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秘湯・燕温泉の温泉宿を譲り受け!M&Aを通じて、日本の温泉文化の魅力を新しい世代に伝えたい

2024年02月15日

長野県を中心に旅館運営業を営む株式会社ヤドロクは、この度バトンズを通じて、新潟県と長野県にまたがる秘湯・燕温泉で代々温泉宿を営む岩戸屋を譲り受けされました。株式会社ヤドロクの代表である石坂様は、「日本の温泉文化を残したい」という思いから、これまでも長野県を中心に老舗の温泉旅館の運営を引き継いでこられました。

ご自身も温泉好きであるという石坂様がバトンズで見つけた創業100年以上の歴史を持つ燕温泉の温泉宿、岩戸屋様。この温泉宿を引き継ぐことにかける思い、今後の展望を伺いました。


 

譲渡企業
社名 有限会社岩戸屋
業種 ホテル・旅館
拠点 新潟県
譲渡理由 後継者不在

 


 

譲受企業
社名 株式会社ヤドロク
業種 ホテル・旅館 など
拠点 長野県
譲受理由 新規エリアへの進出

 


事業承継できる温泉宿を探すため、バトンズに登録

石坂様が代表を努める株式会社ヤドロクは、長野県を中心に旅館運営事業・飲食店事業を営む会社です。メイン事業である観光分野から少しずつ領域を拡げ、人材紹介、学生やインバウンド人材向けのインターンシップ事業、コンサルティングの事業といった分野にも活動の幅を広げています。

「M&Aで宿を引き継ぐのはこれで二回目になります。統計的に見ても、旅館という部門は廃業しているところがどんどん増えています。このまま日本の旅館文化や温泉文化を無くしてしまうのはもったいないなと思っていて、自分になにかできればと考えてバトンズさんに登録しました。」

株式会社ヤドロクは、長野県内で4つの宿を経営しており、そのうちの1つは志賀高原のリゾートホテル、そのほかの3つは温泉宿の運営。バトンズでも温泉宿を探していたという石坂様には、いくつかの条件をもとに案件を探していました。

「一番の条件は、『源泉かけ流し』の温泉が使える宿であることです。それから、インバウンド客が来そうな地域であること。あとは、会社が長野県の渋温泉にあるので、そこからなるべく近いところを探していました。」

バトンズの「おすすめ案件紹介メルマガ」より、希望条件通りの温泉宿を発見

限られた条件の中で出逢われた、燕温泉にある岩戸屋。燕温泉は、新潟県と長野県にまたがる上信越高原国立公園内の妙高山の麓に位置する秘湯として有名な温泉です。妙高登山の東側の入り口でもあり、温泉街には歴史と情緒が感じられます。

岩戸屋は創業が1907年と長い歴史がある温泉宿で、数少ない『源泉掛け流しの温泉』という特徴を持ち、妙高を訪れるスキー客から、団体客、ファミリー客やカップル、長年通い詰めているリピーターの方など、幅広いお客様に長年愛されてきました。

近年は、インバウンドの観光客も増え始めてきており、石坂様が拠点を置く渋温泉からも車で1時間ほどと距離が近く、まさに石坂様の理想通りの案件でした。

「うちの会社のメインである長野県の渋温泉も、源泉かけ流しの地域なんです。やっぱり、そこを求めてくるお客様が多いので、源泉100%であることは大事な条件でした。まず、源泉かけ流しが使える地域自体がとても貴重だと思うんです。今、全国に温泉地って3000ヶ所ほどあるんですが、どこも加水をしたり温めているのが基本で、源泉かけ流しでやっている温泉地は恐らく1割もありません。」

燕温泉は、国民保養温泉に指定されており、温泉法でも定められている地域でした。さらに、湯量も豊富で、温泉の温度も高く、効能も保証されています。最初に案件を目にした際に、石坂様は直感で温泉としての価値を感じたといいます。

「バトンズさんから、おすすめ案件の紹介としてメッセージが来たんです。場所も近いし、温泉もいいし、インバウンドも来そうだなと。自分がやりたいような条件がちょうど揃っていたので、メールをいただいてからすぐに返事をした記憶があります。」

温泉宿にかける想いで意気投合し、スムーズな交渉に

[写真] 左上:ヤドロク石坂様、右上:新潟県事業承継・引継ぎ支援センター池山様、左下:岩戸屋宮澤様、右下:野本様

石坂様は、紹介メールが来た翌月には実際に燕温泉に足を運び、岩戸屋を訪れました。宿の立地や設備、そして肝心の温泉を確認した後、交渉に入り、4ヶ月ほどかけて見事成約へ。温泉旅館にかける思いと熱量が一致し、交渉はスムーズに進んだそうです。

「実際に岩戸屋に訪れて、宿の持ち主である宮澤様、娘さんの野本様とお話し、ぜひここを引き継ぎたいと感じました。やっぱり長年宿をやってらした方ですから、温泉宿に思い入れがあって、好きだというのがすごく伝わってくるんですよね。お話を聞くにつれて、自分でこの温泉宿を引き継いで残していきたいなと思いました。」

燕温泉が国立公園の中に位置するため、規則や制限のハードルがありましたが、M&Aの交渉自体はあっさり進んだと石坂様は振り返ります。今回の交渉が、バトンズを利用した初めてのM&Aとなった石坂様。サービスを利用してみての感想も伺いました。

「バトンズは、カジュアルにM&Aに触れられるというのがすごくいいなと思います。案件の紹介がたくさん来ますし、その中で自分と条件が合致するものがあったときにぱっと動けるというのも良かったなと思います。今回は、すぐにお返事をいただけて、スムーズに物事が進んだので、自分としてはすごく頼りにしていました。」

新しい世代にも温泉の価値を知ってもらいたい

今後もバトンズを活用して温泉旅館のM&Aを続けていきたいと話す石坂様に、今後の事業の展望についてもお話を伺いました。

「私は、温泉宿や温泉の価値を多くの人に知ってもらいたいんです。特に、新しい世代である若い人に向けて、温泉の価値を知っていただきたい。そのためには、これからも会社を大きくして、いろんな地域にどんどん温泉宿を広げていく必要があります。

また、うちの会社はインバウンドに強いので、強みを活かして日本の田舎にもっと外国人観光客が来るような仕組みを作りたいと考えています。その選択肢の一つとしてM&Aを活用していきたいです。」

温泉宿を運営していることから、日頃から温泉に入っているという石坂様。インタビューを行った日の前日も、岩戸屋の源泉掛け流しの温泉を堪能されたそうです。改めて、日本の温泉宿の魅力を教えていただきました。

「源泉掛け流しの温泉は、本当に良いんです。普通のお湯とは全然違いますよ。身体の不調が良くなるのを体感します。みなさん、よく『温泉に行った』とお話しされますが、最初にお話しした通り、ほとんどの宿は加温や加水、循環をさせていますから、言ってしまえばそれはお風呂と変わらない。そうすると、それしか知らない若い人たちは『温泉って別に大したことないよね』と思ってしまう。それではもったいない。これからも源泉掛け流しにこだわって温泉宿の魅力を広めたいです。」

株式会社ヤドロクと、岩戸屋の今後のご発展をバトンズ一同心より応援しております!

 

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