公開日 | 2021/04/15 |
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記載者 | 株式会社レヴィング・パー... |
事業再生
【事業再生事例】車検整備・鈑金塗装業(ビジネスDD)
バトンズ認定アドバイザー
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【事業再生事例】車検整備・鈑金塗装業(ビジネスDD)
■事業概要
車検・整備・鈑金塗装事業を運営。
企業規模は、社員数は10名程度で、売上は数億円。
社長の急死により、急遽専業主婦で元社長の妻が新社長に就任した。しかし新社長は事業に精通しておらず、組織を統制できてず、前社長時代から業績は年々悪化するも、経営改善を指揮する力量も持ち合わせていない。
■財務状況
近年、業績は下降しており、売上高営業利益率は▲8%程度にまで悪化している。
業績悪化の原因は売上の減少であり、従来の固定費を賄えなくなっている。
そこで、外部支援により、徹底的に経費削減等の経営改善を行い、無駄を徹底的に排除した。
その結果、業績は大きく改善したが、試算表では依然として営業利益でマイナスである。
そのため、本業の抜本的な見直しが求められていた。
■問題点
ビジネスDDによって当社が行っている整備や鈑金、車検の案件別の収益管理の状況を確認すると、原価に材料費や外注費、経費は含まれているが、労務費が含まれていないことが判明した。
これは、案件別に正確な収益状況を把握できていないことを意味している。
また、見積算出方法においては、車検の場合、部品交換や塗装の工賃が不含で、さらに陸運局までの交通費等の流通コストも含まれていなかった。
その他、整備・鈑金の料金体系が固定化され、長年変更されていない。
特に鈑金は、顧客にから料金が見えにくく、企業側にとって料金のコントロールがしやすいにも関わらず、変更されていない状況であった。
■強み
当社は顧客管理システムを導入し、DMによる車検の定期集客を行っている。
そして車検で来店した顧客に社長が菓子類を振る舞い、会話を楽しむことで、既存顧客との関係性構築に励んでいる。
この、他人にすぐに打ち解け合う社長の人柄の良さは、当社のような一般消費者向けのビジネスでは強みの1つと言える。
具体的には、来店客をもてなし、顧客とコミュニケーションを取ることで顧客と仲良くなり、早期に顧客と良い関係を築くことで、顧客のリピート化を実現しているのである。
また、鈑金部門のスタッフは全員スキルが高く、短期間で高品質な作業が可能である。
■改善策
改善策は、まずは料金体系の見直しである。
具体的には、車検の部品交換時の工賃を追加、整備・鈑金の基本工賃を値上げし、鈑金修理価格も値上げすることである。
なお、車検については値上をせず、現状維持とすることが望ましい。理由は、顧客が車検の料金に対しては敏感であり、競合他社との価格競争も激しいため、値上げによる顧客流出の可能性が高くなるからである。
続いて原価計算を見直することである。
原価計算時に、材料費等に労務費を加えて算出して正確な原価を導き出し、早急に確実に利益を獲得できるしくみを構築する。
また、営業戦略を見直す必要もある。
現在訴求できているのは既存顧客の車検のみであるため、新たな顧客を獲得できていない。
そのため、オイル交換についてポスティングで新規顧客の集客を図る。
そして従来どおり、来店した顧客に対して社長が菓子類を振る舞って関係性を構築し、顧客情報を獲得してリピート化を図る。
これにより、新たな顧客を定期的に獲得してリピート化し、顧客を安定して増やすしくみを構築して、売上増加を図っていくのである。