大手一般企業で長年勤務されていた渡辺様。コロナ禍の断捨離がきっかけでオンラインショップの運営に興味を持ち、この度、新書・文庫・ムック本など書籍販売に特化したEC事業を譲り受けされました。現在、アカウント運用の引継ぎを行っているという渡辺様に、M&Aを検討し始めたきっかけや、実際に交渉・引継ぎを終えるまでの流れについてお話を伺いました。
譲渡企業 | |
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区分 | 個人事業主 |
業種 | 小売業・EC(個人向け) |
拠点 | 東京都 |
譲渡理由 | 選択と集中 |
譲受企業 | |
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区分 | 個人事業主 |
業種 | 小売業・EC(個人向け) |
拠点 | 神奈川県 |
譲受理由 | 商流拡大 |
フリマアプリがきっかけで、オンラインショップ運営に興味を持つように
長年、大手一般企業でデスクワークをされていた渡辺様。年齢を重ねるうちに、このままフルタイムでの勤務を続けられるのかと不安に感じるようになっていた中で、キャリアチェンジの転機を迎えます。
「働き方を考えている中で、母が倒れたり、自分が体調を崩して入院したりということが続いて、会社を辞めざるをえなくなったんです。その後、自分のキャリアのために資格の勉強をしていましたが、それもなかなか活かしきれずにいました。」
退職後、新たな仕事を探す中で、クラウドワークスの存在を見つけたという渡辺様。オンラインであれば、自分のペースで仕事ができると考え、クラウドワークスで見つけた仕事を受けつつ、余裕が出来た時間を使って自身で始められるビジネスを検討し始めます。
そこでヒントになったのが、趣味として行なっていたフリマアプリの運用。コロナ禍の影響により、家にいる時間が増えた渡辺様は、身の回りの品の断捨離を行う中で、フリマアプリを活用した物販を行なっていました。
「実際にやってみたら、これは面白いなと。そこで、次はメルカリでショップページを開設しました。個人のアカウントではなく、ちゃんとお店を持ちたいなと思ったんです。
メインで扱っていた商材は中古の楽譜や音楽関係に特化した本でした。私はもともと音楽が好きで、今は口笛講師をしていまして。ピアノも習っているのですが、数千円かけて楽譜を購入しても、全部きちんと使い切らずにまた次のものを買う、ということが多く、もったいないなと感じていたんです。必要としている人に回す流通の仕組みが作れたらいいなと思っていました。」
オンラインショップ開設で手応えを感じ、M&AによるEC事業の運営を検討
中古の楽譜・音楽関係の本に特化したオンラインショップは、出品したものが次々と売れていき、渡辺様は手応えを感じるようになりました。特に、古い曲の楽譜や、和楽器の楽譜は品薄になりやすく、手に入れるのが難しいため、出品すればすぐに売れていきました。しかし、確かな需要を感じつつも、それなりの収益が出るレベルにはなかなか到達できなかったと言います。
「そこで、オンラインショップとは別に自分でできるビジネスはないかと調べる中で、M&Aのことを知ったんです。最初に興味を持ったのは、古本屋の実店舗のM&Aでした。オンラインで古本の販売をしていますし、身の回りの古本屋が閉店していくのを見ていたので、そういうお店の経営を引き継ぐことはできないのかなと興味を持ちました。」
M&Aについて調べる中で、バトンズのことを知った渡辺様は、早速買い手としてご登録。古本屋の案件を探しましたが、古本屋の店舗運営の案件は数が少なく、ようやく見つけても予算が合わなかったと言います。当初の予定通りにはならなかったものの、オンラインでの事業譲渡に可能性を感じた渡辺様は、他の案件も調べ始めます。
「M&Aはまったくの未経験でしたが、バトンズさんはいろいろな案件が揃っていたので調べるのが面白かったです。一から始めるとなるととてもハードルが高いですが、M&Aであれば引き継ぐ中でノウハウも教えてもらえますし、やってみたいという思いがあれば誰でも始めやすい仕組みなんじゃないかと思いました。」
引継ぎサポートもある、事業初心者にぴったりな案件を見つける
渡辺様が、案件を絞る上で基準にしていたのは、予算の範囲内であるかどうかと、自分の力でできる規模感と業務内容であるかどうかでした。渡辺様は、周りの知人に相談しつつ、案件を絞っていきました。
「キャリアコンサルタントの資格を取得していたので、人材派遣業の案件にも興味を持ちました。他にも、レンタルスペースを利用して何度かイベントを行なった経験もあるので、イベントスペースの事業もいいかなって。
でも、知人に相談してみたら『サービスを使ったことがあるのと実際に事業を経営するのでは話が違うから、自分が慣れている分野にした方がいいですよ』とアドバイスしてもらいまして。そこで、オンラインショップなら自分も販売経験がありますし、できるかもしれないなと。」
EC事業であれば、引継ぎに当たってノウハウも勉強できる上、すでに運用しているショップの事業拡大にも活かせるかもしれないと考えた渡辺様。そうして、EC事業の案件を検討する中で見つけたのが、今回譲り受けた案件でした。
「フリマアプリの運営経験はありましたが、Amazonでの販売は未経験で、ハードルが高いんじゃないかという印象がありました。ですが、少なからず自分でやっている事業と親和性がありましたから、交渉を始めてみました。」
売り手の山田様(匿名)は、新書・文庫・ムック本など書籍販売に特化したAmazonアカウントを13年間運営しており、アカウントの高評価数は1000件を超えていました。アカウント譲渡にあたり、仕入れマニュアル、三ヶ月の無料サポート期間、在庫商品の引継ぎも用意しており、オンラインショップの運営初心者である渡辺様にぴったりな案件でした。
「山田様が、長年安定して20万円ほどの収益をあげていたことも、安心できる要素でした。交渉には仲介の方に入っていただいたのですが、そちらの方の対応もきちんとしていたので、契約などの書類のやり取りもスムーズに進めることができました。」
売り手サポートのもと、アカウントを育てて収益拡大を目指す
譲渡実行後、現在は山田様のサポートを受けながらアカウント運営を始めているという渡辺様。もともと山田様は、高利益を狙える売れ筋商品をチェックした上で、ブックオフで仕入れを行い、販売をしていました。
渡辺様は引継ぎにあたり、アカウントの運用方法だけでなく、本の仕入れ方も教わっていると言います。今後、アカウント運用の仕組みに慣れたら仕入れと販売のサイクルを回していきたいと意気込みます。
「写真を撮ってアップするだけというフリマアプリの手軽さに比べると、Amazonはさらに入力が必要な箇所があり、手続きがとてもシステマチックです。そのため、今はシステムを理解するところからスタートしています。ただ、ちゃんとアカウントに手をかけていけば収益をあげられると感じているので、これから頑張りたいです。」
納得あるM&Aが実現し、山田様のサポートのもとこれから事業拡大を目指す渡辺様。最後に、これからM&Aによるビジネス展開を検討している方に向けたメッセージをいただきました。
「M&Aを活用すれば、一から1人で起業するより自分でビジネスを始めやすいんじゃないかと思います。私はまだまだ教えていただいたことを理解し、事業を回すことに慣れていく段階ですが、きちんと利益を上げている案件であれば、引継ぎ後も自分次第でさらに利益をあげていけるはずです。いいなと思う案件があれば、まずやってみるのがいいと思います。」
渡辺様の今後のますますのご発展を、バトンズ一同心より応援いたしております!
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