今回は、「リブランディングとは?」について、解説します。
「リブランディング」と聞くと、「ブランド」を新しくすることや改良することをイメージされる方は多いのではないでしょうか?
似通った言葉では、リフォームやリサイクルなどもあるので、だいたいのイメージは想像できますが、具体的にリブランディングを説明できる方はあまり多くありません。
しかし、リブランディングは企業において一大プロジェクトであり、非常に重要な経営戦略となるため、経営に携わる方には必ず知っておいていただきたい部分です。
今回のラインナップは、リブランディングについての、
②リブランディングとブランディングの違い
③リブランディングとリニューアルの違い
④リブランディングのメリット
⑤リブランディングを行うタイミング
⑥リブランディングの進め方
⑦リブランディングを実行する上での注意点
を中心に、解説していきます。
※今回の記事のワンポイントアドバイスでは、【必見】リブランディングとM&Aの関連性も解説していますので、是非、ご覧ください!
【監修者プロフィール】
スモールM&Aアドバイザー/ M&A支援機関登録専門家
伊藤 圭一(いとう けいいち)
「小規模企業と個人事業の事業承継を助けたい!」そんな想いから、2019年7月に小規模事業専門のM&Aアドバイザー「スモールM&Aアドバイザー・合同会社アジュール総合研究所」を設立。
「合同会社アジュール総合研究所」の紹介ページ
【必見!】巻末にスモールM&Aアドバイザー・合同会社アジュール総合研究所 代表 伊藤氏よりM&A実務に即したワンポイントアドバイスや注意点も掲載しています!是非、最後までご刮目下さい!
リブランディングの意味
リブランディングとは、現在、企業が保有しているブランドを見直し、時代の変化や消費者ニーズに合わせて再構築することです。
ブランディング「branding」に再度と言う意味の「re」を足した言葉であり、企業価値を高め継続させていくことにおいて、非常に重要な経営戦略となっています。
リブランディングとブランディングの違い
ブランディングは、経営理念や経営ビジョンなど、企業におけるパーパス(存在意義)を定義し、ステークホルダー(利害関係者)より良好なコーポレートイメージを持ってもらうための経営戦略です。消費者に対して独自性や価値を伝え、商品やサービスだけではなく、企業自体を他の競合相手から差別化することが主な目的になります。
一方、リブランディングは、現在企業が持つブランドを軸に、社会情勢や多様化する顧客ニーズに対応させ、独自性や差別化を強化・補填を行うことであり、時にはブランド自体を根底から見直すこともあります。
また、リブランディングについては、継続的かつ必要に応じて行い、企業ブランドの陳腐化を回避することが重要となります。
リブランディングとリニューアルの違い
両者の決定的な違いは、リブランディングとは「目的・目標」であり、リニューアルは「方法・手段」と言えます。
リブランディングは、現在あるブランドを最終的にはどのように再構築したいのかを定義することであり、リニューアルは、リブランディングを達成するために必要となるロゴや商品、販売手法の変更など方法論と言うことになります。
つまり、リブランディングが「ターゲット」ならば、リニューアルはそれを達成するための「戦略・戦術」と言うことなのです。
リブランディングのメリット
リブランディングのメリットは主に以下の3つです。
ひとつずつ見ていきましょう。
時代のニーズに合った企業経営を行うことが可能
社会情勢は目まぐるしく変化しており、消費者ニーズも多様化しています。それに応じて自社が保有するブランドも変化に対応していかなくては企業継続性が危ぶまれてしまいます。
そこで、リブランディングにより企業理念や経営ビジョン、経営手法を刷新し、今あるブランド力を時代のニーズに合った企業経営にバージョンアップすることが可能となります。
また、既存のブランドを再構築するため、イチからブランディングを実施する必要はなく、経営リソースを効果的に再利用することができるのも魅力の一つです。
競争力の向上
陳腐化したブランド力を刷新することにより、時代のニーズに合ったイメージやメッセージがステークホルダーから好感を受けると、再度差別化を図ることが可能となり競争力が向上します。
また、ステークホルダーは株主、取引先、消費者のみならず、従業員も含まれており、社員満足度の向上やリクルーティング活動が有利になることも期待できるため、多面的な恩恵に預かれると言うことも覚えておきましょう。
負のイメージの修復
企業経営を長年続けていると何かしらつまずくこともあり、企業のイメージに傷がついてしまうこともあります。企業へ悪評が立ってしまった場合、リブランディングを行うことは非常に効果的です。
卓越したリブランディング戦略をとることで、企業が生まれ変わったことをステークホルダーにアピールすることができれば、負のイメージを修復することが可能となり、更に良いイメージに転換してもらうことも期待できます。
リブランディングを行うタイミング
メリットをご覧いただいたのを受けて、次はリブランディングを行うタイミングを見ていきましょう。
経営陣の交代
企業代表者の代替わりや企業再編を行う際、経営理念やビジョンの見直しも行われることがあります。この時、同時にブランドの見直しも検討しやすく、リブランディングされることが多くあります。
経営陣が刷新される際、これら企業経営の根底部分が再構築されることは世間から予想されることが多く、リブランディングのタイミングとして適しているのです。
外部環境の変遷期
外部環境要因は企業経営に大きな影響を与えます。政治・経済だけではなく、テクノロジーの革新などの外部要因の変化にはタイムリーに対応していかなければ、生き残りを図ることはできません。
それに応じてリブランディングが必要となることは当然あるのと言えます。
消費者ニーズの変化
消費者ニーズの変化は非常に激しく、プロダクトライフサイクル(PLC)も短期化傾向にあります。商品やサービスを刷新することだけでは難しい時代になっており、企業ブランド自体もリブランディングすることが迫られています。
これについては、日々消費者ニーズにアンテナを張り巡らし、リブランディングを行う時期を見誤らないようにしなければいけないのです。
リブランディングの進め方
次はリブランディングの進め方について順を追ってご説明します。
プロジェクトチーム立上げ
まずはリブランディングを推進していくうえでのプロジェクトチームを立ち上げます。
プロジェクトチーム立上げにあたってメンバー全員の軌を一にすべく、
- なぜリブランディングが必要なのか?
- リブランディングの目的
- リブランディングのスケジュール
など、大まかで構わないので計画の大枠を決める必要があります。チームメンバーは、各部署1~2名をアサインし、全社横断的な意見を反映させる事が望ましく、全社をあげての一大プロジェクトであると言うことを浸透させましょう。
現状の可視化・分析
リブランディング戦略計画を策定するために、現状を分析する必要があります。
現状把握には、3C分析、4P分析、SWOT分析などのビジネスフレームワークを活用すると効率が良く、現在会社が保有しているブランドを徹底的に可視化・分析します。
明確な言語化
ブランドの可視化・分析が出来たらリブランディングの言語化を行います。
リブランディングは、経営理念や将来ビジョン等の経営方針自体を根底から刷新されることもあり、これを外部・内部ともに広く行きわたるようにしなければいけません。そのためにも具体的にリブランディングのコンセプトを明確に言語化することが重要となります。
リブランディング戦略の実行フェーズにおいては、プレスリリース活動も当然行われるため、セールスコピーライティングも意識したワードにすると良いでしょう。
リブランディング戦略の策定
リブランディングの明確な言語化が出来たらリブランディング戦略の策定を行います。
戦略策定には、
Why(なぜ) | 必要性 |
What(何を) | 目的 |
When(いつ) | スケジュール |
Who(だれが) | 各部署の推進担当者と役割 |
Where(どこで) | 社内・社外リリース |
How(どのように) | リブランディングの推進方法 |
である「5W1H」を活用し、チームメンバー立上げ時に掲げた計画の大枠に肉付けして行きます。各項目は抽象的にするのではなく、できる限り具体的な表現にすることを意識しましょう。
リブランディングの実行
リブランディング戦略の策定が完了したら、いよいよ実行フェーズに入ります。コーポレートサイトやロゴマークなどの変更、社内・社外へのリリースを一気に行い、リブランディングしたことを、迅速かつ広範囲に浸透させます。
リブランディングの推進責任者(プロジェクトリーダー)は、進捗管理には常に意識を配る必要があり、PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Action)を活用し、策定した戦略が順調に推進されるようにしましょう。
リブランディングを実行する上での注意点
リブランディングを実行する上での注意点も3つご紹介します。
ブランド力の低下
企業が保有するブランド力は、リブランディングをすることで低下してしまう恐れもあります。
高級志向の商材を提供していた企業が、安価な商材を提供するようになれば、当然、ブランドイメージは低下し、ブランド価値は毀損してしまいます。
この点、長年の経営で培ってきた顧客からのイメージなど数字からは見えてこない定性分析を現状分析の中でしっかりと把握しておくことが重要となります。
長期計画として策定・実行
社会情勢や消費者ニーズに応じて実行すべきリブランディングですが、一時期のトレンドに流されて行うものではありません。リブランディングは企業において一大プロジェクトであり、今後の経営の明暗を分けます。
流行とは得てして短期集中的に発生・衰退を繰り返すものであり、リブランディングは、それに影響を受けて軽率に実行するものではありません。短期的かつ軽はずみなリブランディングは、世間からも受け入れられず、前のセクションでもご説明したブランド力の低下をもたらしかねません。
リブランディングとは、長期計画として策定し実行するものであることを覚えておいてください。
広く浸透させる
何度も言いますが、リブランディングは企業において一大プロジェクトであり、今後の経営の明暗を分けます。リブランディングの進め方のセクションでもご説明した通り、多くの経営資源をつぎ込み長期的視点で計画策定されます。
にもかかわらず、社内の末端まで浸透されず、社外へも広く認知してもらえなければ、今まで行ってきたものは全て無駄になってしまいます。
内部外部問わずステークホルダーに広く浸透させるには、徹底的なプレスリリースを行うことが重要であり、必要な限り宣伝広告費を惜しんではいけません。
リブランディングしたことを広く浸透させ、費やした経営資源は必ず回収するという強い姿勢を持つようにして下さい。
まとめ
以上、「リブランディングとは?」を、解説しました。
今回の内容を、おさらいしましょう。
①リブランディングの意味
・リブランディングとは、現在、企業が保有しているブランドを見直し、時代の変化や消費者ニーズに合わせて再構築すること。
②リブランディングとブランディングの違い
・ブランディングは、経営理念や経営ビジョンなど、企業におけるパーパス(存在意義)を定義し、ステークホルダー(利害関係者)より良好なコーポレートイメージを持ってもらうための経営戦略である。
・一方、リブランディングは、現在企業が持つブランドを軸に、社会情勢や多様化する顧客ニーズに対応させ、独自性や差別化を強化・補填を行うことであり、時にはブランド自体を根底から見直すこともある。
③リブランディングとリニューアルの違い
・リブランディングは、現在あるブランドを最終的にはどのように再構築したいのかを定義することであり、リニューアルは、リブランディングを達成するために必要となるロゴや商品、販売手法の変更など方法論。
④リブランディングのメリット
・リブランディングにより企業理念や経営ビジョン、経営手法を刷新し、今あるブランド力を時代のニーズに合った企業経営にバージョンアップする事が可能。
・陳腐化したブランド力を刷新することで、時代のニーズに合ったイメージやメッセージがステークホルダーに好感を受けると、再度差別化を図ることが可能となり競争力が向上する。
・卓越したリブランディング戦略をとることで、企業が生まれ変わったことをステークホルダーにアピールすることができれば、負のイメージを修復する事が可能となり、更に良いイメージに転換してもらうことも期待できる。
⑤リブランディングを行うタイミング
・経営陣の交代
経営陣が刷新される際、企業経営の根底部分が再構築されることは世間から予想されることが多く、リブランディングのタイミングとして適している。
・外部環境の変遷期
政治・経済だけではなく、テクノロジーの革新などの外部要因の変化にはタイムリーに対応していかなければ生き残りを図ることはできず、それに応じてリブランディングが必要となることは当然である。
・消費者ニーズの変化
商品やサービスを刷新することだけでは難しい時代になっており、企業ブランド自体もリブランディングすることが迫られている。
⑥リブランディングの進め方
・プロジェクトチーム立上げ
なぜリブランディングが必要なのか?リブランディングの目的、リブランディングのスケジュールなど大枠を決め、ンバーは、各部署1~2名をアサインし全社横断的な意見を反映させる。
・現状の可視化・分析
現状把握には、3C分析、4P分析、SWOT分析などのビジネスフレームワークを活用すると効率が良く、現在会社が保有しているブランドを徹底的に可視化・分析。
・明確な言語化
経営理念や将来ビジョン等の経営方針自体を根底から刷新されることもあり、これが外部・内部ともに広く行きわたるよう明確に言語化することが重要である。
・リブランディング戦略の策定
「5W1H」を活用し、チームメンバー立上げ時に掲げた計画の大枠に肉付けし、各項目は抽象的にするのではなく、できる限り具体的な表現にする。
・リブランディングの実行
リブランディングの推進責任者(プロジェクトリーダー)は、進捗管理には常に意識を配る必要があり、PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Action)を活用し、策定した戦略が順調に推進されるようにすること。
⑦リブランディングを実行する上での注意点
・企業が保有するブランド力は、リブランディングをすることで低下してしまう恐れがあり。
・流行とは得てして短期集中的に発生・衰退を繰り返すものであり、リブランディングは、それに影響を受けて軽率に実行するものではない。
・内部外部問わずステークホルダーに広く浸透させるには、徹底的なプレスリリースを行う事が重要であり、必要な限り宣伝広告費を惜しんではいけず、リブランディングしたことを広く浸透させ、費やした経営資源は必ず回収するという強い姿勢を持つようにすることが重要。
リブランディング戦略は、商品・サービス、公告方法の変更など小手先だけの経営戦術ではなく、企業経営自体を根底から覆すこともあります。
それだけにリブランディング計画の策定はしっかり行い、経営基盤を盤石にできるようにしましょう。
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【スモールM&Aアドバイザー・合同会社アジュール総合研究所 伊藤氏からのワンポイントアドバイス!】
こんにちは!この記事を監修させて頂きました、スモールM&Aアドバイザー・合同会社アジュール総合研究所 代表の伊藤と申します。
ここからは、スモールM&A専門家である、わたくし伊藤が、M&A実務に即した、成約に大きく前進するためのアドバイスと注意点などを、なるべくわかりやすく(そして、くだけた感じで?)スモールM&Aの現場の経験をもとに解説していますので、是非、ご刮目下さい!
はいっ!
今回は、「リブランディング」について解説しました。
ブランディングやリブランディング、はたまたリニューアルを、なんとな~くで理解していた方は多かったんじゃないですかね?
かく言う私も経営コンサルティングやM&Aアドバイザーになる前はごっちゃになっていた部分もあり、偉そうなことは言えないんですけどね・・・(汗)
それはさておき、今回のお題はリブランディングと言うことでM&Aとは関係のないテーマに思えたかもしれませんが、やはり経営戦略と言う部分では、関連性はあるんですね。
以前の記事でも「多角化戦略」や「コングロマリット」も解説させていただきましたが、どの戦略を採用するにせよ、目的は一緒なんですね。
もちろん、目指す主な目的は、「企業収益を増加させ経営基盤を盤石にし、企業価値を挙げること」が第一に挙げられますよね。
では、リブランディングやM&A、多角化などの経営戦略ってなんですかね?
それは、「目的を達成するための手段」なわけですよね。
関連性で言うと、「目的」と「経営戦略」は垂直的につながっており(経営戦略が目的にぶら下がっているイメージ)、数ある「経営戦略」は「経営戦略」同士、水平的につながっているような構図(横並びになってるイメージ)となり、これらすべては何かしらつながっているわけなんですよね。
つまり、M&Aもリブランディングも経営戦略である以上、関連性があり個別・独立しているわけではないんですね。
イメージ湧きますかね?
分かりますかね?
更に言うと、各経営戦略同士の関連性を強めたり効率性を挙げることで、みなさん大好き「シナジー効果」も創出し易くなるわけですよね!この点、しっかり理解していた方が、企業全体(またはグループ全体)の「目的」を達成できる確率は格段に上昇するわけですよ!
なので、今回のテーマであるリブランディングもM&Aとは無関係と考えては頂きたくないんですね。
ではでは、リブランディングとM&Aの関連性ってどんなものなんですかね?
と言うことで、今回のワンポイントアドバイスは「【必見】リブランディングとM&Aの関連性」を解説していきます!
【必見】リブランディングとM&Aの関連性
ではでは、リブランディングとM&Aの関連性について解説していきましょう!
今回解説するポイントは以下の3つです!
①M&Aによる経営陣の代替わりでリブランディング
②M&Aによる新商材やエリア拡大を知らせるリブランディング
③M&Aによりイメージアップを図るリブランディング
それでは順に、ご説明しましょう!
①M&Aによる経営陣の刷新でリブランディング
リブランディングのタイミングのセクションでもお話ししましたが、M&Aによる経営陣の刷新でもリブランディングされることは、たびたび見られますね。親会社より役員が入り、親会社の経営理念やビジョンを子会社にも浸透させると言った感じです。
そもそも、子会社側でブランド力自体がない場合もあるので、親会社のブランド力を注入することの方がケース的には多いですね。
特に小規模M&A(スモールM&AとマイクロM&A)の場面だと、子会社の企業文化はそのまま維持されることが多く、子会社の差別化が図れている部分などを強化し、それを広めるためにリブランディングが行われることもあります。
この点については、子会社の企業文化を急激に刷新してしまうと、取引先や従業員が離れてしまう可能性もあるので、緩やかにリブランディングしていくことを意識してもらいたいですね。
②M&Aによる新商材やエリア拡大でリブランディング
M&Aにより親会社、子会社間で化学反応を起こし新商品・サービスが開発されることももちろんありますよね。また、M&Aにより両者間の営業エリアが拡大することもしかりです。これを機にリブランディングも同時に行うことがありますね。
これの特徴は、前のセクションでご説明した経営陣の刷新によるリブランディングと異なり、経営理念やビジョンなどの根底の部分をいじるわけではなく、あくまで新商材の営業やエリア拡大を世間に広く知らせるために行われることが多く、M&A実行後、短期集中的に実行し、早期に軌道に乗せることが目的になりますね。
これの目的を達成するためには、時間や労力よりも広告宣伝費などのコストをかける必要があり、M&Aとリブランディング計画策定の際は、KPI(Key Performance Indicator―中間目標)とKGI(Key Goal Indicator―最終目標)を設定し、達成度の管理や効果測定を意識しながら推進して下さいね。
③M&Aによりイメージアップを図るリブランディング
よくあるのが、上場企業などの優良企業がM&Aをする際に行うリブランディングですね。子会社が優良企業の傘下に入り、親会社のブランド力に引っ張ってもらうイメージです。(これをバンドワゴン効果なんていいますよね。)
優良企業のグループに入るとなると、得意先や取引先、消費者からの聞こえも良く、金融機関からはグループファイナンスを受けることも期待できますよね。
またこれは私見ですが、離職率の低下やリクルーティング活動もかなり有利になりますね。実際、私が成約させて頂いた案件でも、従業員の給与や賞与がアップしたケースもありますし、求人応募が多くなったというケースもありました。
企業ブランドとそれを強化や陳腐化を防止するリブランディングは、とっても重要なことがよくわかりますよね。
今回記事の「まとめ」の「マトメ」
以上、「【必見】リブランディングとM&Aの関連性」を解説しました。
今回のメインテーマがリブランディングと言うこともあり、リブランディングとの関連性のポイントをご紹介しましたが、冒頭お話ししたとおりM&Aは他の経営戦略とも密接な関連性があります。また、他の経営戦略についてお話しさせていただく機会がありましたら、M&Aとの関連性もご紹介したいと思います。
最後にひとつお話しさせて頂きますが、多角化、リブランディング、その他諸々の経営戦略をM&Aと掛け合わせるうえで重要なことがあります。
それは、「PMI計画を綿密に策定すること」です。
PMIについて以下、簡単に触れておきます。
【PMIについて】
※「経営統合」と「信頼関係の構築」は体制の整備であり、「業務統合」はシナジー効果の創出・獲得を目指すこと。
※シナジー効果には、売上・収益の増を狙う「売上シナジー」と、原価・費用の減を狙う「コストシナジー」がある。
どちらに偏ることなく、「攻め」と「守り」をバランスよく推進していくことが望ましい。
そのための大前提として、体制整備となる「経営統合」と「信頼関係の構築」が重要となる。
「これを大前提にPMIを推進!」ってな、感じなんです。
リブランディングの進め方のセクションでもお話ししましたが、計画の策定ってかなり重要なんですね。M&Aもリブランディングも会社にとっては社運を賭けた一大プロジェクトですよ。投下資金だけではなく、人員、時間、労力などの経営資源を多く費やすわけです。
私自身、M&AアドバイザーとしてPMIコンサルティングも行う場面がありますが、お客様には、やっぱり成功していただきたいんですね。私にPMIのご依頼を頂いた方だけではなく、今回の記事をお読みいただいた方にもです。
そのためには、リブランディングや多角化戦略をしっかり盛り込んだ内容のPMI計画を綿密に策定して、それに忠実に推進していただきたいんですね。
それがシナジー効果の創出につながり、果てはM&Aの成功につながるのだと思います。
吉田松陰先生のお言葉を借りますが、
理想なき者に計画なし
計画なき者に実行なし
実行なき者に成功なし
故に
夢なき者に成功なし
なんですよね。
M&Aやリブランディング、その他経営戦略を検討している方がいらっしゃいましたら、PMIにかかわらず、計画策定が重要と言うことが伝われば幸いです。
PMIのご相談を受け付けてくれるM&A専門家もいます!
気になる方は、下記URLより専門家に依頼しましょう!
今回のワンポイントアドバイスでは、「【必見】リブランディングとM&Aの関連性」について解説しましたが、今後もM&A実務に即したネタをご紹介しますので、これからもご覧いただけますと幸いです。
また、この記事が良かったなと感じたら、SNSでのご紹介をお願いします!
最後に、みなさまのM&Aが、安全にご成約されることを心よりお祈り申し上げます。
また次の記事でお会いしましょう!
それでは!
【監修者プロフィール】
スモールM&Aアドバイザー/ M&A支援機関登録専門家
伊藤 圭一(いとう けいいち)
「小規模企業と個人事業の事業承継を助けたい!」そんな想いから、2019年7月に小規模事業専門のM&Aアドバイザー「スモールM&Aアドバイザー・合同会社アジュール総合研究所」を設立。
「合同会社アジュール総合研究所」の紹介ページ
こんなお悩みありませんか?
つなぐマッチングプラットフォームです。
累計5,000件以上の売買を成立させています。
またM&Aを進めるためのノウハウ共有や
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