M&A
70
2021/07/05

M&A初心者の補佐スタッフ長野の日記〜トリアージとベイマックス〜

記載者情報
ドラマでトリアージの場面を見て考えたこと
黒、赤、黄色、緑。災害時などに、患者の重症度にもとづいて医療・治療の優先度を決定して選別を行うことを「トリアージ」と言います。長期にわたる自粛要請、営業規制で一番影響を受けていて、今最も「治療」優先度の高い業界の一つ「トリアージ赤」は「飲食店業」ではないでしょうか。久々に街を歩くと、「いつの間にか」飲食店が閉店していることが第3波あたりから明らかに増えてきました。 多くは、負債を抱えて「廃業」するのだと思いますが、原状回復費用や厨房機器、備品の売却を考えるとそれも悩ましく、いわゆる居抜きでの事業譲渡が可能であれば、その方が手残りが多いともいえると思います。 弊社でも、系列をお持ちの飲食店様より依頼を受け、売り案件としてバトンズで出させて頂いている案件があるのですが、売却希望価格は現在での簿価残価額の55%OFFです。コロナの時勢を考えての価格設定ではあるのですが、早く良い引き継ぎ相手が見つかるといいなと切に願っている今日この頃です。 コロナ禍で売り上げが劇的に減少していて、資金繰りが厳しくなっていることを「血が足りない」と表現をされている経営者様の言葉を聞いた事はありますが、いま必要なのは「輸血」ではなく、「止血」ではないかしらと、看護師の私としては単純に思いました。現実的には、コロナがなかなか収束しないので「止血」が必要だとしても今できる事は「圧迫止血」くらいしかないのですけれども・・・。 私はピンチの時に必ず思い出す言葉があります。「ベイマックス」という映画の中で出てきた、言葉なのですが。 お兄さんのタカシが、弟のヒロに言った言葉です。 「Look for a new angle(見方を変えてみるんだ)」 行き詰まった時には、違う視点でものを考えてみたら、新しいアイデアが浮かんできたりするものだというアドバイスです。 コロナでなければこの価格で売りに出る事はないだろうな、と思う飲食店の売り案件が他にもでていますが、例えば、飲食店の売り案件を、新規オープンを考えている飲食業の方だけを買い手として想定するのではなく、思ってもいなかった異業種の方が、思ってもいなかった使い方で買い手として手をあげてくださる、という可能性もあり、それも大いにアリなのではないかと。 買い手の皆様には、この立地、この設備で何ができるか、ぜひ「視点を変えて」考えてみていただきたいな、と思います。 飲食店は今でこそ打撃を受けていますが、生きている限り皆食事はするので、需要はあると思うのです。コロナ禍での飲食店の事業承継は売り手、買い手、社会ともに3方よしの事業モデルだと思います。 飲食店業界のトリアージは「赤」です。ぜひ、この状況を打開するような、シナジーを生み出せるアイデアをお持ちの買い手様にご縁がつながってくれたらなぁ・・・・と真に願います。 M&A初心者の補佐スタッフ長野の日記でした! 中村会計事務所 長野
関連コラム