PERの計算方法は?PERを投資判断に活用するための注意点
2019年06月04日
2019年06月04日
PER(ピー・イー・アール)という指標をご存知でしょうか?
新聞の日経平均株価のページをめくると、銘柄名や前日比騰落と並んで、各銘柄の「PER」の数値が記載されています。PERは重要な投資指標のひとつで、初心者なら必ず押さえておきたい指標の一つです。
前回は「PER(株価収益率)って何を評価してる?純利益をもとにした会社の投資指標の活用法」を紹介しましたが、今回はその応用編として、PERの計算方法を中心に賢い投資判断に欠かせないPERの活用方法を解説します。
冒頭で述べたように、PERは株式投資を行う際に必ず引き合いに出される代表的な指標です。
PERで分かることの一つに、「株式銘柄が割安か、割高か」があります。簡単に言うと、株価が割安だと株式の買い時、株価が割高だと株式の売り時です。
さらに、株主から見た企業価値のひとつである株価(時価総額)は、PERの計算式によって導き出されます。同一企業のPERの推移(予想PER)を見れば、将来的な企業の成長率も求められるため、将来の株価上昇に期待できる企業かどうかという判断もできるのです。
成長率への期待が高い株式銘柄は、PERがかなり高い傾向にあります。しかし、あくまで期待であって、成長が見込めないと判断されれば、株価が急落するリスクもあります。
このように、PERは企業価値を判断する指標として投資において広く活用されていますが、唯一の投資判断の指標とするには注意が必要です。
PERは次の方法で算出されます。
たとえば、A社の株価が1,500円、1株あたりの純利益が100円なら、PERは15倍となります。
A社が15年間同じ純利益を継続すれば、単純計算で毎年15年間100円ずつ株主の資産が増えていきます。したがって、A社に投資すれば15年で投資資金を回収できるということです。
一方、A社と同業・同規模のB社の株価が1,500円、1株あたりの純利益が75円なら、PERは20倍となります。B社に投資すると投資資金の回収に20年かかるため、この場合はA社のほうがB社に比べて割安と判断することができます。
PERの計算式を成り立たせている株価と1株あたりの純利益(EPS)が変動すれば、当然ながらPERも変動します。したがって、株価が変動する要因、1株あたりの純利益が変動する要因が分かれば、PERが変化するタイミングやその理由を分析することができます。
株価が変動する最大の要因は、企業の業績の変化です。
次に、1株あたりの純利益(EPS)は、「当期純利益 ÷ 発行済み株式数」で計算されるため、次の要因で変動します。
これらの変化するタイミングを分析して、業績の良し悪しを見極めましょう。
PERの弱点として、異常値が出てしまう場合があります。前述のようにPERを唯一の投資判断の指標としてしまうとリスクがあるため、他の指標とも併せて注意深く見なければいけません。
では、具体的にどのような点に注意しなければならないのでしょうか。詳しく解説していきます。
特別損益とは、営業活動以外の企業活動によって例外的に生じる一時的な損益のことで、「不動産売却」や「保有有価証券」などが挙げられます。特別損益はEPSを変動させる要因であるため、結果的にPERも変動します。
たとえば、企業が不動産の売却によって一時的に特別利益を取得。その年はPERが低くなりますが、翌年は特別利益の分がなくなってPERが高くなります。あくまで特別損益による変動であって、企業の成長によるPERの上昇ではないため、この一点だけを見て「成長している企業」と判断するのは危険、ということになります。
一般的に東証一部の銘柄のPERは「15倍が適正」と言われているため、PER15倍を目安として割高・割安の判断をすることができます。PERの計算方法で例示した、PERが「15倍のA社」と「20倍のB社」なら、A社が割安、B社が割高となります。
また、同業他社の平均PERと比較することで、業界平均から見て割高・割安の判断も可能です。東証一部の以下の業種のPERは次のとおりです。
| 業種 | PER(倍) |
|---|---|
| 情報・通信 | 14.52 |
| 卸売 | 8.50 |
| 小売 | 22.48 |
| 銀行 | 7.93 |
| 証券・商品 | 8.68 |
| 保険 | 10.85 |
| その他金融 | 9.50 |
| 不動産 | 13.35 |
| サービス | 19.28 |
※2019年5月24時点
PERは株価が割安か、割高かの判断をするための指標であり、その推移によって企業の成長率を把握することができます。ただし、銘柄や業種によって割安・割高の基準が異なるため、相対的な投資の指標として活用するようにしましょう。
また、PERはあくまでも指標のひとつに過ぎません。他の指標も参考にしながら総合的に判断をすることが、より正確に企業価値を判断するための第一歩となります。
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