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自走力の源泉はスタッフ力!三重県のエステサロンを自動車販売会社がM&A

2023年06月28日

静岡県で車両販売・点検・修理業を営む「株式会社カーショップ・ユーライン」の代表取締役を務める鵜野将行様は、バトンズを通じて三重県のエステサロンを譲り受けされました。これまで既に三度のM&Aを成功させている鵜野様が、異業種となるエステサロンの買収に踏み切った理由は何だったのか。起業の経緯や今後の事業展望とともに、お話を伺いました。


 

譲渡企業
社名 個人事業主
業種 美容・理容
拠点 三重県
譲渡理由 後継者不在

 

 

譲受企業
社名 株式会社カーショップ・ユーライン
業種 車両販売・点検・修理業
拠点 静岡県
譲受理由 新規エリアへの進出

 


専門学校を卒業後に26歳で独立。わずか5年で2件の事業を承継

Photo by iStock-905713170

小学生の頃の夢は「社長になること」だったという鵜野様は、専門学校を卒業後に車両販売を生業とする一般企業へ就職。フェラーリやベンツなどの高級車に特化した販売店への転職を経て、26歳という若さで独立・起業を果たされました

もともと起業願望があった鵜野様ですが、そのきっかけは、前職の会社から下請けとして入ってもらえないかという誘いがあったことでした。

「その頃には、車に関する問い合わせを知人などから多く受けていたこともあり、個人事業主として生活が成り立つイメージができるようになっていました。また、幼い頃の夢を叶える良い機会だとも思い、独立に踏み切ったんです。」

そう笑いながら話す鵜野様が最初に開業した場所は、なんと実家の庭。コスト削減を目的に、はじめは実店舗を持たずに事業をスタートされ、2年ほど活動を続けました。順調に売上を伸ばし、実家の庭が手狭に感じ始めたころ、近所の車両販売会社が事業承継を検討しているという話を耳にします。

「これからどうしようかと悩んでいたところ、近所にある車両販売会社が後継者不在で譲り先を探している、という話を聞いたんです。当時、自分の事業では車両販売に力を入れておらず、修理や車検をメインに収益を立てていたため、この事業承継が叶えば事業を拡大できると思いました。

そこで、その会社に直接足を運び、社長を口説いて承諾をいただきまして。銀行の融資も問題なくおりて、トントン拍子に物事が進んでいったんです。」

こうして、人生初となるM&Aを実現された鵜野様。さらには、お客様として関わりのあった福祉系のNPO法人で理事長を務める方から「事業を立て直して欲しい」という依頼を受け、2022年4月に二度目となるM&Aを実現。現在はNPO法人の理事長という肩書きも持つ鵜野様のキャリアは、ご縁がご縁を呼ぶような形で現在の規模に広がっていったのでした。

「自分の色を出すのは、軌道にのってからでいい」M&Aを選ぶ一番の理由とは

Photo by iStock-832108910

26歳で起業されてから、わずか5年の間に経験されたM&Aは全部で3件。事業売却を1件、事業買収を2件経験されている鵜野様は、以下のようにM&Aの魅力を語ります。

「ゼロベースからの創業は、自分の色を強く出せるところが魅力だという方もいますが、事務所の設計や協会への加盟など、面倒なことが多いのも事実です。

その点、M&Aを活用すれば、基盤が整った状態から始動することができます。RPGのゲームに例えるなら、それなりの装備が整っていて、仲間もいる状態からゲームをスタートしているような感じです。

また、既に一定の基盤があると、新規で始めるよりも先の見通しが立ちやすいというのもM&Aの利点です。自分の色を出すのは、その見通しを形にした後でも良いのではないでしょうか。」

M&Aの魅力や利点を感じられている一方で、案件を選ぶ際に「引継ぎ後の成長ビジョンを描けるかどうか」に気を付けていることと話す鵜野様。とくに長年続いている事業を引き継ぐ場合、無駄な固定費が全くといってない場合があり、コストの見直しによる事業再生は難しいケースが多いと言います。

「これまで年齢を理由に2件引き継いだのですが、コスト削減による対応はやり尽くされた後という状態でして。売りに出されている企業は、そういった先も少なくないんじゃないでしょうか。

そうなると、ポイントとなるのは新規で事業を創って売上を伸ばすシナリオを描けるかどうかです。自分のストロングポイントが活かせるかどうか、既存事業との相性が良いかどうかが重要となりますが、これを考えるのがM&Aの面白いところですね。」

最後の決め手は、自走力の源泉だったスタッフの魅力

Photo by 26713708_s

そんな鵜野様がこの度事業承継を決めたのは、三重県にある痩身・リラクゼーション系のサービスを提供しているエステサロン。

代表オーナー様が高齢による体調不良で譲渡を検討されていた折、次のM&A先を探していた鵜野様とのマッチングが実現したそうです。

「絞り込みの段階で業種にこだわりはありませんでしたが、事業所の所在エリアは気にしていました。まずは、東海エリアであること。そして、可能であれば他エリアへの進出を考えていたので、静岡県以外の案件を重点的に探していました

また、あくまで本業は車両販売なので、その事業が自走しているかどうか、自分の関与度が低くても回っていくかどうかを重視していました。」

本案件の交渉にあたり、売り手様のM&Aアドバイザーとして仲介されていたのが、株式会社ヒルストンの代表である石坂裕様と担当者の原田様。異業種への挑戦となる鵜野様にとって、アドバイザーの親身なアドバイスは大きな助けとなったそうです。

「お二人がいなかったら、この案件は成約できていなかったと思います。私にとっては馴染みのない、エステ業界というビジネスモデルやシーズナリティはもちろん、スタッフの稼働状況やメニューの提供有無などを詳細に報告してくださいまして。当時の私では考えが及ばないような観点で情報を収集してもらえたことで、今後のアップセルのイメージが沸きました。」

初回訪問日には、身だしなみに気を配って心地よい緊張感を持って訪れたという鵜野様。事前の調査結果をもとに描いた成長シナリオのリアリティを確認することができ、そのまま“即決”へと交渉を進めます。

「運営基盤は非常に盤石で、直近で業績が厳しかったのはコロナ影響によるものであることは明確でした。よって、これからコロナ不況が回復すれば、自ずと業績も改善されていく道筋は見えていました。

実際に、スタッフに会いにいったら彼女たちの対応も非常に素晴らしくて。気持ちの良い接客だったので、某検索サイトで口コミ件数が500件超え、評点が4.0以上であることにも頷けました。

絞り込みの際に重視していたのは自走力でしたが、その自走力の源泉となっているスタッフたちの魅力が、最後の決め手になりました。」

今後は、従業員向けの福利厚生を充実させるための施策としても、エステ事業の拡大を検討しているという鵜野様。常に謙虚な姿勢でインタビューにお答えくださった鵜野様は、従業員への配慮も行いつつ、戦略的に事業を成功へと導く冷静な思考も持ち合わせる若き経営者でいらっしゃいました。

鵜野様と株式会社カーショップ・ユーラインの今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

 

【担当アドバイザー:株式会社ヒルストン 様からのコメント】

本件については美容業界ということもあり、施術されるスタッフの方々がサロンの価値といっても過言ではなく、技術・コミュニケーション力、売上に対する意識も高い優秀なスタッフ様が在籍しておりました。

バトンズに掲載してから約1か月ほどでの成約となりましたが、更なる店舗の売上拡大と、長らく愛される店舗へという想いを当事者全員の共通認識としてお話を進めることができたことが、スピード成約の要因だと思います。

成約後、私も含め当事者での会食の機会がありました。会食を終え、お店を出てから、和気あいあいと談笑されながら歩いていく売り手様と買い手様の後ろ姿を、良いご縁を繋ぐごとができたと感無量の思いで見つめていました。更なる発展を心よりお祈り申し上げます。

この案件を担当した「株式会社ヒルストン」の紹介ページ

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