ノウハウ

2019.07.30

M&A仲介の役割って?FAとの違いを解説

多くの企業経営者にとって、M&Aは初めての経験であることが多く、買い手であるにしろ売り手であるにしろ、M&A初心者が相手と対等な立場で交渉のテーブルに付くには頼れるパートナーが必要です。

M&Aの頼れるパートナーには、M&A仲介会社に所属するM&AアドバイザーとFA(ファイナンシャル・アドバイザー)の二者がいます。どちらに依頼するかはM&Aに着手する前に決定しなければなりません。

今回は一般的なM&A仲介会社のアドバイザーが担う役割、そしてFAとの違いを解説します。

 

M&A仲介って何?どんなことをしているの?

M&Aはきわめて複雑で専門的な知識や業務が必要となるため、専門家のサポートが欠かせません。

一般的に、日本におけるM&Aでは、買い手と売り手の間にM&Aの仲介を生業とする会社(仲介アドバイザー)があいだに入って、客観的かつ公正中立の立場で交渉の仲介を行います。

M&A仲介会社は公認会計士や税理士、弁護士などの専門家と連携し、M&Aの業務をサポートします。依頼を受けると、買い手あるいは売り手探しのサポートから、その後の交渉や税務調査等の仲介も行います。

なお、M&A仲介会社は売り手と買い手の双方から手数料や報酬を請求するケースが主流です。手数料および報酬の内訳、金額や支払期日は仲介会社によって異なります。

 

M&A仲介会社を使うことのメリット

前述の通り、M&Aが成約するまでには複雑な業務が発生するため、小規模なM&Aであっても仲介会社のサポートや助言が必要不可欠です。M&A仲介会社に依頼することで、次のようなメリットが得られます。

成約率が高まる

買い手と売り手だけでM&Aの交渉を行うと、どうしても両者の利害が対立して交渉が暗礁に乗り上げてしまうことが多いです。仲介会社は双方に介入して調整役を務めるため、情報の整理が促進され、売り手と買い手双方に満足度の高い成約が期待できます。

すなわち、M&A仲介会社に依頼すれば、成約率が高まるということです。

専門的なアドバイスが受けられる

M&Aの業務を滞りなく遂行していくには、ビジネス、法務、税務、財務、ITなどさまざまな専門知識とM&Aを仲介してきた経験が必須です。豊富な実績を持つ仲介会社に依頼することで、専門的なアドバイスを受けて円滑にM&Aの業務の遂行が可能となります。また、公認会計士や税理士、弁護士など税務や法務に詳しい専門家と連携し、多方面の分野に対応してくれるでしょう。

 

FAとの違いは?

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)は、仲介会社と同じくM&Aのアドバイスや業務のサポートを行います。仲介会社が売り手と買い手の間に立って仲介役を果たすのに対し、FAは売り手についた場合は売り手の利益を最優先とし、買い手についた場合は買い手の利益を最優先するところが大きな違いです。したがって、FAの手数料および報酬は売り手か買い手のどちらか一方に請求されます。

日本では上場企業同士の大規模なM&Aや海外企業の合併・買収では、FAが活用されることが一般的です。

 

M&A仲介を利用するのに必要な費用

一般的なM&Aの仲介では、以下の費用が発生します。

① 相談料 【5,000円~10,000円】
② 着手金【50万円~200万円】
③ 中間報酬【成功報酬の10~20%】
④ 成功報酬 【500万円~】
⑤ リテイナーフィー 【月額30万円~200万円】
⑥ デューデリジェンス費用【50万円~300万円】
⑦ その他実費

 

①相談料
電話や面談でM&Aの相談をしたときに手数料が請求されます。相談1回あたり5,000円~10,000円の相談料が発生します。仲介会社によっては相談料を無料としているところもあります。

②着手金
M&Aの仲介を依頼したときに発生する手数料です。50万円~200万円が着手金の相場ですが、仲介会社によっては着手金を請求しないところもあります。

③中間報酬
M&Aの相手が決まり、基本合意の締結やデューデリジェンスが開始されたタイミングで発生する報酬で、成功報酬の10%~20%が相場です。仲介会社によっては中間報酬を請求しないところもあります。

④成功報酬
M&Aが成立して最終契約が締結されたタイミングで支払います。成功報酬額は仲介会社によって異なります。仲介会社のなかには完全成功報酬制として、それ以外の手数料や報酬を受け取らないところもあります。

⑤リテイナーフィー
リテイナーフィーとは、M&A仲介会社に支払う固定の月額報酬です。仲介会社によって価格は異なり、契約期間分のリテイナーフィーが必要となります。

⑥デューデリジェンス費用
デューデリジェンスは買い手企業がM&A対象企業のビジネス、財務、法務などさまざまな分野を調査する手続きのことです。

デューデリジェンスについては、以下の記事をご参照ください。

「デューデリジェンス(DD)の意味と手順について」

⑦その他実費
仲介会社の担当者や専門家の出張費、交通費、日当など業務実行に必要となる費用です。

 

M&A仲介会社を活用して、双方が満足できる取引を!

M&A仲介会社の役割、FAとの違い、費用相場について解説しました。
中小企業のM&Aでは仲介会社に依頼するケースがほとんどです。実際に中小企業、小規模M&Aを経験した実績が豊富な仲介会社であれば、売り手と買い手の双方の事情を汲んで、双方にとってより良い結果となるようサポートしてくれることでしょう。

M&Aを成功に導くためには、経験と実績が豊富で、なおかつ税理士や公認会計士といった専門家とスムーズに連携できる仲介会社を選ぶことをおすすめします。