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創業明治8年の老舗企業が惚れたのは、海産加工事業の「頑固さ」だった

2022年11月24日

大阪府で代々続く老舗の海産物加工卸販売企業として、明治8年より経営を続けている中嶋食品工業株式会社。その7代目として代表取締役社長を務めるのが、本日お話をお伺いした前野将基様でいらっしゃいます。若くして代表を務め、快活な雰囲気の溢れる前野様が、実質的には初めてとなるM&Aにどのような経緯で決断をし、ご成約まで至ったのか。その背景を詳しくお話しいただきました。

 


 

譲渡企業
スキーム 事業譲渡
業種 食品加工
拠点 滋賀県
譲渡理由 イグジット

 

 

譲受企業
社名 中嶋食品工業株式会社
業種 食品加工
拠点 大阪府
譲受理由 既存商品・サービスの強化など

 


「まさか成約するなんて。」きっかけは、試しに登録したM&Aプラットフォーム

前野様が中嶋食品工業の代表に就任されたのは、今から2年ほど前のこと。大学在学中にお義父様がご逝去されたことから、卒業後はそのまま家業にご就職。現場で経験を積まれたのちの、満を持してのご就任でした。

実に150年近くも続く経営の中では、廃業や民事再生などを理由に他の企業から経営を託されることはあったものの、自発的に企業買収を手掛けるのは今回が初めてだったとのこと。複数のM&Aプラットフォームに登録する中で、とんとん拍子に話が進んでいったのだそうです。

「今では何でもネットで探せるようになり、結婚相手でさえもオンラインで見つけられる時代です。だからこそ、事業買収の案件もネットで探せるようになっているだろうと思い調べてみたところ、バトンズに辿り着きました。想定して見つけたサイトではありましたが、掲載されている案件数が想像以上に多くて、M&A業界は活性化しているんだと改めて感じました。

そして、担当の方にできるだけ多くの案件に声をかけた方がいいというアドバイスをいただきそれを実行したところ、好感触の反応が返ってきまして。 “何か良い案件があったら”くらいに考えていたので、まさかこんなに早く成約するとは思っておらず、正直驚きました」と笑顔で話す前野様。

また、なぜバトンズを選んだのかを重ねてお伺いすると
「初めてのM&Aということもあって、まずは小さい規模で経験を積みたいというのがありました。M&Aの仲介会社は手数料が1,000万スタートとかが当たり前で、規模も価格も非常に大きいですから。

その点、バトンズは手数料も抑えられるのと、小規模の案件が集まっているイメージがあったので、自分に向いていると思ったんです。また、自分から候補先を選別できるのも、翻って効率的だと思いました。

というのも、過去に銀行からM&A案件を紹介されたことがあったのですが、どれもアンマッチなものばかりで。例えば、以前に提案されたのは酒造企業だったんですが、お酒を扱うとなると新たに免許を取得する必要がありますし、私たちの事業との間にどんなシナジーが生まれるのかもイメージがつきませんでした。

彼らからすると、私たちのことを考えて案件を紹介するというより、彼らが抱える案件をどうにかしたいので紹介しているだけなんじゃないかと感じました」とのこと。

こうして、ご自身の目で見て探すことに重きを置いた、前野様の案件探したスタートしたのでした。

創業以来、食品一筋・値下げなし!高付加価値商品にこだわる売主への強い共感

そんな前野様が、今回の案件探しに於いて選定基準とされたのは、「自社の事業や状態に似ている、もしくは延長線上にあるかどうか」ということと、「事業として継続的な成長が見込めるかどうか」、そして「近畿エリアにあるか」という3点だったそうです。

「既に赤字の状態であるとか、試しに起業してみたけど成果が出なかったので売却したい、というような案件には触らないと決めていました。盤石な事業基盤を持ちながらも、止むを得ない理由から継続しない、できないという案件を探していました」と語る前野様が最終的にご成約されたのは、滋賀県にある海産加工品会社でした。

そこで、多くの可能性の中から本企業に決めた理由をお伺いすると
一番の決め手になったのは、彼らが高付加価値の商品を作っていたということです。食品というのは生きるために必要なので、安くすれば誰かが買ってくれるものです。にもかかわらず、何十年も食品一筋でありながら、価格を下げずにこだわりの品々を作り続けてきた創業社長さんの姿勢に共感したんです。会社の規模自体は大きくないものの、堅調に安定した実績を残しているところも素晴らしいとも思いました」とのこと。

「また、売主さんが中嶋食品工業のことを知っていらしたのも大きかったです。都度の対応も気持ちがよくて、良い意味で頑固な職人さんという感じで、元は大企業に勤められていたというのが意外なくらいでした。本当に、屋号がぴったりの会社だなと」とも。

今回の案件は、売主側のアドバイザーとして一般社団法人日本スモールM&A協会の染川様がサポートされていました。染川様は、問題になりそうな齟齬が生まれた際には、すぐにお二人の間に入ってくださり、非常にフラットなスタンスで前に進めてくださったそうで、「やっぱり第三者が取り持ってくれると、いろんなことがスムーズになる」と、当時のことを思い出されていらっしゃいました。

自分のため・社会のために、「日本の資産」を残す手段のひとつが小規模M&A

歴史ある老舗企業の若手社長としてご活躍され、スモールM&Aという手法を持って事業拡大を企図する前野様。そんな前野様に、今後の展望をお伺いすると
「引き続きM&Aには前向きです。日本は高度経済成長期から今までの間に、会社が増えすぎてしまったんだと思っています。日本企業の社長の平均年齢が60歳ということから、ある一定数は淘汰されていくことが予想される中、残したい、残した方がいい会社というのがあるのも事実です。

そんな会社は日本の資産であり、消えていくのはもったいないと感じているので、そのために自分が役に立てるのなら、その事業を継承したいと考えています。同時に、個々の企業が10数年かけて築き上げてきたものを、数ヶ月の交渉と引き換えに取得できるのはすごいことだとも思っています。つまり、私にとってM&Aに取り組むということは、社会のためでもあり、自分もためでもあるんです」とのこと。

そう言って微笑む前野様に、最後に企業買収を検討している方々へのアドバイスをお願いすると
「敢えて言うのであれば、できるだけたくさんの企業に会ってみることだと思います。自分は立場上、いろんな会合に出席することが多いのですが、やっぱり実際に会ってみると、その会社が活気付いているのかどうかが伝わってくるものなんです。

だから、興味を持った会社があれば積極的にアプローチをして、売り手の方々との接点を増やしていくことが、自分に合った案件と出会うための秘訣なんだと思います。すごくシンプルで当たり前のことかもしれないのですが、これが一番大切なんだと考えています」と語る前野様は、日本の古き良きものを理解するコンサバティブな側面を持ちながらも、それに新しい息吹を吹き込む強さと聡明さを同時に携える素晴らしい経営者でいらっしゃいました。

前野様と中嶋食品工業株式会社の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

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