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持分法とは?適用会社やメリットについて解説!

2022年08月16日

持分法とは、上場企業が作成する「連結財務諸表」において使われている、手間の少ない会計方法の1つです。

この記事では、会計の際によく使われる言葉「持分法」について、詳しく解説します。どのような企業を対象としているのか、持分法の考え方にはどのようなメリットがあるのかなどを紹介していきますので、知りたい方は参考にしてみてください。

 

 

持分法・連結財務諸表の概要

ここからは持分法と連結財務諸表の概要についてそれぞれ説明します。この2つは密接な関わりがあるため、それぞれきちんと理解しましょう。

 

持分法とは

持分法とは、上場企業が作成する「連結財務諸表」で使われる、手間の少ない会計方法の1つです。

いくつかの企業がまとまって企業グループを成している場合、業績を確認するためには親会社だけでなく子会社における資本金や業績を含めてチェックする必要があります。そのため親会社は、主に株式の50%超を保有している子会社の実績、資本金・損益等をひとつに統合していくかたちで、グループとしての会計の数字を算出し「連結財務諸表」を作成します。

ただしこの際に忘れてはならないのは、株式保有率が20%~50%の割合の子会社や関連会社も、連結財務諸表に盛り込んでいく必要があることです。保有割合の少ないこれらの企業の数字を盛り込む場合、株式保有率に応じて、一部のみを計算に含めていくのが一般的です。この計算方法を、持分法と呼びます。

 

連結財務諸表とは

連結財務諸表は、いくつかの企業が集まってできた企業グループの経営状態を示す報告書です。グループ内のそれぞれの企業の実績を別々に見ていても、業績が好調なのか不調なのか判然としないケースもあるでしょう。しかし、連結財務諸表を見れば、グループとしての勢いや利点を判断することができます。今後の見通しを理解しやすくなるため、投資家が投資先を考える際にも重宝されている資料です。

もし連結財務諸表というものがなく、親会社・子会社がそれぞれ独立した決算報告を世に出すとなれば、親会社が指示して子会社・関連会社の利益を自社に引き込んでしまうなどの不正が起きる可能性があります。しかし連結財務諸表という形でひとつの決算書を作ることが命じられれば、数字をごまかすことは不可能です。このようにして、連結財務諸表は経営幹部らの圧力による不正な報告を防ぐ役割も果たしています。

 

 

連結財務諸表の規則

連結財務諸表を作る必要があるのは、「有価証券報告書」を提出する上場企業です。反対に子会社を持っている企業であっても、非上場企業の場合は、連結財務諸表を作らなくても問題ありません。

連結財務諸表を作る際に、親会社に子会社の資本金や業績を統合することは、主に「連結」と呼ばれます。この際、連結とは言ってもただ数字を合わせるだけではないという点がポイントです。単純に足し合わせるだけでは正確な連結会計にはなりません。親会社と子会社間で実行された取引を連結する際には、数字を相殺する必要があります。

また、子会社が親会社から仕入れた未販売の商品がある場合、その商品分の金額を出して、実績から除外する作業が必要になります。このように連結会計には、複雑な計算が求められるのです。

ただし親会社が株式を持っている子会社や関連会社がすべて連結会計の対象になるわけではありません。議決権が20~50%という低い割合の場合には、子会社・関連会社でも連結はせず「持分法」によって計算を行ないます。なお、連結を行わない子会社は、非連結子会社と呼ばれます。

持分法は、連結よりも手間のない会計方法です。親会社の持ち株比率に応じ、20%なら20%、35%なら35%の割合で、対象企業の純資産と損益の一部を切り取って財務諸表に反映させるという考え方をとります。

 

 

持分法が適用される会社とは?

では具体的にどのような会社に持分法は適用されるのでしょうか。その条件を詳しく紹介します。

 

関連会社

関連会社とは、「子会社」に該当しなくても、所定の条件をクリアしている会社のことを指します。
財務諸表等規則第8条第5項には、関連会社について定めた文章があります。

 この規則において「関連会社」とは、会社等及び当該会社等の子会社が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の他の会社等をいう。

 

企業が関連会社にあたるのか子会社にあたるのかは、対象会社に対してどのくらいの議決権を持っているのかによって判断されます。

 

非連結子会社

親会社がその会社の株式の50%超を持っているという場合は、持分法ではなく連結で会計を行います。一方で、株式の20~50%を持っているという場合には、持分法を使って計算をする対象になります。

なお、株式の50%超を有しているという場合でも、特に親会社に及ぼす影響が少ないと考えられる企業や、親会社が経営の決定権を持っていないと考えられる企業の場合は、連結ではなく持分法で計算するケースもあります。

 

 

持分法で会計を行うメリット

会計に持分法を用いることで得られる大きなメリットとしては、まず会計処理を手間なく行えるという点です。

連結会計の場合には、たとえば親会社と子会社間で行われた取引に取り込む際、一部の数字を相殺するなどの複雑な計算が求められます。一度足し合わせた数字を出してから「連結修正」という形で数字を正していく作業は、計算自体に労力がかかるだけでなく、そのために日々の管理を徹底して行わなくてはならないため、会計処理への労力がとても重くなります。

一方で持分法を用いる場合には、このような複雑な計算や、日々の詳細な数字の管理に頭を悩ます必要がありません。持分法を用いた場合は「投資有価証券」と「持分法による投資損益」という2科目の勘定科目のみで会計を済ませることができます。

 

 

持分法の注意点

持分法で会計を行った際には、連結財務諸表にいくつか注意する必要があります

連結財務諸表の作成に関するルールをまとめた連結財務諸表規則に内容が示されており、持分法を用いたというケースでは、下記に関する注記を確実に行うようにしましょう。

 

・持分法を適用した「非連結子会社」や「関連会社」の件数。そして、その中で重要な会社等の名称。

・持分法を適用していない「非連結子会社」や「関連会社」があるとき、その中で重要な会社等の名称。また、持分法を適用していない理由。

・議決権の20%~50%を持っているのに、その会社を「関連会社」と扱わなかった場合、その理由と、該当する会社の名称。

・その他、持分法の適用に関して、特に記載すべきことがある場合、その内容

・持分法の適用範囲を変更した場合、その旨と変更理由。

・重要な関連会社がある場合、その名称。また持分法による投資利益と持分法による投資損失の算出の対象となった項目。

・持分法が適用される会社において、翌連結会計年度以降に大きな後発事象(経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす事象)が起こった場合、その内容。

 

これらの内容を記載しなければ、株主や企業の動向を監視する公的機関などから指摘を受ける可能性があるため必ず記載するようにしましょう。

 

 

 

持分法と連結法の違い

「持分法」と「連結法」は、どちらも連結財務諸表を作るプロセスにおいて大切な会計方法です。

親会社が、投資している会社の純資産および損益を、議決権の保有割合に従って連結財務諸表に取り込んでいくのが持分法です。持分が20%なら純資産・損益の20%を加えます。この際にはすべての業績を反映するのではなく、持分に応じて一部の業績だけを合算します。

一方で連結法では、子会社の損益を親会社に取り入れる際には、すべての資産、損益等について、親会社に足し合わせる必要があります。その後、親会社・子会社間の取引を相殺するなどの数字の修正を行います。

両者の違いは、一部のみを引き抜いて合算するのか、すべてを合算し一部修正するのかという点にあります。

 

 

まとめ

事業の譲渡を考えている場合や他社への投資を考えているという場合、持分法をどう適用したらいいのか、連結子会社とは何なのかなど、悩むことが多いかもしれません。今回紹介した内容を参考に持分法や連結子会社への理解を深めた上で上手に活かしましょう。

M&Aは、専門的な知識があるとスムーズに運びます。M&Aを検討している場合は、仲介企業などに相談しましょう。

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