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創業40年以上、大阪の和菓子店を事業承継!サラリーマンがM&Aで脱サラ・起業

2023年08月28日

大阪の和菓子店「菓匠 石州」を譲り受けされたのは、医薬品卸の営業として長年勤務されていた中村様。会社員を退職され、初となるM&Aに取り組まれた中村様は、どのように老舗の和菓子店を買収されたのか。M&Aに至った背景や引き継ぎの経緯、今後のビジョンについてお話を伺いました。


 

譲渡側
事業名 菓匠 石州
業種 飲食業
拠点 大阪府
譲渡理由 後継者不在

 

 

譲受側
区分 個人
業種 卸売業
拠点 大阪府
譲受理由 起業

 


友人との会話がきっかけで、M&Aを検討し始める

医薬品卸の営業として長年勤務されていた中村様。会社勤めをいつまで続けるのかと考え始めていたころ、ご友人がM&Aによりホテルを買収されたことを聞き、M&Aによる起業を検討し始めました。

「これまで、医薬品の営業一本でやってきましたが、会社勤めを辞めて、自分で商売をしてみたいなと考え始めたんです。そんな中、友人がM&Aでホテルを買収して経営を始めたという話を聞きまして、自分も興味をもつようになりました。」

当初はゼロから事業を立ち上げることも考えていたという中村様ですが、ご友人にM&Aの話を聞いたり、ご自身でも調べを進めているうちに、M&Aに興味が傾いていったとのこと。既存の会社やお店を引き継ぐほうが、ゼロから新たに始めるより集客面やコスト面から考えてもプラスが大きいと考えたと言います。

「新しいジャンルにチャレンジしてみたかった」医薬品卸から和菓子屋への業界転換

M&Aについて調べるうちにバトンズへたどり着いた中村様は、買い手としてバトンズに登録。業種や職種は絞らず、幅広く案件をチェックしていました。

長い間医薬品の営業をしていたので、それ以外のことにチャレンジしてみたいという思いがありました。条件は、いきなり数千万円規模の大きい会社を買収するのは難しいですし、予算的にも現実的ではなかったので、個人営業でやられている事業や、従業員数が5人以下の規模に絞って探していました。バトンズさんは、個人事業主の方がやられている小規模案件がたくさん掲載されていたので、自分の条件とマッチしていてよかったですね。」

関西在住であった中村様は、予算や規模感とともに、関西に拠点がある事業を探していました。その中で、今回M&Aが成立した老舗の和菓子店「菓匠 石州」の案件を見つけます。

「和菓子屋さんは年々減ってきていますし、洋菓子と違って競合が乱立していないというところも、個人で始めるにはプラスかなと思いました。また、営業をしていた頃から、お客さんとお話をする機会も多くありましたので、自分が事業をやっていく上で、飲食業というのもイメージがつきやすかったかもしれません。」

「このお店をなんとか残していきたい」後継者がいない老舗の和菓子店への想い

バトンズにご登録いただいているユーザーは、売り手に比べて買い手の登録者数が圧倒的に多く、案件によっては『交渉依頼をしてもなかなか先に進めない』という声もあります。中村様は、オンラインでのM&A交渉は初めてでありながら、スムーズに交渉が進められたそうです。交渉にあたり何か気をつけていたことはあったのでしょうか。

「気になる会社を見つけて、連絡を取りたいなと思ったらすぐにアクションをかけました。もう一社、お気に入り登録をしていたヘアケアの美容系メーカーもありましたが、結局交渉に進んだのは今回成約した一社のみです。

交渉するにあたって、特にこれといって注意していたことはありませんが、長年営業マンとして勤務していたので、メールのやり取りだったり、対面のコミニケーションにも特段抵抗がなかったというのはあるかもしれません。」

店主の島津様と中村様は年齢が離れているため、交渉前は多少の不安もあったそうですが、売り手サポーターとして入っていたバトンズ営業担当のサポートもあり、直接の話し合いに移ってからも問題なく交渉は進んでいきました。

「和菓子作りというと職人さんというイメージだったので、気難しい方なのかなと勝手ながら思っていたのですが、実際に会ってみたらとても気さくな方で話しやすかったです。繊細な方だなと感じる部分はありましたが、話が通じないなんてことも全くなく、引き継ぐにあたる具体的な話ができました。」

成約前から現場に入り、お店の空気を肌で感じる

今回中村様が継承した「菓匠 石州」は、関西で40年以上に渡り和菓子の製造販売を行なっている老舗の和菓子店。店主の島津様ご夫妻がご高齢になり、体調不良や後継者不在といった問題から、大阪府事業承継・引き継ぎ支援センターからの紹介でバトンズに登録をされていました。

中村様は、M&A交渉中に何度かお店に足を運ぶうちに、「このお店をなんとか残していきたい」と感じるようになったと言います。

「甘いものは好きですが、和菓子を作った経験はもちろん、販売をした経験もありません。ただ、長年地元の人に愛されてきた歴史あるお店が、店主の引退と共になくなってしまうのは勿体無いと感じるようになりました。

自分で事業をしてみたいという想いで検討し始めたM&Aではありますが、『このお店をなんとか残していけたらな』と感じるようになったことは、決断できた大きな要因だったかもしれません。」

「菓匠 石州」は、店頭販売だけでなく、地域のお茶会やお祭り・催事などのイベントでもお菓子の販売を行っており、地域のお土産としても選定されています。また、店主の人柄が人気で、立ち話をしに地元の人がやってくるなど、店主共に地域に愛されたお店でした。中村様は交渉期間中、実際に自分がお店の現場に立ち、そのことを肌で感じていきます。

M&Aが正式に成約する前から、お店に通い、製造の現場に入らせてもらっていました。和菓子屋作りの修行ですね。引き継いですぐに人を雇うつもりもなかったので、まずは自分が製造をできるようにならないといけない。実際に製造の過程を経験した上で、本当に引き継ぐかどうかを考えさせてもらえたのはありがたかったです。」

和菓子は「お店の味」が決め手。成約前の1ヶ月間、時間をかけて引継ぎを行う

交渉開始から現場に入り、約1ヶ月の間、和菓子製造の現場を勉強した中村様。全くの異業種であったことから、ちゃんと引継ぎができるのかと不安を抱えながらも、しっかりと時間をかけて業務を引き継がれていきました。

「お菓子屋さんですから、屋号だけ引き継いでも、そのお店の味がちゃんと引き継がれていないとお客さんは離れていってしまいます。その点、横に立ってしっかり作り方をレクチャーしてもらえたのは助かりました。元店主の島津様は、交渉が成立して現場を引退した今も、お店にきて指導をしてくださっています。」

中村様が交渉を始めてから、成約までにかかった時間は約2〜3ヶ月間。案件によっては数年かかるM&A交渉において、スムーズに交渉・引継ぎは進んでいきました。

「1月に交渉を始めて、2月は10日間以上現場に入っていましたね。正式に交渉が決まる前から、やっていけるかなと考えながら仕事をよく見させてもらい、経験させてもらう中で引継ぎを決めました。

1ヶ月くらい現場に入った上で、『やっぱりやめときます』ということもできたと思います。会社の承継となると、そんなことはなかなかできないと思うので、個人同士で柔軟にやりとりが進められたのはとてもよかったです。」

まずは現場の仕事を覚えることから。事業が自分の手を離れるようになったら、またM&Aを検討したい

Photo by iStock-1309115995

中村様は、正式にお店を引き継いでからは毎日のように現場に立っています。初となるM&A交渉が成立し、会社勤めから個人事業主に転身した中村様に、今後の展望を伺いました。

お店の売り上げをこれからどんどん増やしていきたいですし、ゆくゆくは店舗を増やしていきたいと思っています。和菓子以外の製造販売もできたら面白いですし、まったく違う事業を始めても面白いかもしれません。

ですが、そのためには現場に立っていただく職人さんが必要です。事業を広げたり増やしたりする前に、まずは自分がしっかりと和菓子の作り方を覚えて、味を再現できるようになることからですね。

和菓子は季節のものが多いので、ひとつの和菓子を覚えたと思ったら、また次また次と覚えることややる事が沢山あるんですよ(笑)。」

現在は製造の現場に入り、日々和菓子作りに勤しむ中村様。一年を通して作り続けるお菓子もあれば、季節限定の商品もあるため、まずはじめの一年間は仕事を覚える期間として気合いを入れています。

「いずれ職人さんを別で雇ったり、お店を任せられる人を雇えるようになれば、僕もまた別のことに手をつけられるでしょうが、今は目の前の仕事やお客様に向き合っていきたいですね。まずは一年間しっかり事業を回して、そこから先は、その後またどうしていくか考えていけたらと思います。」

会社員から一転、M&Aを通じて自身で商売する道を歩み始めた中村様。まずは歴史ある和菓子の味を引き継ぐべく、中村様の挑戦は始まったばかりです。

菓匠 石州」と中村様のますますのご活躍とご発展を、バトンズ一同心より応援しております!

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