テレビ取材やWebメディアにも多く取り上げられ、月に70名は顧客が訪れるという話題のワンコイン・無人エステ「FACEUP SALON」は、愛知県で美容サロンを営むご夫婦が多角化経営の一環としてはじめた新規事業でした。サロン勤務10年、その後独立してから2年、本業が軌道に乗り、さらなるステップアップとして挑戦した合同会社PENTASの代表を務める安田様に、このユニークな事業を立ち上げた契機から、経営の選択と集中へと舵を切り直されるまでの変遷を詳しくお伺いしてまいりました。
譲渡事業 | |
---|---|
店舗名 | FACEUP SALON |
業種 | 美容サロン |
拠点 | 愛知県 |
譲渡理由 | 選択と集中 |
譲受企業 | |
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社名 | 株式会社U-Ring |
業種 | 訪問介護・児童デイサービスなど |
拠点 | 愛知県 |
譲受理由 | 新規事業への参入 |
きっかけはテレビ番組、「無人×美容」でおもしろいことに挑戦してみたい
美容師免許をお持ちの安田様が、名古屋で10年間に渡るサロン勤務を経て独立起業されたのは、今から約2年前のこと。アイリストの資格を持つ奥様と共に立ち上げた、ヘアサロンとアイラッシュサロンを併設する美容に特化したサロンは、順調に顧客数を伸ばしていき、安定した経営をされていました。
一方で、美容サロンという労働集約型のビジネスモデルには限界を感じており、限られたリソースを用いて売上を伸ばす方法はないかと考えていた折、たまたま見たテレビ番組で取り上げられていた「無人の餃子販売店」というスキームに興味を持ったという安田様。
当初は、全く同じ餃子の無人販売に挑戦しようとしましたが、未経験の異業種で新規ビジネスを興すのはリスクが高いということで、「無人×美容」という、ご自身にとって馴染みのある領域で何かおもしろいことができないかと検討した結果、エステ事業に活路を見出したそうです。
そして、無人エステの既存プレイヤーの多くが月額制を採用しているところに着目し、もっと気軽に通ってもらえるようにと低額の都度払い制を掲げることで差別化を図った結果、ワンコイン・無人エステ「FACEUP SALON」はメディアに多く取り上げられ、順調に顧客を増やしていきました。
「始める前は、若い方がメインターゲットだと思っていたんですが、実際にやってみると、主婦や子育て世代、そして親子連れなど、当初の想定よりも高い年齢層からの支持が高くて驚きました。きっと、都度払い制という気軽さが、忙しくて自分の時間を作るのが難しい人たちに喜んでいただけたんだと思います」と語る安田様に、もうひとつ想定外のことが起こったのでした。
譲渡先の決め手は人柄!新規事業に追われる日々からの脱却
当初は想定していなかったもうひとつのこと、それは立ち上げ準備から事業が軌道に乗るまでにかかる、想像以上の労力でした。
「ヘアサロンやアイラッシュサロンと同じ美容業界に属するエステ領域で新規ビジネスを始めるにあたり、当初はこれまでの経験を活かせると思っていたのですが、実際に始めてみると全然勝手が違うことを実感しました。
定期的に通う人が多いヘアサロンや、利用者が増えてきているアイラッシュサロンにおけるビジネスの進め方と、贅沢消費に属するエステとの間には大きなギャップがあって、それを埋めることに試行錯誤が必要でした。
また、無人のスキームとはいえ運営業務は発生しますし、ターゲットも異なるので集客も別ですから、業務が純増する形となり、ついには妻が体調を崩してしまって。私も妻も本業を抱える中、このまま続けていくのは難しいなと思いました。むしろ、本業が疎かになってしまって本末転倒になりかねないため、自分たちの主戦場に集中すべきだと判断したんです」とのこと。こうして、「FACEUP SALON」の譲渡先探しがスタートしたのでした。
そんな安田様が最終的に選んだお相手は、株式会社ユーリングの代表を務める松本様だったのですが、数ある候補者の中から松本様に決めた理由をお伺いすると「最も重視したのは、人柄と経営者としての手腕です。真面目で誠実というのはもちろんですが、この事業をどう思ってくれているのか、どんな風に引き継ぎ、どうやってスケールさせようと考えているのかという点を併せて見るようにしていました。
これまでの面談を通じて、松本様には非常に誠実にご対応いただいておりましたし、何より話が合うというか、譲渡後も良い人間関係を保つことができ、愛着を持って育ててきた本事業の行く末を近くで見守っていけそうだと感じられたので、彼に託そうと決めました。
こういうことは、メールの文面だけではなく、会って話してみないと分からない部分だと思っていたので、多くの候補者の方々と面談させていただきました。実際にお会いしたのは、全部で10数名ほどになります。いろんな経営者にお会いできたことは、私自身にとっても、彼らの考え方を知れたという意味で、とても良い経験となりました」と話す安田様は、無事にご成約が決まり、ホッとしているご様子でした。
「多様なバックグラウンドを持つ人の集まり」に覆された、M&Aに対する固定概念
そんな安田様に、一連のM&Aを通じて印象に残っていることについてお伺いすると「自分自身が愛知で美容サロンをやっているということもあって、東海3県にお住まいで事業譲渡を希望されている方々にバトンズ上でメッセージを送ってみたところ、本当に多様な業界から反応があって驚きました。
というのも、今回の譲渡対象がエステ事業だったので、美容業界の関係者からしか返信はないと思っていましたから。ですが、松本様も訪問介護や児童デイサービスを主軸とした事業運営をされていらっしゃいますし、それ以外にも多様なバックグラウンドをお持ちの方々からお問合せをいただきまして。M&Aに対して自分がもっていた固定概念が崩れた感じがしました」とのこと。
「また、バトンズは単なるプラットフォームに止まらず、登録すると担当者がついてくれて、細やかにサポートしてくれるので、素人の私でもスムーズに段取りを進めることができました。他のプラットフォームにも登録したのですが、こうした人を介するフォローがあるためか、バトンズを通じて垣間見たM&Aのマーケットが一番活性化していると感じました」とも。
無事に事業の譲渡先が見つかり、今は肩の荷が降りて安堵していると話す安田様。おかげで少しずつ本業に集中し始めることができているそうで、今後は、ヘアサロンのメニュー開発やサービスの改善に注力していきたいと、笑顔で抱負を語っていただきました。
安田様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!
【安田様の運営するサロンHP:https://calmia.storeinfo.jp/】
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