中小企業支援
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2020/08/18

固定資産税の軽減特例を受けるなら、[先端設備等導入計画]!

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固定資産税の特例措置
過去数回にわたってご紹介しました「経営力向上計画」における固定資産税の特例措置(3年間1/2の軽減)は、2019年3月31日をもって終了します。ただし、適用期限である2019年3月31日までに取得等をした設備は本特例措置の対象となります。 2019年4月1日以降の設備投資につき、固定資産税の軽減特例を受ける場合は、「先端設備等導入計画」に一本化されます。 そこで、改めてそれら2つの計画をご紹介いたします。
「先端設備等導入計画」のメリット
「先端設備等導入計画」は、中小企業が計算期間内で、労働生産性を年平均3%以上向上させるために先端設備等を導入する計画を策定し、所在する市区町村における「導入促進基本計画」等に合致する場合に認定を受けることができます。 「先端設備等導入計画」のメリットは、以下の3つです。 1.固定資産税が最大3年間ゼロ 2.計画に基づく事業に必要な資金繰りを支援(信用保証) 3.補助金における優先採択 (過去の例:H29年度ものづくり補助金などで加点対象) なお、「先端設備等導入計画」の対象設備とは、商品の生産もしくは販売又は役務の提供の用に供する設備であって、生産性向上に資する指標が旧モデル比で年平均1%以上向上する下記のもので、その旨工業会の証明がなされたものです。 中古は対象外で、これから取得予定の以下の資産につき、固定資産税の特例を受けられます。 ・減価償却資産の種類(最低取得価額/販売開始時期) 1.機械装置(160万円以上/10年以内) 2.測定工具及び検査工具(30万円以上/5年以内) 3.器具備品(30万円以上/6年以内) 4.建物附属設備(償却資産として課税されるものに限る) (60万円以上/14年以内) ※ただし、対象資産は市区町村により異なる場合がありますので、詳しくは設備を導入する市区町村に確認が必要になります。
「先端設備等導入計画」の手続き
手続面では、以下の1から4となり、「経営力向上計画」に似ています。 なお、設備取得前に計画の認定を取る必要があります。 1.購入する機械等について工業会の証明書を入手 2.弊社のような認定支援機関に依頼して計画を策定 3.市区町村に工業会の証明書を添付し計画を提出 4.市区町村から認定 参考:中小企業庁「経営サポート「生産性向上特別措置法による支援」」 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/index.html
「経営力向上計画」の6つのメリット
「経営力向上計画」のメリットの内、固定資産税の特例措置(3年間1/2の軽減)は2019年3月31日をもって終了しますが、その他の6つのメリットを改めてお伝えいたします。 1.即時償却や税額控除の対象 新たに取得する設備投資費用について、即時償却または取得価額の10%(注)の税額控除の対象になる。 (注)資本金3,000万円以下の場合 2.賃上げ・投資促進税制の税額控除額がアップ 中小企業の賃上げ・投資促進税制(従来の所得拡大促進税制が拡充された制度)の適用を受ける際、賃上げの増加率が前年度比2.5%以上であり、かつ、経営力向上計画の認定を受けていて経営力向上がなされていることで、前年度からの増加額の税額控除率が15%から25%に増加する(法人税額の20%が上限)。 3.日本政策金融公庫の金利が0.9%ダウン 日本政策金融公庫で設備資金の融資を受ける場合、貸付金利が基準利率から0.9%引き下げ(運転資金については基準利率)になる。 4.別枠での追加保証や保証枠の拡大 経営力向上計画の実行(※)にあたり、民間金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による信用保証のうち、普通保証等とは別枠での追加保証や保証枠の拡大が受けられる。 (※)新商品・新サービスなど「自社にとって新しい取組」(新事業活動)に限る。 5.補助金申請時に加点 ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金などの補助金の審査において、加点となる可能性がある。 6.登録免許税・不動産取得税の軽減 認定を受けた経営力向上計画に基づいて、M&Aによる事業承継の再編・統合を行った際に係る不動産の所有権移転の登記の登録免許税や不動産取得税が軽減される。 設備投資の際は、取得する前に上記の計画の特例を受けることができるか、事前の検討をおすすめします。 参考:中小企業庁「経営サポート「経営強化法による支援」」 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/ 「経営力向上計画」のご相談はこちらから。 https://www.money-c.com/top/keieiryoku2018.6.9.pdf 「先端設備等導入計画」のご相談はこちらから。 https://www.money-c.com/top/sentan.pdf この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。 ※上記は執筆現在(2019.2.12)での情報ですので、今後の動向により変更される可能性がありますので、ご注意ください。
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