資金調達
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2023/05/15

経営者保証不要の創業者向け新保証制度が開始!

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時代の流れは、経営者保証を取らない方向へ
昨年のことになりますが、2022年6月7日に「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が閣議決定され、経営者の個人保証が起業・創業の阻害要因とならないように、経営者保証を不要とする創業時の新しい信用保証制度が創設されました。 それが、「スタートアップ創出促進保証制度」です。 既に、2023年3月15日から受付が開始されています。 対象者は、以下の通りです。 ・創業予定者(これから法人を設立し、事業を開始する具体的な計画がある者) ・分社化予定者(中小企業にあたる会社で事業を継続しつつ、新たに会社を設立する具体的な計画がある者) ・創業後5年未満の法人 ・分社化後5年未満の法人 ・創業後5年未満の法人成り企業 該当すれば、担保も経営者保証も不要となる、保証協会100%保証の制度ですが、保証料率が0.2%上乗せとなります。 融資条件などをまとめると、以下となります。 ・保証限度額 3,500万円 ・責任共有制度 対象外(100%保証) ・保証期間 10年以内 ・据置期間 1年以内 (本保証付借入と原則同時に、申込金融機関からプロパー借入をするか、保証申込時にプロパー借入の残高がある場合には3年以内) ・金利 金融機関所定 ・保証料率 各信用保証協会所定の創業関連保証の保証料率に0.2%上乗せした保証料率 ・担保・保証人 不要 融資申し込み時には、スタートアップ創出促進保証制度用の創業計画書の提出が必要となります。 また、保証申込受付時点において、税務申告1期未終了の創業者にあっては、創業資金総額の1/10以上の自己資金を有している必要があります。
3年目、5年目にガバナンスチェックあり
ただし、この保証制度は、融資を受けた後、会社を設立して3年目及び5年目のタイミングで、中小企業活性化協議会による「ガバナンス体制の整備に関するチェックシート」に基づく確認および助言を受ける必要があります。 そのため、本制度により融資を受けた方は、会社を設立して3年目及び5年目中に中小企業活性化協議会に連絡し、窓口相談(収益力改善への取組みの必要性確認およびガバナンスチェック)を行い、そのチェック結果の写しを金融機関に提出する、という手続きが必要です。 最近、こういう事後チェック型の保証制度が出てきています。 去年の4月からは、新型コロナ融資として、伴走支援型特別保証制度が始まっており、こちらは、金融機関が継続的に伴走支援することが前提となっています。 今後は、こういった保証融資が増えていくのかもしれません。 この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
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