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神戸市のサンドイッチ専門店がスーパーをM&A!既存事業とのシナジー効果を狙った戦略とは?

2024年06月27日

兵庫県神戸市を拠点に、地域に親しまれる手作りサンドイッチ専門店「マジックパン」を運営する「有限会社ピンポイント」は、この度バトンズを通じて兵庫県内にあるスーパーマーケット「ちこまーと」を譲り受けされました。ちこまーとは、「もんどマート」として4月22日よりリニューアルオープンされています。

ピンポイントの代表を務める山根智治様は、元々会社員として食品輸出事業に携わっており、その後3年間を山口県萩市の地域おこし協力隊として活動。現在はM&Aで譲り受けたサンドイッチ専門店「マジックパン」を運営しており、バトンズを通じたM&Aは今回が初となります。過去に事業を譲り受けた経験がある山根様は、どのような背景でスーパーの譲受に至り、今後どのような事業構想を描いているのか、詳しくお伺いしました。


 

譲渡企業
社名 ちこまーと
業種 食品(スーパー)
拠点 兵庫県
譲渡理由 後継者不在

 


 

譲受企業
社名 有限会社ピンポイント
業種 食品
拠点 兵庫県
譲受理由 新規事業への参入

 


M&Aで譲り受けた、地域で愛されるサンドイッチ専門店

元々は会社員として食品輸出事業に10年以上携わっていた山根様は、2015年からの3年間を、山口県萩市の地域おこし協力隊で活動されていました。任期中の2016年には、水産加工物を扱う商社 「Mount Root」をご自身で創業するなど、主体的に動かれていた山根様は、そうした活動の中で、地域の課題であった「後継者問題」にも興味を持つようになったといいます。

山根様が地域おこし協力隊として活動されていた山口県は、全国的にみても後継者不在率が高い地域であると言われており、2021年の帝国データバンクの調査によると、山口県の後継者不在率は全国4番目の71.0%という結果も出ています。

「山口県では後継者不足が深刻な問題となっており、事業承継をしたくてもできないという方が多くいました。私も地域おこし協力隊に在籍しながら、なんとか課題解決に向けて動こうとしていたのですが、やはり自分がやったことがないことに対してアプローチすることの難しさを感じまして。価値ある事業が、後継者不足という理由で廃業になってしまうのはもったいないと、もやもやした気持ちを抱えていました。」

地域おこし協力隊の任期が終わり、家族がいる神戸市に戻ってきた山根様は、その後も神戸市産業振興財団や事業承継・引継ぎ支援センターに出向いて話を聞くなど、事業承継の課題に対して何かできないかと考えていたそうです。

「ちょうど神戸市に戻ってきた頃、園児や小学生向けに野球教室を運営している方に出会い、手放したいという相談を受けました。私は昔野球をやっていましたので、興味を持ってその野球教室を引き継ぐことになりました。」

しかし、2020年にコロナが蔓延したことで、野球施設が借りられなくなったり、合宿等のイベントもできなくなるなど、野球教室を一時中断せざるを得ない状況になりました。その後、少しずつ運営が開催できるようになってきた頃に、山根様は2人いる従業員のうちの一人に事業を任せ、そのタイミングで出会った手作りサンドイッチ専門店マジックパンを並行してスタートさせます。

「マジックパンは、1995年に創業された手作りサンドイッチ専門店です。先代が後継者不在で悩んでおり、こちらも引き受けることになりました。コロナ禍だったため、テイクアウト事業に取り組んでいたのですが、ありがたいことにそちらが繁盛し、他に手が回らなくなってきました。そこで、野球教室は従業員に任せ、私はマジックパンの運営に注力するようになりました。」

サンドイッチ事業とシナジーを見込めるスーパーの運営

譲り受けたサンドイッチ専門店の事業が軌道に乗ってきたころ、山根様が次の一手として考えていたのがM&Aによる事業拡大でした。サンドイッチ専門店の一角が空きスペースとなっており、その場所を効率よく使えるような食品事業を探していたといいます。

「お店の一角に使っていないスペースがあったので、その空間を使って何か別のビジネスができないかと考えていました。そこでバトンズに登録して、お団子屋さんやハンバーガー屋さん、お弁当屋さんなど、さまざまな事業を検討しました。

累計で10人〜20人くらいと話をして、その中でビビッと来たのが地域密着型のスーパーの譲渡案件でした。もともとの目的だったお店の一角を有効活用できる食品事業ではありませんでしたが、この事業を譲り受けることで、野菜の仕入れや販路の拡大といった面で、サンドイッチ事業ともシナジーがありそうだなと思いました。」

飲食に関連するさまざまな譲渡案件を検討する中で、既存のサンドイッチ事業とシナジーが見込めるスーパーを選択した山根様。案件探しをする際には、他にどのような基準で選定されていったのでしょうか。

「事業を選定する基準を3つ設けていました。1つ目は、長く続いている事業であるかどうかです。今回譲り受けたスーパーは創業50年を超え、地元に密着している点がとても魅力に感じました。

2つ目は、譲渡の理由・目的です。体調不良や年齢といった理由で引退を考えている方から事業を譲り受けたいなと考えていました。社会課題となっている後継者問題にも取り組むことができますし、体調という致しかたない理由かつ、長年やられてきたという実績があることは、急に事業が頓挫する可能性は低いのではないかと考えていたからです。

3つ目は、従業員やキーマンとなる方が残ってくれるかどうかです。サンドイッチ事業を譲り受けた時は、引継ぎから慣れるまでに3年くらいかかりました。そのため、事業のことをある程度わかる方が残ってくれると安心だなと思っていました。」

赤字でも決断できたのは、改善の可能性が見えたから

交渉時、黒字ではないという点に少し不安を感じていたという山根様でしたが、前オーナーと話をするうちに事業の改善ポイントがわかり、今後の事業展望が見えてきたそうです。

「前オーナーは従業員に全てをお任せしていたという話を聞きました。何か改善すべきことがあっても、従業員はリスクが取れない立場にあったり、日々の業務で精一杯だったりするので、お店をより良くするための行動に結びつきづらい状況にあると思います。

そのため新しい業者を探すとか、新しい目玉商品を発掘するといった論点を、私が一緒にお手伝いをすれば黒字に転換できるではないかと、改善の余地を見出すことができたので、実行に移しました。」

改善点が明確にあり、今後の事業拡大に可能性を感じたことが、赤字事業を譲り受ける決断ができた理由だと話す山根様。今回で累計3回目のM&Aとなったご経験から、買い手として案件を探すときに意識していることについて以下のように話しています。

「M&Aをする際に仲介が入る場合もあるのですが、私が経験してきたM&Aのような規模が小さいものであれば、M&A仲介業者に頼らずに自分で交渉した方がいいと感じています。

中小企業で本当に後継者を必要としている人からすると、M&A仲介業者に支払う金額がかなり大きなハードルになると思います。そのため、買い手との交渉も上手くまとまらなくなってしまうのではないかなと。小規模のM&Aは、バトンズのように手数料が低いサービスを選んで案件を探すことをお勧めします。」

予測できない未来、事業の軸を増やすことでリスクヘッジにも

当初はサンドイッチ専門店の一角を活用した事業の譲り受けを考えていた山根様。その目的はまだ果たせていないため、山根様は今後も買い手としてM&Aを検討されていくと話します。

「今後もさまざまな食品事業を、M&Aという選択肢を活用しながら増やしていきたいなと思います。サンドイッチ事業はコロナ禍で、運よくテイクアウトという時流にあった商売の仕方ができました。

しかし、今後何が起こるか予測できない未来なので、一つの事業に絞るのではなく、さまざまな事業を行ってリスクヘッジをしながら拡大していきたいなと思っています。既存事業と何かしら相乗効果のある事業を譲り受けることで、可能性はかなり広がっていくと思います。」

今後は、地域に根付いたサンドイッチ専門店とスーパーという2軸で事業を展開されていく山根様。これからも積極的にM&Aを検討していくということで、今後の取り組みにも目が離せません。

有限会社ピンポイントと山根様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

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