日本の伝統工芸を世界へ。IT企業のサラリーマンがM&Aに見出したビジネスチャンス
2020年08月17日
2020年08月17日
陶器ブランド商品の生産・卸を営む窯元をM&Aされた服部さん(仮称)。IT企業での経験を活かし、和物業界で海外進出を目指すことに商機を見出しました。
服部さんはIT企業のサラリーマンとして約10年就業され、社会人になった当初から計画していた起業について、日々考えを深めていました。
テクノロジーに触れる毎日を過ごす中で、思い至ったのは伝統工芸。
時間が経つほど価値が高まり、日本にしかない独自性の高い伝統工芸であれば海外でもビジネスになるのではないかと考え、服部さんはゼロから新しい会社を立ち上げるのではなくM&Aに切り替えて候補先を探しました。M&Aであれば、社会課題である後継ぎ問題も解決できるという想いもあったといいます。
「M&Aの強みは、時間を買えること。起業していたら築き上げるのに10年かかったようなノウハウなどが1,000~2,000万円で買える。自己資金があればどんどんチャレンジしたらいいと思います。」

バトンズで譲渡案件を探す中で、企業の強みとなるブランドとしっかりとした販路も確立している窯元が見つかったため早速交渉を始めました。前社長は副業として1年前に窯元を買い取ったものの、事業整理のために譲渡を検討していたそうです。
「中小企業でいいものを作っていても経営が得意でない方もいます。今後は若くて経営の知見がある人が転々と会社をM&Aしていくケースが、日本でも増えていくのではないかと思っています。」
服部さんはM&Aの支援専門家にまとめて仲介を頼むのではなく、必要なポイントだけスポットで専門家へ依頼してM&Aを進められました。財務チェックはバトンズデューデリジェンス方式を採用している専門家へ、商標については弁護士へ、とご自身で旗振り役を担うことで、チェックしてほしいポイントを正確に伝えらえるメリットがあったといいます。
また書面の確認だけでなく、現地の窯元などの関係のある場所にも直接足を運びご自身の目で確認されました。
今回のM&Aにより、従業員にとっては1年で経営者が変わるという不安な状況になりました。服部さんは自身の生い立ちからこれまでの職歴を伝え、これからどんなことをやっていきたいか、ということをきちんとお話されて、安心いただいたそうです。
「これからの時代は意図をもって経営をしていかないと生き残れない。」
経営の面では、ブランドに直結する部分などのいいところは変えず、原価率や売り方などの改善できるところを抜本的に変えていきました。短期・中期の経営計画を策定し、将来的には海外展開も予定しているそうです。

今後は卸売業から小売業へ事業転換を行い、1年で国内を強化、2年で海外へ展開、5年くらいで海外4~5ヵ国と取引がある状態を目指していかれるそうです。
器や包丁など、和物の業界へは今のところ大手が参入してきていないので、これまで培ったマーケティングの知見を活かし、ECサイトでの販売を中心に力を入れていかれるとのことでした。
日本の伝統工芸を武器に世界で戦う、新しい挑戦が始まります。
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