中小企業支援
891
2021/10/14

社長が知らない生命保険の落とし穴 ~その1~

記載者情報
「節税保険と言われていた商品の落とし穴」
 ご挨拶  中小企業助け隊は経営者のみなさまへ『知らないと損する保険の話』を不定期では御座いますが、 コラムと同時にYouTube動画にて情報発信させて頂きます。 ぜひ皆様のお役に立てますと幸いです。 引き続き、中小企業助け隊への応援をよろしくお願いします。 保険の専門家(助け隊理事)への質問を投げかけてみました。以下ご参照ください。 『2019年の法人税制改正前にご加入している生命保険が、  単なる節税のために加入したものである場合は早めに見直した方がよろしいかもしれません。』  ↓↓↓その理由を書かせて頂きます^^!  損をしない為にも・・・以下、少々お付き合いください。 多くの会社で、利益が出たときの節税対策として生命保険がたくさん使われています。 そのため、2019年に節税保険の販売が停止になったほどです。 今では、節税効果の高い保険はなくなったと言われていますが、それは違います。 なぜなら、なくなったのではなく、もともと、節税効果のある保険などないからです。 今回は、『中小企業の社長が気付いていない保険の秘密』について解説したいと思います。 1.~節税保険はそもそも存在しない~ 「いやいや、うちは全損の保険に入ったから、前期は法人税が減ったよ」という反論が早速ありそうですが、 まずはここから説明したいと思います。 以下、説明を簡単にするため、 節税保険として人気のあった全損保険(単純解約返戻率85%)で考えてみます。 いきなり結論を述べますが、『上記の反論はあっていますが、これこそが落とし穴』なのです。 全損保険の減税効果・・・わかりやすく法人税率を30%とすると 加入前の利益が1,000万円として全損保険に加入し、保険料を1,000万円支払ったとします。 そうすると法人税等は、保険に加入する前は300万円、加入すると0円なので、300万円税金が減ります。 ここだけ見ると法人税が減っているので、社長としては儲かったつもりになるのです。 しかし、この保険はこれで終わりではないです。どこかのタイミングで解約して返戻金を受取ります。 翌年に解約したとすると、解約返戻率が85%なので、850万円の解約益となります。そうすると、法人税が255万円かかります つまり、加入した時に税金が減った分は解約時に払うことになるのです。 それでも、減った税金は300万円で解約の時に払う税金は255万円だから、差し引き45万円は税金が減っているじゃないか!節税効果があるじゃないか!と思わるのではないでしょうか? ~全損保険で税金が減るのは保険会社に手数料を払ったから~ 税金が減ったのは保険のおかげではありません。 解約返戻率が85%ということは、15%分は保険会社に手数料(保障費用)として払ったということです。 1,000万円の保険料なら15%は150万円です。150万円の手数料を払うとその30%、税金は45万円減るので結局この分の税金が当然に減っただけなのです。 手数料を払った分だけ何かサービスを受けていれば良いのですが、保険に関してはそのようなサービスはほとんどありません。 そうすると、保障が必要ないなら必要のないものに経費を支払って税金がその分減っただけということです。 ~赤字の期に解約すると課税はされない?~ 「でも赤字の期に解約すれば税金は取られないから仮に解約する期がー850万だとするとその期の税金が0になるので節税になったじゃないか」とおっしゃる社長様もいらっしゃいます。その期で見るとその通りです。 そうなると保険で返ってくるお金が850万で―150万でも300万の節税になったので150万得したように思えますが違います。 なぜなら赤字(繰越欠損金)は10年繰越できるからです。 この期が税金0円だったとしても仮に翌期850万の利益が出た場合は255万の税金となります。 保険解約をしていない場合はー850万を繰り越しているので翌年850万の利益が出たとしても税金0円ですが保険解約で前期に赤字(繰越欠損金)をなくしていた場合、結局255万課税されます。 1,000万の利益だと300万、850万だと255万 法人税の支払い45万は得していますが、会社に戻ってくるお金(利益)が1,000万から850万に減っているので当たり前です。 このような例の場合、保険加入していなかったら会社には税金引かれても1,000万-300万=700万残っているところ保険に加入していた場合、解約した翌期後には850万-255万=595万しか残せません。 保険会社に150万差し引かれて、税金45万節税になるだけですから会社としては結局105万のマイナスとなります。 ~全損保険以外も節税にはならない~ 全損保険以外では、長期定期保険や逓増定期保険が節税効果のある保険としてよく使われていました。 これらの保険の場合には、保険料の一部を資産計上するものの、節税効果がないことは全損保険と同じです。 解約返戻率が100%を超えていないのであれば、保険会社に手数料を払った分の税金は減ります。 保障が必要ないなら必要のない経費を支出しただけなのです。 話しは変わりますが、 相続対策は短くても10年以上前から対策を講じないと大きな損をしてしまいます。 もし経営者様が40歳を過ぎていたならば、急な死亡や相続に対する保険活用へと活きた保険活用をご検討されることをお勧めいたします。 会社の現状に合わせ、何にどんな保険が適切なのかは、やはり専門家に相談した方がよいでしょう。 私は保険のプロではありますが、 『経営者が心から喜べる提案』こそが大切なことであり、保険を売ることが目的になっては本末転倒だと感じております。 銀行含め、営業ノルマ達成のために頑張る営業マンがたくさんおられますが、 状況によっては信託の活用を勧めたり、心から喜んでいただける保険提案やアドバイスが経営者へ届くことを願っております。 長くなってしまいましたが、冒頭でもご提案させて頂いた通り・・・ 2019年の法人税制改正前にご加入している生命保険が単なる節税のために加入したものである場合は、 早めに御社に合った保険へと見直しをされた方が良いと思いますので、ぜひ中小企業助け隊に、無料相談を申込みください。 今後も『経営者が得する保険活用』についての情報をお届けしますので、ぜひご活用いただけましたら幸いです。。
関連コラム