しておく必要があります。

 

(銀行からの融資)

銀行からの借入の場合、法律的には借りた資金は必ず返済しなければなりません。そのため、会社代表者の個人保証や担保の提供などを求められることがあり、個人の資産も失ってしまうリスクがあります。また、利益が出ているか否かに関わらず、元本と利息を支払わなければなりませんので、会社の資金繰り上大きな負担となります。

メリットとしては、銀行は会社の株主ではないので、会社の経営に口出しされることはありません。また、事業が順調に成長しきちんと返済することができれば、銀行と信頼感のある関係性を構築することができ、会社の成長に合わせて必要資金を融資してもらえるようになります。

 

(株主の出資)

VCからの資金調達は、会社の株式とお金の交換であり、基本的には返済する必要はありません。返済する心配をしないで資金を活用できることそれが最大のメリットです。VCは、会社の企業価値を高めることでハイリターンを求めていますので、役員の派遣や外部コンサルタントの活用などで経営支援を行ってくれることもメリットの一つです。

 

デメリットは、VCは株主ですので、出資比率などによっては経営の主導権を握られてしまう可能性があることです。起業家が経営者としてのハンドリングを制限され、事業戦略自体が意図しない方向性に向かってしまう可能性があります。

また、事業の成長が見込めず、出資に見合うリターンが期待できないと判断された場合、出資金の引き上げなど起業家の意図しない方向転換を求められることもあります。

 

自社に合った資金調達の方法を検討する

銀行からの融資、株主の出資という二つの資金調達手段のどちらを選択したほうが良いのでしょうか。基本的に、起業した会社を将来どのようにしたいのかにかかってきます。

起業家の選択肢は大きく2つ。経営者として自らの手で会社を成長させていく選択肢か、イグジット(EXIT)と呼ばれるIPO(株式上場)やM&A(売却)などにより創業者利益を得る選択肢です。

VCは、投資した資金をイグジットで回収することを目的としています。そのため、VCから資金調達を受ける期間は限定的になるのが一般的です。

銀行の融資は、貸付金の利息を受け取ることを目的としています。そのため、会社が成長し継続的にお金を借りてくれることを求めています。

経営者として会社を成長させていきたいのであれば銀行からの融資がメイン、EXITにより創業者利益を得たいのであるなら株主の出資メインが資金調達の基本といえます。

 

資金調達を行う上での注意点

事業を行う上で欠かすことができない資金調達。ただし、資金調達自体がリスクを含んでいます。「お金を借りてまで起業する必要があるのか」自問自答しながらも、いったん起業を決心したのであれば、細心の注意を払って資金調達に取り組む必要があります。

 

資金調達について十分な情報を入手する

資金調達については、色々な調達手段とそれぞれのメリット・デメリットがあります。狭い情報リソースでは、誤った判断をしかねません。資金は事業を運営していくために重要な経営資源であることを理解し、正確な情報収集を行うことが大切です。

 

資金調達はゴールではなくスタート

資金調達の目的は、事業の運営に支障が無いようにすることです。調達した資金を有効に活用することで初めて起業の成功につながります。不要不急の出費には慎重な姿勢で取り組む一方で、事業の成長に貢献する確信を持てる出費には大胆に取り組みましょう。

 

半年分の生活費は確保しておく

銀行の融資であれ、VCの出資は、あくまで事業(会社)に対するお金です。生活資金は、事業から生じる利益を原資として支払われる給料などで賄うことが基本です。しかし、起業初期段階では、利益を確保することが難しく、自分の給料を確保することもままなりません。「起業する」という一大決心をするのであれば、半年分の生活費は貯蓄などにより準備しておく必要があります。

 

出資を受けるときは慎重に

実際に融資や出資を受ける時には、その条件を充分に理解し、将来生じるリスクを踏まえた判断を行う必要があります。例えば、銀行融資では、個人保証・担保の差し入れや金利などの返済条件など、出資であれば、出資比率や取締役の構成などが慎重に熟慮しなければならない条件です。

 

シード期資金調達後の選択肢

資金調達後は、会社の成長と事業の収益化に取り組む段階になります。EXITの目標をしっかりと見据え、調達した資金を企業価値の向上に向けて最適に活用していきます。

 

さらなる資金調達で成長を目指す

順調に会社が成長していくと売上が増加基調になります。新事業の開発に向けた設備投資や従業員の採用など新たな資金需要も出てきます。会社が成長ステージに入ると失敗するリスクも格段に減少し、銀行やVCも資金を投資することのハードルが低くなります。調達した資金を上手に循環させ更なる成長を目指しましょう。

 

M&AによるEXITを目指す

起業の目的が創業者利益の獲得である場合、一定の段階でEXIT戦略を検討することになります。EXITの主な手段は、M&Aによる会社や事業の売却とIPO(株式公開)の2つがあります。IPOは金額的な魅力は大きいものの、上場に向けた手間や時間が必要となります。そのため、VCの支援を受け企業価値を高めた後に、M&AによるEXITは有力な選択肢となります。

 

まとめ

資金は人間で言えば血液のようなものです。資金が無ければ起業の成功は望めません。しかし、資金の調達はそれ自体リスクを伴います。個人資産を失ったり親しい人との人間関係が壊れたり…。失敗のリスクを減少させるためにも、資金調達の準備段階で入念に調査・検討し、調達した後は、EXITを見据えて、会社を成長に結びつける費用に資金を優先的に投入する姿勢が求められます。

 

 

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