一般的にM&Aの実施において、買い手にはそれなりの費用が掛かるため、失敗して大きな損失を被らないためにも、交渉に進む上で損失につながるあらゆるリスクを考慮しておかなければいけません。
リスクを最小限に抑えて、期待するシナジー効果(自社になかった経営資源の有効活用)を得るためには、買い手は自社の強みや弱みを客観的に理解したうえで、売り手のどんな経営資源を必要としているからM&Aすべきなのかを明確にする必要があります。
そのために有効なのが、SWOT分析という手法です。今回は、SWOT分析の目的や他のフレームワークとの違い、SWOT分析を行うメリットややり方、注意点などを解説します。具体例とともに紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
SWOT分析とは
SWOT分析とは、事業の現状分析と課題発見に役に立つフレームワークです。
ビジネスにおける現状分析や課題の洗い出しのためには、外部環境と内部環境のそれぞれを分析し、自社が持つ強みと弱みを正確に把握する必要があります。とはいえ、実際に分析を始めようとしても、何から手をつけたらよいのかわからないということも多いのではないでしょうか。その時に役立つのが、SWOT分析なのです。
SWOT分析の「SWOT」は、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」という4つの英単語の頭文字です。
この図のように、まず「内部環境、外部環境」と「プラス要因、マイナス要因」をそれぞれ縦と横に並べ軸を作ります。そして出来上がる4象限が、「強み」「弱み」「機会」「脅威」を表すのです。
このように、事業の内部・外部それぞれの観点での長所と短所を整理することで、今後とるべき戦略や、将来的にどんなチャンスがあるのかなどを導き出していく手法がSWOT分析なのです。
SWOT分析は、主に事業戦略を決める際によく使われるフレームワークですが、実際に戦略の方向が定まった後も、レビューのためにSWOT分析を活用することもあります。他にも、個人の自己分析に使われるケースもあります。現状を分析しながら、今まで見えていなかった機会を発見することができるフレームワークであるため、知っておくとさまざまなケースで活用できるはずです。
M&Aにおいては、SWOT分析の結果をもとに、今後の事業戦略を考案できます。
外部環境とは(機会・脅威)
外部環境は自社の経営努力とは関係ない外的な要因からくるもので、「マクロ経済要因」と「ミクロ経済要因」に分類することができます。
マクロ経済要因とは、世界経済や政治介入などマクロ経済の視点から自社に影響する要因です。一方、ミクロ経済要因とは顧客などミクロ経済の視点から自社に影響する要因のことを言います。
外部環境の中でも自社にとってプラスに働く要因は機会(Opportunity)、自社にとってマイナスに働く要因を脅威(Threat)と呼びます。
内部環境とは(強み・弱み)
内部要因は、自社が保有している経営資源のことを言います。
ヒト、モノ、カネ、情報的経営資源(ノウハウなど)が挙げられます。内部資源について自社にとってプラスに働く要因は強み(Strongness)、自社にとってマイナスに働く要因を弱み(Weakness)と分類します。
SWOT分析を行う目的
SWOT分析は、自社の環境要因を把握するために用いられる分析手法です。分析結果は、効果的な経営・マーケティング戦略を立案するために活用されます。
M&Aを実行する際も、M&Aによって何を獲得するか、期待するシナジー効果を得られるためにはどのような相手とM&Aをすればよいかなどを検討するために、SWOT分析が行われます。
企業がSWOT分析を行うメリット・重要性
企業がマーケティングやM&Aなどの戦略を立案する際に、SWOT分析を行うメリットは以下のとおりです。
・客観的に全体の状況を捉えて分析できる
・自社の強みの活かし方や弱みの克服方法を理解できる
・リスクを回避しながらビジネスチャンスを狙える
SWOT分析により、外部環境・内部環境それぞれを4つの要素に従って洗い出すことで、全体の状況を客観的に分析できます。また、強みと機会、弱みと脅威をそれぞれ分析するため、高い成果を上げるための効果的な方法を具体的に検討できるのもメリットです。
強みと機会をかけ合わせて考えれば、強みを活かした積極的な戦略を、強みと脅威をかけ合わせれば、差別化戦略を検討できます。弱みを機会を考えれば、ビジネスチャンスを活かして弱みを克服できる方法がわかるでしょう。
上記のように、SWOT分析では攻めの戦略と守りの戦略の双方を検討できるため、穴がない戦略を策定し、リスクを回避しながらビジネスチャンスを狙えるのも魅力です。
SWOT分析とほかのフレームワークとの違い
マーケティングで使われるフレームワークには、SWOT分析の他にもさまざまな種類があります。それぞれ分析内容や目的などが異なるため、SWOT分析との違いを理解しましょう。
ここでは、SWOT分析と混同しやすい以下のフレームワークについて、SWOT分析との違いや活用方法などを解説します。
①3C分析
②PEST分析
③ファイブフォース分析
④4P分析
ⅰ.3C分析|市場環境を分析する
3C分析は、「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」について分析し、自社の市場環境を理解するためのフレームワークです。
3C分析は、内部環境と外部環境を比較し、自社の強みや弱みを見つけるために行われます。3C分析では、内部環境と外部環境が明らかになるため、結果をSWOT分析にも活用できるのがポイントです。
まず、市場や顧客の分析から始めます。この際に大事なのは、ただ現状を見るのではなく、市場や顧客にどのような変化が起こっているのかに着目することです。市場が変われば顧客も変わりますし、その逆もまた然りです。
変化を明確にできたら、次は競合企業がそれにどのように対応をしているのかを調べていきます。競合の事業を、営業利益や広告宣伝費、リソースなど細かいレベルまで調査し、その仕組みを明らかにしてみましょう。変化に応じた特別な対応をしていることが浮かび上がってくることも多いでしょう。
これができたら最後に、自社の分析です。これまででわかった市場と競合の分析結果から、自社の立ち位置を見つめなおします。そこから、競合の見習うべきポイントや、反対に競合に勝っているポイント、そして将来的に自社がつけていくべき力を探ります。
ⅱ.PEST分析|外部環境をマクロ的に分析する
PEST分析は、外部環境に注目し、自社を取り巻く外部環境をマクロ的な視点から分析するための手法です。PESTは、下記の4つの英単語の頭文字です。
これらの4つの観点から事業を取り巻く外部環境を分析していきます。例えば「政治的要因」「経済的要因」などと分けて、それぞれで環境を捉えていくのです。
シンプルに状況を把握することができる手法ですので、現状だけでなく、それぞれの切り口での将来の展望についても考えましょう。向こう1年、5年、それ以上など、いくつかの期間に切り分けて、潮流を予想しながら分析することが重要です。
市場の変化を正確に捉えることで新たな事業機会を見出すことができますし、同時に、これから訪れるかもしれないリスクを見つけることもできます。
ⅲ.ファイブフォース分析|外部環境をミクロ的に分析する
ファイブフォース(5F)分析は、外部環境をミクロ的な視点で分析する手法です。自社と競合他社の関係を明確化し、有効な戦略を考えるのに使えます。
5F分析は、経営学の第一人者であるハーバード大学教授のマイケル・ポーター氏が提唱したフレームワークです。事業の収益性に大きく関わる、下記の競争要因について検討します。
⚫︎買い手の交渉力:
→買い手の交渉力が強いと、値上げすることができなくなる
⚫︎売り手の交渉力:
→売り手の交渉力が強いと、供給品の値段が高くなり仕入れコストがかさむ
⚫︎新規参入業者:
→新規参入業者が多いと、競合企業が増えシェアが脅かされる
⚫︎代替品:
→代替品が登場すると、消費が他の市場に流れていくので市場が縮小化しやすい
※代替品とは、自社のサービスや商品とは異なるものでも消費者の同様のニーズを満たすことができるもののこと
⚫︎競合:
→競合となる商品・サービスが強い(多い)と、シェアが脅かされる
実際にこのフレームワークを活用する際は、5つの力について、具体的な企業名やサービス名、商品名を出しながら考えてみることが重要です。業界によってはグローバルな視野での分析が必要になる場合もあるでしょう。
この作業を通じて、業界の構造や市場、自社を取り巻く状況を可視化、明確化していきます。それができれば、例えば「今後どの力が強くなったら自社は弱くなってしまうのか」といった中長期的な視点でも、環境を分析することができるようになります。
ⅳ.4P分析|具体的な戦略を考える
4P分析とは、他社とどのように差別化をして顧客を絞っていくのか、マーケティング施策を具体的に考えるために利用されるフレームワークです。
4P分析では、以下の4つの要素について、どのような施策をとるかを考えます。
SWOT分析は自社の環境について調べるためのフレームワークですが、環境分析を経て実際にどのような戦略をとっていくかを、具体的に検討する段階で用いるのが4P分析です。
SWOT分析のやり方3ステップ
それでは、SWOT分析はどのように進めていけばよいのでしょうか。
ここでは、SWOT分析のやり方を3ステップで紹介します。
-
- SWOT分析を行う目的を明らかにする
- 内部環境・外部環境を分析してリストアップする
- クロスSWOT分析を行い戦略に落とし込む
目的を明確化した後、内部環境と外部環境をそれぞれ分析し、最後にかけ合わせて考えるのが、大まかな流れです。
以下で詳しく見ていきましょう。
1.SWOT分析を行う目的を明らかにする
まずは、SWOT分析を行う目的を明らかにしましょう。分析対象を適切な範囲に絞ったり、要素を整理して戦略に落とし込んだりするためには、そもそも何のためにSWOT分析をするのか明確にする必要があります。
SWOT分析では分析対象が幅広く、4つの要素のどこに分類するかに対する、明確な基準があるわけではありません。途中で分析がブレないよう、はじめに目的を明確化することが大切です。
2.内部環境・外部環境を分析してリストアップする
次に、内部環境と外部環境の各要素を、抜け漏れがないよう洗い出しましょう。各要素がSWOTのどの要素に該当するかは、分析者によって認識の差が発生しやすい部分です。
分析の目的や競合他社の定義、顧客の対象などの前提条件は、あらかじめメンバー間で認識を統一しておきましょう。また、外部要因と内部要因のどちらに該当するかを見失わないよう、以下についてはあらためて整理してください。
・外部要因:景気や市場規模、競合他社の動向など、自社でコントロールできない要素
・内部要因:技術や品質、機械設備、店舗の場所など、自社でコントロールできる要素
3.クロスSWOT分析を行い戦略に落とし込む
クロス分析では、先ほどの「SWOT」の表のような形で、今度は「強み」「弱み」と「脅威」「機会」とを縦軸と横軸に並べます。それぞれの象限が何を示すのかを下記にて解説します。
1. 強みと機会(S×O)
自社の強みを用いて機会を得るために何をすべきか
2. 強みと脅威(S×T)
自社の強みを用いて脅威を回避、もしくは対抗するために何をすべきか
3. 弱みと機会(W×O)
自社の弱みを克服して機会を得るためには何をすべきか
4. 弱みと脅威(W×T)
自社の弱みと脅威によって、最悪の状況を防ぐためには何をすべきか
このように、クロス分析によって、4パターンに立ってアプローチを考えることができます。SWOT分析だけだと要素の羅列になっていたところを、「自社は何をすべきか」というところまで落とし込んで考えられるので、一気に分析の解像度を上げることができます。
M&Aを行う際は、売り手企業であれば、自社にどんなセールスポイントがあるのかを把握していることが重要ですし、買い手企業であれば、現状課題を今後どう克服していきたいかのビジョンが鮮明であることが重要になります。
ここまで紹介してきた手法を活用することで、それらを明確化することができるのです。
SWOT分析の注意点
SWOT分析は、自社の環境分析に活用できる便利なフレームワークです。しかし、以下のような点には注意が必要です。
・内部環境で挙がった特徴を強みと弱みのどちらに分類するかが、分析者によって異なる
・内部環境と外部環境を混同してしまうケースがある
・強みと考えられる項目も、別の視点で考えると弱みになる可能性もある
各要素を洗い出した後、それがSWOTのどれに該当するかは、分析者によって異なる傾向にあります。特に、強みと弱みについては、分析者によって考え方が異なる場合が多いため、注意が必要です。
また内部環境と外部環境を混同しないよう、認識を統一することも欠かせません。メンバー間でデータの粒度や質がそろうよう、事前に前提条件や分類基準などを共有しましょう。
さらに、強みと考えられる項目は、別の視点では弱みになる可能性がある点にも注意が必要です。分析者の立場や戦略によって異なるため、広い視点で分析することが重要です。
事例:化粧品会社のSWOT分析
では、実際にSWOT分析を行い、自社の弱みを克服するためにM&Aを行った例を紹介します。
とある老舗の化粧品会社Aがあります。世界的に化粧品業界は化粧年齢が低年齢化しており、化粧をする人口は増加していますが、その化粧品会社Aが対象としている市場は国内だけなので、日本国内の人口減少とともに将来的な売り上げや利益が低下すると予測しています。
このような状況に対して、この化粧品会社Aは自社の強み・弱み・機会・脅威を分析して、経営戦略に活かそうと考えていました。
化粧品会社にとっての強み(Strength)
化粧品会社にとっての弱み(Weakness)
自社の弱みを経営者自身が発見することは非常に難しいと考えられます。同業種や同規模の会社の資料と比較したり、場合によっては、経営アドバイザーなどの経営コンサルタントに相談して自社の弱みを発見する必要があるでしょう。
化粧品会社にとっての機会(Opportunity)
化粧品会社にとっての脅威(Threat)
SWOT分析の結果から考えられるアプローチ
1. 自社の強みを用いて機会を得るために何をすべきか(S×O)
・経営資源に余裕があるため、新規事業へ参入するための設備投資を行い、10代向け、または男性向けの化粧品開発を行うことで、新たな市場のニーズを取り込む
・ロングセラー商品の改良に取り組むことで、既存の顧客層の更なるファン化を促しつつ、ロングセラーの派製品を開発するなどして新たな顧客層のニーズを掴む
2. 自社の強みを用いて脅威を回避、もしくは対抗するために何をすべきか(S×T)
・韓国コスメに対抗するため、オンライン通販で実店舗以外でも自社商品を購入できるようにする
・少子高齢化の日本市場で成長を続けるため、ロングセラー商品を高年齢層向けに改良して顧客層を開拓する
・ベテランの従業員のスキルや自社商品に対する知的財産権を大手企業に引き継いでもらうことで開発効率と販促力を改善し、海外ブランドに対抗する
3. 自社の弱みを克服して機会を得るためには何をすべきか(W×O)
・旧体質の組織を刷新し若返らせることで、ニーズが高まっている10代向け商品やメンズ商品の企画・開発に取り組む
・従来の開発ラインを見直し開発効率を向上させることで、新商品開発に取り組むための余力を確保する
・人的リソースを整理して停滞している組織の風通しを良くすることで、新商品開発のための企画を提案しやすいような職場環境を作り出す
4. 自社の弱みと、ネガティブな外的要因からくる最悪のシナリオを防ぐには何をすべきか(W×T)
・組織体質が古いが故に変化を恐れ、変化の速い海外競合との競争に負けないよう、新企画を社内公募したり、マーケティングに注力する
・過去の成功体験に縛られすぎて、新しいことへの挑戦が阻害されないよう、若手を重要ポストに登用するなどして人材育成に取り組む
SWOT分析の結果をM&Aに活かす
化粧品会社Aは、自社の弱みである「組織体質が古い」「開発効率が悪い」「認知度が低く、販促力が乏しい」「過去の成功体験に縛られすぎて変化を嫌う」を克服するためには、新しい人材と組織体制の刷新が必要と判断。
それを克服するために、化粧品会社Aは研究所を所有している同規模の化粧品会社とのM&Aを行い、開発力の向上を目指すため優秀な人材を獲得しました。これにより、商品開発力を強化することができ、新しい挑戦をしやすい環境を得たことで競合に負けない競争力を身につけることができました。
このように、SWOT分析を行うことで、M&Aの目的を明確にし、成功の確率を上げることができるのです。
【まとめ】SWOT分析で経営戦略を決める
SWOT分析は、自社を取り巻く外部環境と内部環境を分析するためのフレームワークです。戦略や施策を検討する際に活用できます。
SWOT分析について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?M&Aを行う際は、その目的を明確にすることが何よりも大前提です。SWOT分析を行うことで、以下の点を整理できます。
・どのような機会を得たいのか、どんな脅威を回避するためのM&Aなのか
・自社の強みのさらなる強化ポイントとは、また、どんな企業であれば自社の弱みを補ってくれるのか
自社を客観的に見直すことで、M&Aの成功確率を格段に上げることができるでしょう。ぜひ、経営戦略立案の際に参考にしてみてください。
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