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元海上自衛官が運命に導かれて出会った四谷の隠れ家レストラン。ご縁をつなぎ、リニューアルオープン

2023年03月27日

長年勤めた海上自衛官を退職し、叶えたい夢であった飲食店経営を志した西澤真帆様。バトンズを通じて、お住まいである神奈川県藤沢市から離れた都内のレストランバー「Orso Verde」を引継ぎされました。周りから反対意見もあった中で、なぜお住まいから遠く離れた本店舗を引き継がれたのか。3月21日に「Dinig Bar Marcus」としてリニューアルオープンされた西澤様に、初めてのM&Aの体験についてお話を伺いました。

 


 

譲渡事業
店名 Orso Verde(オルソ・ヴェルデ)
業種 イタリアン・ワインバー
拠点 東京都
譲渡理由 選択と集中

 

 

譲受側
区分 個人
業種 飲食業
拠点 神奈川県
譲受理由 起業・副業

 


長年の夢だった飲食店経営。「ご縁」を強く感じるお店との運命的な出会い

お子様の独立、また体調面をきっかけに、約30年間務めた海上自衛官をご退職された西澤様。そこから「一度しかない人生、自分のやりたかったことをやろう」という思いを抱くようになり、もともとの夢だった「飲食店経営」の実現に向けて検討し始めます。

そんな最中、たまたま立ち寄った近所の居酒屋さんで「この辺でお店をやりたいと思っているんです」という話をしていると、「ウチ、お昼の時間が空いてるから、よかったらランチやってもいいですよ」という願ってもいないオファーをいただいた西澤様は、3ヶ月限定で、間借りで「海上自衛隊カレー」のランチ提供をスタートしました。

何度も足を運んでいただける常連客がつくなど、順調に評判を得ていったある日。バトンズのテレビCMを見たことをきっかけに、M&Aプラットフォームの存在を知った西澤様は「上質な雰囲気の中で、静かにゆっくりとお酒を飲めるお店をつくりたい」という想いのもと、バトンズに登録をして飲食店案件を探し始めました

その中で、とあるワインバーの案件に惹かれた西澤様。お店についての掲載内容から、探していた条件にぴったりな、上質で落ち着いた雰囲気のお店を実現できそうなお店だと感じ、人生初となるM&Aの交渉に進むことを決意されます。それが、今回引き継いだ「Orso Verde(オルソ・ヴェルデ)」でした。

とはいえ、掲載されている立地情報は「都内中心地」の記載のみ。仲介がついているため仲介手数料が別途発生するなど、さまざまな側面で不安もあったそうなのですが、いざ交渉を開始すると、西澤様とOrso Verdeの間に様々な「ご縁」があったことが分かってきました。

まずは、西澤様が長年勤めていた防衛省の近くにお店があったこと。加えて、海上自衛官時代に西澤様と親交のあった方が、お店の常連客であったこと。そのほかにも、経営に関わる大きな部分から些細なことまで、西澤様の過去のキャリアとリンクするようなポイントがいくつもありました。

「これが、もし縁もゆかりもない場所だったら、決断に至らなかったと思います。本当に、ご縁がどんどん繋がっているという感じがしました。」

Orso Verdeのオーナーである大熊様の希望譲渡日は、カレー屋さんの閉店作業などを考えるとかなり厳しい日程だったものの、思い切って決断をしたという西澤様。2月1日に引継ぎ完了、2月11日にプレオープンというタイトスケジュールで進めていきました。

M&Aのメリットは「事業の準備が整っていること」

飲食店経営を始める手段として、「M&Aは自分にすごく向いていた」と話される西澤様。今回初めて経験されたM&Aを活用しての開業には、どのようなメリットがあったのでしょうか。

「まず、お店の状態がほとんど整っているので、オープンまでの準備時間もかからず、加えて手間がかからないということはメリットでした。あと、お客様の引継ぎも可能なので、初期の集客コストをかけなくても良い点はM&Aの魅力だと感じました。」

2月1日から10日までの10日間は最も忙しく大変だったものの、お店の経営に必要なものすべてを引き継いだため、予定通りの日程でオープンを実現できたのだそう。

また、西澤様は調理師の資格をお持ちではあったものの、お客様に料理をお出しする経験は少なく、仕入れルートなどもお持ちではありませんでした。一方で、大熊様が次の事業として「BtoB向けに冷凍食品の卸売業」を始めるとのことで、業務提携を行うことで一部食品のルートを確保できたことは、大変安心感があったそうです。加えて、大熊様からのフォロー体制が整っていることも、安心して事業を開始することができた要因だったとのこと。

「実際はすごく迷いました。結構大きな金額が動きますし、初めてのことですし…。でも、前オーナーの大熊様、アドバイザーである合同会社アジュール総合研究所の伊藤様の応援や提案をいただいて。大熊様が、コンサルという形で半年ほどはフォローして下さるという形で、引き継ぐことを決めました。今のお店の様子も定期的に大熊様にお伝えしています。

困ったことは先代の経営者が相談に乗ってくださるような、そういったフォロー体制があることもM&Aのメリットのひとつで、私にとって『M&Aは向いていたな』と思える点でした。」

売り手様からのフォローもあり、開業と運営に関する不安を軽減した上で事業を開始することができた西澤様。大熊様も、西澤様が買い手として的確だと思ったようで「彼女なら、たとえ自分がオーナーとしてレストランに残るとしても、相棒として一緒に仕事をしたいと思えるような方でした。(インタビュー記事参照:https://batonz.jp/learn/11270/と話されており、お互いに満足感のあるM&Aを実現されたことが伺えます。

周囲の反対を押し切ってでも進めたい、M&Aへの想い

西澤様にとって、様々なご縁を感じ、安心感も満足感も得ることができた今回のM&A。しかしながら周囲からの反応は思わしくなく、反対意見も多かったのだとか。周囲からの意見がある中でも、M&Aを実行しようと思った理由は何だったのでしょうか。

「周りにも反対されましたし、色んな不安を上げればキリはなくありません。でも、最終的に残ったのは『やりたい、やってみたい!』という気持ちですかね。それが一番大事なことで、その気持ちが根幹にないと前には進めないのかなと。」

反対意見の中には、引継ぎ先のお店が西澤様のご自宅から遠く、通いながらの事業運営は難しいのではというお声もあったそうです。しかしながら西澤様の中では「デメリットは、どんどん自分の中ではメリットに変わっていった」とのこと。

例えば、通勤に関するところも、お住まいの神奈川県藤沢市から都内のお店への通勤は大変ではあるものの、藤沢市に住んでいるからこそ新鮮な鎌倉野菜をそのまま入荷することができる、とポジティブに考えていらっしゃいます。

M&Aを検討し始めたきっかけでもある「自分のお店を持ちたい、やってみたい」という気持ちを一番大切にすること。そして周囲からの反対意見に負けず、むしろ利点となるような視点からも考えること。費用の工面だけでなく、思いを貫く姿勢も、スピード感のあるM&Aの実現に繋がっています。

「Dinig Bar Marcus」としてリニューアルオープン。店名の由来は‥

2023年3月21日、「Orso Verde(オルソ・ヴェルデ)」は「Dinig Bar Marcus」へと店名を変え、リニューアルオープンします。お店の名前は、海上自衛隊を代表するサッカーチームである「海上自衛隊厚木基地マーカス(以下、海自厚木マーカス)」から名付けたとのこと。

「海上自衛官時代に、海自厚木マーカスというサッカーチームの初代マネージャーを務めていました。この海自厚木マーカスは、全国自衛隊サッカー大会で何度も優勝経験がある強豪チームでして。私が以前、期間限定で開店したカレー屋さんも、このチームの縁起の良さにあやかって『Marcus』にしていました。」

マーカスは、日本最東端にある「南鳥島」の通称。三角形の形が特徴的な島なので、カレー屋「Marcus」のロゴマークは、お皿に乗った三角形のカレーにしていたそうです。

実は、Orso Verdeから引き継いだ内装の中には、まるで「南鳥島(マーカス島)の三角形」を模したような大きな三角形のテーブルがあったそうで、ここにも西澤様はご縁を強く感じ、店名も変更することにしたのだと言います。

「『マーカス島の三角』と『お店にある三角のテーブル』をリンクさせて、お店のロゴも三角をモチーフにして新しく作っています。このお店は歩いて行ける距離に防衛省もあって、勤務している知り合いもお客様としてお店に来てくれていて、いま、色々なご縁がご縁をつないでくれている感じがしています。」

さまざまなご縁の繋がりに、驚きとともに笑顔でお話しくださった西澤様に、今後の事業展望についてもお伺いすると、地の利を活かした、具体的なイメージについてお話ししてくださいました。

「江ノ島の近くに住んでいるメリットを最大限に活かして、東京ではめったに食べられない鎌倉野菜、湘南野菜、朝に獲れた生しらす、お魚などを都内で提供していきます。そのため、内装も湘南、鎌倉の良さが伝わるものにしていきたいと考えています。

また、お店に来てくださるお客様のイメージは女性、特にシングルの女性を想定しています。お一人でも過ごしやすく、またデートで男性と質のいいお酒を楽しめるようなお店にしていきたいと思っています。

お店をご利用いただける方が、いつもよりもいい自分を見せられるように、良いお酒や、高価ですが貴重な生シラスをふるまえるような、そんなお店にしたいです。お野菜一つ一つに個性があるので是非食べてほしいですし、フルーツをたくさん使った罪悪感の少ないデザートも提供する予定です。」

M&Aは、起業と同等の値段で「時間を買う」メリットがある

M&Aによって、長年の夢に向かってスタートを切った西澤様。最後に、これからお店や事業を引き継ぎたいと考えている方に向けてメッセージをいただきました。

「『買収』という響きであまり良くないイメージを持っている人が今でもまだまだいるみたいですが、M&Aはお互いにwin-winになるようなシステムになっていると思うので、ぜひ挑戦してもらいたいです。

兎にも角にも、今回のM&Aは私には合っていたと思います。スタートする年齢とか環境とか、あとはOrso Verdeさんの事業形態が自分に合っていたので、安心感がありました。ゼロから開業という形で準備をしていたら、今頃はまだお店を開けられていないでしょうし。

バトンズは、本当に多くの案件数があって、自分の納得できるような案件を見つけられる選択肢があります。私としては、バトンズはとても良いパートナーだったなと思います。」

オープンにあたりタイトスケジュールだったということもあってか、今回リフォーム等もとくに行わなかったという西澤様。M&Aは買収資金がかかるものの、時間を買うということがメリットにあると話します。

「M&Aでも初期にかかる費用は確かにありますが、私はリフォームとかもとくにしなかったので、そこまでかかっていない方だと思います。本当にゼロスタートで色々なものを買い揃えるとなると、買収金額と同額程度か、それ以上は結局掛かってしまうはずなので、そう考えると『時間を買ったんだな』と思います。

M&Aでなければ、備品等を買いそろえるところや、物件を探して比較検討するところから始めなくてはいけません。自分の希望と譲渡条件がマッチングしていれば、M&Aは本当におすすめです。

私は今回飲食店を引き継ぎましたが、長期的には飲食業以外の事業展開も考えているので、そのときはまたバトンズさんにお世話になると思います。」

バトンズに買い手として登録されているユーザーの、およそ8割はM&A未経験の方。西澤様も、ついこの前まではそのうちの一人でした。しかし、今回「自分のお店を持つこと」を実現するために、意を決してM&Aを選択された結果、様々なご縁を感じられるお店に出会い、導かれるように夢を実現されました。

今回のご経験を経て、M&Aの可能性を感じたという西澤様は、今後の事業拡大も視野に入れながら、次なる一歩へと踏み出されています。

 

西澤様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

 

【担当アドバイザー:「合同会社アジュール総合研究所」伊藤圭一様からのコメント】

西澤様、大熊様のご協力のおかげで、トップ面談から成約までスムーズに進行する事ができました。お二人のご尽力に、心より感謝申し上げます。

西澤様は初めての起業であり、もちろんM&A未経験という事で、開業にあたり、かなりの心配事や不安も抱えていらっしゃいましたが、最終的には本件承継を決心され、大熊様より事業を引き継がれました。個人の方がM&Aにより事業を引き継ぐという事は、相当な覚悟が必要であり、なかなかできるものではありません。

西澤様におかれましては、ご自身の迷いや周りからの反対もある中、事業承継へ確固たる熱意や志を持ち、最後まで本気で向き合って下さいました。西澤様の決意は素晴らしいものがあり、本件承継後も事業の成功を心から応援したいと思える方でした。

M&Aアドバイザーである私としても、西澤様が熱心にM&Aに取り組む姿に心を打たれた部分もあり、なんとしても大熊様の事業が引き継げるよう尽力させて頂きたいと思い、M&A成約サポートをさせて頂いた次第です。

個人の方がM&Aで独立するケースは近年多く見られますが、個人M&A成約の根本となる部分は「本人の覚悟」です。これがないと、売り手に対して熱意や本気度は伝わらず、他の買い手候補に買収希望の案件が奪われてしまいます。

私も自身もM&Aアドバイザーとして、なかなか覚悟が出来ず成約まで至らない個人の方を何人も見て来ています。個人M&Aをご検討されている方は、まずは「経営者となり、売り手様の大切な事業を引き継ぐ覚悟をする」というマインドセットを持つところから始めてみて下さい。その覚悟は、熱意や決意として売り手(またはM&Aアドバイザー)にも伝わり、交渉から成約までスムーズに進行させる事が可能となるはずです。

個人M&Aの一番の近道は、「覚悟を売り手に示すこと」なのです。このマインドを大切にして下さい。そして、個人M&Aを希望されている方は、一度、西澤様のお店にも足を運んでお食事してみて下さい。成功されている方の姿を見る事が、将来あなたが成功している姿をイメージできる一つの方法にもなりますから。

西澤様、大熊様の今後のビジネスのご発展と、個人M&Aを希望されている方のM&Aの成功を心よりお祈り申し上げます。

この案件を担当した「合同会社アジュール総合研究所」の紹介ページ

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