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ご夫婦で運営する調剤薬局を譲受!理想の薬局運営を目指し、M&Aで起業を決意

2024年09月12日

調剤薬局で15年間、薬剤師として働いてきた加藤明日香様は、2024年2月、独立・起業を目的に「有限会社ヒライ薬局」を譲り受けされました。会社員からなぜ独立するという道を選んだのか、なぜM&Aという手法を選択されたのか。今回のM&Aに至る背景を中心に、初めてのM&Aで苦労した点や現在の取り組みなどについてお伺いしました。


 

譲渡企業
社名 有限会社ヒライ薬局
業種 調剤薬局
拠点 神奈川県
譲渡理由 後継者不在

 


 

譲受企業
社名 個人
業種 薬剤師
拠点 東京都
譲受理由 独立・起業

薬剤師として理想の接客スタイルを貫くために独立を決断

大学を卒業してから15年間、ほとんど休みなく調剤薬局で仕事に邁進されてきたという加藤様。管理者などさまざまなポストも経験するうちに、会社員として勤めているだけでは自分がやりたいことは実現できないと感じ、独立を考え始めたそうです。

「薬剤師としてずっと仕事をしていたので、そのスキルを活かして調剤薬局の運営ができたらいいなと考えていました。また、自分でゼロから立ち上げるよりも、ある程度売り上げなどのデータも揃っている会社を引き継がせていただいた方がやりやすいかなと思い、M&Aを検討するに至りました。」

薬剤師は安定職というイメージが定着しているせいか、起業を決意する人が少ない業種であると話す加藤様。また、会社経営の視点から効率的に患者を捌いていく部分と、医療における患者様に手厚く応対する部分は、ある種相反するもの。そのバランスを取るのが非常に難しく、起業にあたってはそこが重要なポイントになると加藤様は考えていました。

「薬剤師としてのキャリアを積み上げながら、何社かの調剤薬局を転々としているうちに『こういうやり方もあるな』とか『このやり方は私に合っているな』など、経営的な知見を蓄えることができました。その中で、会社員として最後に勤めたところが効率化を重視する薬局で、もう少し医療とのバランスを取れる環境で働ける方が自分には合っていると感じました。この経験も、独立を考えるきっかけになりましたね。」

加藤様が重視した営業スタイルは、効率化して件数をこなすよりも、お客様に対してより良いサービスを追求していきたいというスタンス。事業拡大や売上向上を目的にするのではなく、お客様一人ひとりの満足度を大事にしたいというものでした。M&Aの選定先も、同様なスタンスで経営されていたかどうかが大きな指針になりました。

「現状のやり方を大事にしたい」という想いで信頼を得られた

M&Aの検討を開始してまもなくバトンズに登録。M&A支援を手掛ける「株式会社サンアドバイザリー」を通じて出会ったのがヒライ薬局でした。ヒライ薬局は、平井様ご夫婦がお二人で経営されており、奥様が店長、ご主人が財務を担当されています。加藤様からすると、ご両親に近い年齢であるお二人にとても親近感が湧き、なおかつ非常に温かい印象を受けたそうです。

平井様にはお子様もいらっしゃいましたが、別の職業に従事していたため、第三者への承継を検討している状況でした。また、平井様の元には、加藤様の他にもう一候補、有力な買い手企業があったそうです。加藤様は、自身が引継ぎ先として選ばれた理由について、以下のように分析しています。

「もう一社は、既に薬局を何店舗か経営されていて、今後の活動拠点を広げるためにヒライ薬局を検討していたと伺いました。棲み分けするとしたら、あちらは会社として事業をもっと拡大していく目的、私の方は、個人として薬局を持ち、自分で経営していく目的という違いがありました。実は、最初はお二人でちょっと意見が分かれたと後から聞きましたが、最終的に私の方を選んでくださったみたいです。」

もう一社の方が事業の安定性という点では安心感はあったかもしれませんが、今あるものをそのまま受け継いで育ててほしいという点で、自分の方が適任と判断されたのかもしれないと加藤様は振り返ります。

また、経営者が変わることで、今までと違うやり方に困惑しスタッフが反発してしまうのはよくあること。平井様も加藤様も、「M&A後も変わらずスタッフを大事にしていきたい」という想いで一致していたことが、決定打になったようです。

M&Aの専門家に依頼をする価値を実感

今回、初のM&Aに取り組まれた加藤様。候補先を検討するにあたり、財務諸表をチェックする中で「これはちょっと厳しいかな」と思うところもあれば、満足いくまでチェックできなかったところもあったそうです。

そんな中、ご夫婦で店長と財務を分担されていたヒライ薬局様においては、財務諸表のチェックも不安な点がなく、加藤様がやりたかったスタイルとマッチしていると感じ、スムーズに譲渡契約の締結へと進みました。一方で、M&A時に活用できる融資の申請について、戸惑うことが多かったとのこと。

「買収資金は医師である父から借りることになったのですが、運営資金含め全てを全額借りるまでは難しかったため、金融機関からの融資も検討することにしました。しかし、私が法人ではなく個人だったからか、M&Aの枠で融資を受けるということがなかなかスムーズにいかず。税理士さんに依頼しながら進めていったのですが、いける!と思っていたらやっぱりダメだったというケースが結構ありました。

ですが、今回のM&Aで仲介をされたサンアドバイザリーの大内さんに相談したところ、すんなり融資が決まりまして。自分の中で、『お金の相談は税理士さんに任せておけば安心』という固定観念があったのですが、やはりそれぞれ得意分野があるんだなと。M&Aの融資には、その専門家に依頼するのが良いというのは勉強になりました。

業務のI T化と在宅医療への対応を進めていきたい

1975年から続く薬局を引き継いだ加藤様は、これまでの経営方針を尊重しつつも、経営者として改善すべきところは変えなければいけない。加藤様が手始めに取り組んだのは、業務のIT化でした。

「40年以上続く薬局というのもあってか、業務の進め方が何から何までアナログでして。勤怠表も手書きで管理しているという状態で、正直驚いたところはありました。なので、まずは勤怠管理と給与計算のデジタル化を推進しました。あとは、処方箋の在庫管理システムの導入も進めている最中です。」

IT化を推し進めるにあたって加藤様が気を付けているのは、これまでの業務に慣れているベテランのスタッフが、システムの導入に対してアレルギー反応を示さないように進めること。簡単なことから取りかかり、「ラクになった」とか「便利になった」など、デジタルの利用価値を実感してもらいながら少しずつ進めていきました。幸い、スタッフの方々も献身的に取り組んでくれているようで、業務のIT化は順調に進んでいるようです。

最後に、今後の事業展望についてお伺いしたところ、厚生労働省も推進している在宅医療についてお話しいただきました。

「現在の1店舗でも売上を伸ばせるポテンシャルは十分にありますし、在宅医療に対応できればさらに伸ばせると思っています。薬局は、診療報酬によって点数を加算して単価を上げていく業種なので、在宅医療に対応することで、単価を上げることができます。国も薬局に対し在宅医療への対応を促しているので、やらない訳にはいかないですよね。」

ゆくゆくは、2店舗・3店舗と増やしていきたいという願望もあると話す加藤様。次の店舗を開業する場合、店舗間のシナジーを考え同じ駅圏内が理想であるものの、ヒライ薬局が住宅地街にあるため、新たな薬局を建てられる場所があるのかという懸念材料もあるとも話しています。

場合によっては、再度M&Aを検討することも構想に入れており、「とても検索しやすく、チャットなどの機能も使いやすかった」と、バトンズを活用して店舗拡大を目指す可能性も十分にあるとおっしゃっていただけました。

加藤様と有限会社ヒライ薬局の今後のさらなるご活躍を、バトンズ一同、心より応援しております!

参考:厚生労働省「在宅医療の推進について」

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