中小企業支援
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2020/08/18

新規事業は、別会社で立ち上げるべきか?

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新規事業立ち上げのハードルは、大きく下がった
現在は、マクロ的に見ると明らかな「カネ余り」の状態ですので、一般的には資金調達しやすい状況にあります。 歴史的な低金利ですし、ものづくり補助金などの制度も広く行われるようになりました。やろうと思えば、クラウドファンディングなどの手法もあります。 (余談ですが、クラウドファンディングは、今やものづくり補助金の加点要素にもなっています。) 資金面に限っていうと、一昔前とは隔世の感があります。 経営者の高齢化で事業承継も急増し、その影響もあって中小企業でも徐々にM&Aが行われるようになってきています。 こういう流れの中で、新規事業も非常に立ち上げやすい状況になったと思います。
新規事業を「どこで」やるか?
実際に、新規事業を立ち上げるとなると、最初に迷うのが「どこでやるか」ということです。 自社ですべきか、新たに法人を設立して行うべきか。 最近は、税制面でもグループ法人税制や組織再編税制など、考慮すべき項目が増えてきたため、様々な角度から検証が必要になってきました。 個別要素が強いため、なかなか一口でお答えできないテーマではあるのですが、判断基準となる代表的項目をまとめてみます。 <新規事業を新会社で行うメリット> 【事業面】 ・既存取引先にバレない(本店所在地、代表者を変える) ・独立採算で運営できる ・子会社社長として、担当者に経験を積ませることができる ・新規事業の失敗が自社に影響を与えにくい 【会計面】 ・新規事業が赤字でも、自社の決算書に影響しない 【税務面】 ・消費税が免税になる場合あり(要件あり) ・1法人ごとに与えられる節税枠が増える (所得800万円以下の軽減税率、30万円以下少額資産の年間300万円枠など) ・100%子会社であれば、新規事業で発生した繰越欠損金を引き継げる可能性あり(要件あり) 【労務面】 ・既存事業と雇用条件を変えられる <新規事業を自社で行うメリット> 【事業面】 ・自社の知名度を活かせる ・自社とシナジー効果が得られる 【会計面】 ・部門別管理をすれば、自社で一括管理できる ・事務コストが少ない 【税務面】 ・新規事業で赤字が出れば、既存事業の黒字と相殺できる 【労務面】 ・新規事業も一律で同じ雇用体系となるため、人事異動がしやすい ・社会保険が自社で一元管理できる 上記はあくまで一例ですが、どちらも一長一短があることが大半ですので、何を優先させるかを考えて決めることになると思います。 弊社では、こういったご相談も得意としていますので、ぜひお気軽にご相談ください(初回面談無料)。 この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。 ※上記は執筆現在(2019.7.1)での情報です。
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