公開日 | 2023/09/03 |
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記載者 | 株式会社ステラコンサルテ... |
労務相談
人事評価制度を定める意味とは
人事評価制度を定める意味とは
国内企業においてはまだまだ年功序列の評価が根強く、従業員の能力や成果を正しく評価する人事評価制度が定まっていない中小企業は多いです。
従業員の視点から見ても、
自身が何をやったら評価されるのか、
給料を上げるためには何をすればいいのか、
という目標が定まっていないと、業務に対するモチベーションもなかなか向上しません。
厚生労働省には、中小企業の人材確保や生産性向上のために「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)」の制度があります。
これは、人事評価制度を定めて、賃金の2%増加など目標を達成した企業に助成金(令和3年度は80万円)を支給する、といった内容です。
人事評価制度を定めるメリットは、
・従業員のモチベーションが向上し、生産性の増加や離職率の低下が期待できる。
・評価基準を明確に定めることにより、公正で効率的な評価が行える。組織内のマネジメントができ、適正な給与、役職、人員配置が行える。
・目標設定とその達成度合いを適正に評価することで、従業員・管理職の人材育成を促すことができる。
といったことが挙げられます。
また、人事評価制度を定める際に注意する点は以下となります。
1.人事評価の基準・方法が明確であり、評価と賃金の関係性、賃金表が「労働者に対して開示されている」こと。
開示することで公平性や透明性が高まり、労働者の理解を得られます。
人事評価制度・賃金制度として、労働組合または労働者の過半数を代表するものと合意しているとなお良いでしょう。
2.「労働者個人の意思によって向上させることが可能」であること。
年齢や入社年数は本人の意思で変えることはできません。性別や子供の有無も同様です。
変えることができるのは、成果・業績以外にも資格取得や、過程の行動や姿勢といったものがあります。
行動や姿勢など定性的なものは曖昧になる恐れがあるので評価をする際は気を付けましょう。
3.「ルールが定まっている」こと
・評価の頻度が年一回なのか、半年に一回なのか
・人事評価シートの作成
・賃金表(給与テーブル)の作成
・評価者が誰なのか(社長、人事部、直属の上司等)
人事評価シートや賃金表が無い場合は、一から作成すると大変なので、同業者や専門家が公開しているテンプレートを活用するといいでしょう。
使いながら年々カスタマイズすることで、自社の実情に合ったものが出来ていきます。
4.労働者にフィードバックがあること
給与アップや資格手当、昇格・昇進といったものも重要ですが、
根拠を持って褒めることや次の課題を示すことなど
今後の成長やモチベーションアップに繋がるコミュニケーションを取ることも忘れないようにしましょう。
反対に、評価が低かった従業員に対して、感情任せに叱責をしたり、やる気を削いでしまうような言葉をかけたりすることは避けましょう。
上記のようなことに気を付けて、さらに「毎月決まって支払われる賃金」の額が2%以上増加する見込みがある場合は、先ほどの助成金が受けられる可能性が高まります。
多くの書類が必要にはなりますが、活用することでさらに従業員に還元することも可能となります。
以上、参考になれば幸いです。
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