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岐阜県多治見市の眼鏡店を事業承継!コロナ禍を乗り越え、長野県で同業を営む経営者へバトンを託す

2024年09月24日

岐阜県多治見市の眼鏡店「多治見眼鏡」は2024年7月、長野県で同じく眼鏡店を運営する「株式会社ミモト」に事業譲渡されました。30歳で自分のお店を構え、30年以上に渡り多治見に愛される眼鏡店を経営してきた店主の平敏信様。60歳を超え、引退に向けて事業承継を検討する中でバトンズに登録されました。

一方、譲受側であるミモトの代表を務める宮本貴史様は、長野県で3つの眼鏡店を運営。長年顧客に愛されてきた多治見眼鏡に強い魅力を感じ、事業の引継ぎを決断されたそうです。それぞれの眼鏡店の歴史や、コロナ禍の交渉の難しさ、引継ぎが決まってからの思いなど、平様と宮本様にそれぞれお話を伺いました。


 

譲渡企業
店名 多治見眼鏡
業種 小売(眼鏡店)
拠点 岐阜県
譲渡理由 後継者不在

 


 

譲受企業
社名 株式会社ミモト
業種 小売(眼鏡店)
拠点 長野県
譲受理由 新規エリアへの進出

 


20歳から夢見ていた眼鏡店の経営。地元・多治見で開業し、長年愛されるお店に

多治見眼鏡は、岐阜県多治見市の中心地で業歴30年を誇る眼鏡の専門店です。創業以来、時間をかけた丁寧な接客を心がけ、多くのお客様に愛されてきました。

街の中心という好立地のため、買い物帰りに寄るお客様が多いほか、40代後半以降のファミリー層の利用が多く、顧客単価が高いことも強みの一つ。完全予約制で丁寧な接客を続けたことで、大手眼鏡店が近隣エリアに進出しても客足は離れず、安定した業績を保ってきました。

平様が多治見眼鏡を創業されたのは、30歳の頃。平様は、メガネの専門学校に進学した直後から「いずれは多治見で自分のお店を持ちたい」と考え、コツコツと開業資金を貯めていました。

平様:「学生のうちから『とにかく資金を作らないと』と考えていて。学校に通いながら、家庭教師やバーテンダー、ショッピングモールの清掃のアルバイトをして資金を貯めました。」

専門学校卒業後、眼鏡店に就職した平様は、学生時代にアルバイトで貯めた資金と、銀行からの融資で開業資金を用意し、30歳で独立。多治見眼鏡をオープンします。

平様:「多治見は陶器の町で、陶器商をしていた大家さんが自分の小売店をするためにビルを建てたんです。商売をする上でこれ以上の場所はないと思ったので、この場所を借りるために何度も通って頼み込んで、開業に至りました。思いがあって始めたお店ですから、30〜40代の頃は道楽をしたいといった気持ちは一切なく、とにかくお店のことだけを考えてやってきました。」

必死に働き続けた30〜40代を経て、お店を手放す決断

平様がご自身の眼鏡店を続ける上で大切にしていたのが、眼鏡を作るために行う目の検査、「検眼」です。お客さん一人ひとりにじっくり時間をかけて検査をし、その人にあった眼鏡を作る。その姿勢が評価され、多治見眼鏡は街の人々に愛されるお店として営業を続けてきました。

平様:「検眼が勝負と言ったらおかしいかもしれませんが、私は眼鏡の専門学校で学んだことを活かし、とにかくお客様一人ひとりの検眼を大切にやってきました。仕事に手を抜かず、きちっと力を入れてやってきたという自負があります。」

20歳から開業資金を貯め、30歳で開業してからの20年間はひたすらお店のために働いてきたという平様。50代に差し掛かる頃から、徐々に仕事の引退を考え始めます。

平様:「30代〜40代は休みなく朝から夜まで相当働きましたので。50代になってからは仕事量を少しずつ減らして、もうそろそろ引退したいと思うようになりました。とはいえ、うちには子どもがいないですし、引き継ぐ候補先もいない。店を閉じる場合、長年うちに通ってくれていたお客さんや、従業員はどうなるのかと考えるようになりました。」

そうして、2020年頃から事業を第三者に承継するべく動き出した平様は、岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターに相談。M&A仲介会社の紹介を受けて、承継先を探し始めます。しかし、承継先が見つかる前にM&A仲介の担当者がご逝去。改めて紹介を受けたのが、M&Aプラットフォームを運営するバトンズでした。

父から眼鏡屋を継ぎ、新たなチャレンジとして取り組んだM&A

事業承継をするにあたっての葛藤や不安はなかったという平様ですが、コロナ禍の影響もあり承継先探しは難航しました。コロナ禍の営業と、引継ぎ先候補が見つからずもどかしい思いをした期間を平様は以下のように振り返ります。

平様:「コロナ禍が到来したのが、私が事業承継を検討し始めた頃と同時期ぐらいで。この仕事は、検眼をするにも眼鏡を調整するにも、どうしてもお客様との距離が近くなります。そのため、コロナ禍の営業は非常に苦労しました。どこの眼鏡屋さんも自分のお店の経営で精一杯で、新たにM&Aでお店を譲り受けようという雰囲気はない時期だったので、お相手を見つけるのに時間がかかりました。」

承継先探しに難航した平様でしたが、苦境となったコロナ禍を経て出会ったのが、長野県上田市で眼鏡店を複数展開する株式会社ミモトでした。ミモトの代表を務める宮本様は、お父様から眼鏡店の経営を継ぎ、新たなチャレンジへと踏み出す中でバトンズに登録をされていました。

宮本様:「私の父は、眼鏡屋の創業者です。私は大学卒業後に住宅メーカーに就職して4年ほど働いた後、父から『帰ってきたらどうか』という話をされ、27歳の頃にミモトに転職しました。その後、事業を引き継いで代表に就任したのが2020年12月、私が32歳のときになります。」

社長就任時、「一年に一度は新しいことにチャレンジしよう」と決めていたという宮本様。2023年には上田市内に新店を開店し、次のチャレンジに向けて検討を始めたのが、M&Aによるさらなる店舗展開でした。そこで、バトンズに登録をして事業探しを始め、多治見眼鏡との出会いが実現します。

宮本様:「多治見眼鏡さんの一番の魅力は、この30年間、予約制で経営を続けてこられたことです。弊社でも予約制にチャレンジしてみたことがあるのですが、なかなかうまくいかず。『どういうふうにやったら上手くいくんだろう?』と興味を持ったのが最初のきっかけでした。」

信頼できる会社にお店を引き継げたことに、大きな喜びと安心感

宮本様は、平様とお会いした印象について「本当に人柄がよく、多くのお客様がファンになってきたことが納得できた」と話しています。同様に、平様も宮本様に対して安心感を抱いたそうです。

平様:「宮本さんは、若いながらもとてもしっかりされている方という印象を持っています。もともと、安定した経営をしてもらうには、眼鏡店を運営している法人に買ってもらうのが良いと思っていたものですから、宮本さんとお話をして、ぜひこのまま進んだらいいなと切に思いました。」

コロナ禍の影響もあり、平様が最初に事業承継の相談に足を運んでから、具体的に話が動き出すまでは3年以上の時間を要しましたが、宮本様と出会ってからは、トラブルや懸念事項もなく順調に交渉が成立。無事に承継先が見つかり、長い経営人生に幕を下ろすこととなる平様は、宮本様の感謝の気持ちとともに、今後のライフプランに胸を躍らせていました。

平様:「ひょっとしたらお店を閉めることになるかもなと思っていたので、引き継いでもらうことができて心から感謝しています。30代の頃からとにかく仕事をしてきたので、これからは憧れのリタイアライフですね。カナダやニュージーランドに知り合いがいるものですから、ゆっくりそちらへ遊びに行ってみたいなと思っています。」

左から、岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター:古川様、多治見眼鏡:平様、ミモト:宮本様、バトンズ:二木、正司

一方、多治見眼鏡を引き継いだ宮本様は、9月1日よりお店をリニューアルオープン予定。多治見眼鏡のノウハウを引き継ぎ、その技術を他店舗にも生かしたいと意気込みます。

宮本様:「うちはこれからがスタートですので、平さんの培ってきた多治見眼鏡のノウハウを他店舗にも生かしつつ、より業績を残せるようにしていきたいなと思っています。また、先代の頃も多店舗展開に挑戦していたのですが、なかなか従業員がついてこないことが課題でした。これからは、店舗を大きくするだけではなく、従業員の人材育成にも力を入れながら、新たな店舗展開の仕方を目指していきたいです。」

多治見眼鏡と株式会社ミモトの今後のさらなる発展を、バトンズ一同心より応援いたしております!

【岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター 統括責任者:古川真一郎様】
多治見眼鏡様は、2020年11月に当センターのDMをきっかけに、第三者承継のご相談に至りました。

 

当センターでは、まずはノンネームデータベース(NNDB)による買手候補発掘から開始し、発掘した候補3社とはうまくいかなかったことから、次にマッチングコーディネーターである仲介会社(個人)を紹介し、第三者承継を本格的に進めることとなりました。しかしながら、2022年にこの仲介会社(個人)が急逝されるという事態となり、急遽バトンズ様を紹介するという第三者承継の進め方を大きく変更することを余儀なくされました。

 

そんな経緯もあって、今年に入りバトンズ様のお力により、お隣の長野県の同業者である株式会社ミモト様を紹介され、お話が順調に進んだ折にはわがことのようにうれしく感じた次第です。

 

後継者不在の企業はまだまだ多く、私どもは一社でも多く地元企業として生き残れるよう今後も活動していく所存です。そうした意味で、今回こうした承継に携われたことは意義深く誇りに感じております。バトンズ様をはじめ関係者各位に厚く御礼申し上げます。

 

多治見眼鏡様、株式会社ミモト様の今後ますますのご発展を心より祈念しております。

 

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