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企業評価とは?算定方法やメリット・デメリットを解説

2022年07月06日

企業の価値を表現したいという場合は、さまざまな方法が考えられます。中でもわかりやすい方法は、価値を「金額」に換算した表現でしょう。金額換算された数字は「企業評価」と呼ばれ、株価算定の際に用いられるほか、M&Aの価格算定にも用いられます。

企業評価はどのような方法で算出されるのか、また、算出方法ごとのメリット・デメリットについて紹介していきます。

 

経営戦略における企業評価

会社経営において、企業評価は重要な指標の1つですが内容をご存知でしょうか。まずは、企業評価とはそもそもどのようなものなのか、企業評価の目的について確認していきましょう。

 

企業評価とは

企業評価では、企業の価値を金額に置き換えます。経営プランの是非や、事業が抱える将来的な見込みを材料に、企業の価値を割り出します。昨今、経済は急速にグローバル化し、ビジネスを取り巻く環境は日々変化しています。このような世の中で安定して高い企業評価を受けたい場合は、現状維持や感覚だけの経営ではなく、論理に基づいた革新的な経営戦略が必要です。

 

企業評価の目的

企業評価を行うことの主な狙いの1つは、自社の価値を正しく把握することです。自社の価値を把握することで、世の中のニーズと自社の事業が乖離していないかどうかが分かり、経営の方向性の正誤を確認するきっかけになります。世の中の変化に合わせて経営戦略を描き出すために、企業評価は必要不可欠です。

昨今多くの上場企業では、めまぐるしく変化している環境に対応できず、自社の現状の立ち位置や価値を正確に把握できていないことがあります。また非上場企業の場合は、売上の数字にとらわれた経営をしているケースが多く、本質的な経営戦略を立てられていないことが多々あります。これからの市場で生き残るためにも、企業は企業評価を通じて自社の立ち位置を正確に把握しておくことが必要です。

 

企業評価を活用する場面

企業評価は、企業の運営に大きく関わるものです。
具体的にどのようなシーンで企業評価が活用されるのかを見ていきましょう。

M&A

M&Aとは、日本語に訳すと「合併と買収」という意味です。企業同士の合併、他企業もしくは企業内の事業の一部を、買収・売却することを意味します。M&Aを行うことで、事業内容を多様化したり、事業規模を一気に拡大したりするのが目的です。

企業評価は、M&Aを行う際に企業の買収価格を決めるための指標となります。特に非上場企業の場合は、客観的な企業価値を示す尺度である「株価」が存在しないため、企業評価がとりわけ重要な意味を持ちます。

 

事業承継

事業承継とは、親族などの後継者に会社を引き継ぐことです。事業継承の際、継承先の企業は不動産や事業設備、株式などのさまざまな資産を引き継ぐことになります。非上場企業の事業継承の場合は、相続税や贈与税といった税金を、企業評価を基準に決めるケースがあります。上場企業の場合は株価によって割り出すことが可能ですが、非上場企業の場合は資産価値を示す尺度がないため、企業評価を用います。

 

経営戦略

経営戦略の一環として企業評価を活用するケースもあります。企業評価を通して財務状況などを把握し、企業が将来どのように成長していくのかを判断します。また、金融機関に融資をお願いする際に、企業の将来性を示すための数字として企業評価を活用するケースもあります。

 

企業評価の方法

ここからは、企業評価のより詳しい内容を見ていきます。主な企業評価の方法は、以下の3種類です。

・インカムアプローチ

・コストアプローチ(ネットアセットアプローチ)

・マーケットアプローチ

 

これらの評価方法のうち1つを利用して評価を出す方法を「単独法」複数の方法を併用し、重複等を省いて算出する方法を「併用法」と呼びます。また、それぞれの方法に折衷割合を適用して、それぞれの方法の評価の加重平均から割り出す方法を「折衷法」といいます。それぞれの評価アプローチについて詳しい内容を見ていきましょう。

 

インカムアプローチ

インカムアプローチとは、対象企業の将来性を評価する方法です。企業の将来的な収益性を加味した評価が出されるので、特にM&Aの場面で活用されることが多い評価方法です。効果や用いられる場面、手法について確認していきましょう。

 

メリット・デメリット

インカムアプローチのメリットは、将来性を視野に入れた判断ができることです。特にM&Aにおいては企業の将来性が肝になるので、インカムアプローチは適した評価方法だといえます。

ただし、将来性の評価はあくまで予測値です。評価を下す人の考え方によって、結果が左右されるという懸念があることに留意しましょう。場合によっては恣意的な企業評価になってしまうこともあるでしょう。恣意的に高い評価を受けた場合は、実際の利益が予想を下回ってしまう可能性が高くなり、リスクにつながります。恣意性を排除するためにも、利害の衝突のない第三者に企業評価を委託するのがおすすめです。

 

インカムアプローチを用いる場面

インカムアプローチは、M&Aの買収価格を決める場面のほか、事業・設備への投資可否の判断や、資産価値評価といった場合に使われます。減損を認識するための材料になったり、金融機関の融資判断の材料になったりすることもあります。

 

代表的な手法

インカムアプローチには、主に2つの方法があります。

〇DCF法

「DCF法」のDCFとは、「ディスカウントキャッシュフロー」のことです。将来的に見込まれる自由に使える資金「FCF(フリーキャッシュフロー)」を算出し、加重平均資本コストを適用すると、DCF法の企業評価を出すことができます。

〇配当還元法

「配当還元法」とは、その名の通り配当金額に基づいて企業評価を下す方法です。配当金が変動しにくい中小企業の事業承継の際に、活用されることが多くなっています。

 

インカムアプローチでは、基本的にこれらの手法のいずれかで企業評価を行います。

 

コストアプローチ(ネットアセットアプローチ)

コストアプローチとは、貸借対照表の「純資産」に基づく企業評価方法のことです。将来の資産価値を計算に入れるインカムアプローチとは異なり、過去の実績が見られる手法です。効果や用いられる場面、手法について確認していきましょう。

 

メリット・デメリット

コストアプローチの軸になる貸借対照表は、どの企業でも作成基準が統一されているものです。そのため、誰が評価してもいつも同じ企業価値になります。恣意的な考えを排除でき、公平性の高い客観的な評価を受けることができるのはメリットです。また貸借対照表があれば評価を出せるので、その手軽さも利点でしょう。

ただし、過去の資産蓄積のみを見て評価されるということは、将来的な収益性が評価に入っていないということでもあります。M&A、もしくは設備投資のように、企業が将来どのくらいの利益を生むのかが重視される局面では、コストアプローチの使用は適しません。

 

コストアプローチを用いる場面

経営を継続せず清算してしまうという場面での企業評価には、コストアプローチを用いるのが適しています。また、経営不振に陥って先の見通しが立っていない企業の場合も、M&Aや相続時株価を出す際にコストアプローチを用いるケースがあります。

代表的な手法

コストアプローチには、主に下記に紹介する3つの手法が存在します。

〇簿価純資産価額法

帳簿上の資産から負債を差し引き、株主持分を評価するというシンプルな方法です。ただしあくまで帳簿上の資産や負債の評価額を利用するので、実際の企業価値とのギャップが起こりやすいという点に注意が必要です。

〇時価純資産価額法

上記のように帳簿上の資産や負債によって評価をすると実態に則さない評価内容になることがあります。そこで、現時点での価値を再精査して評価し直すのが、時価純資産価額法です。

〇時価純資産価額法+営業権(のれん)法

時価純資産価額法に、営業権(のれん)を足し合わせて評価を出すという方法です。営業権(のれん)とは、企業のノウハウやブランドイメージ、立地条件などの無形資産を指します。この時価純資産価額法+営業権(のれん)法は、3つの手法の中で、最も高い頻度で採用される方法です。

 

場合によってこれらの方法を使い分けてコストアプローチによる企業評価を行います。

 

マーケットアプローチ

マーケットアプローチというのは、似たような企業・類似市場を参考に、その取引状況を踏まえて企業を評価する方法のことです。効果や用いられる場面、手法について確認していきましょう。

 

メリット・デメリット

マーケットアプローチは類似企業の株価を踏まえて判断をするため、株式市場全体の状況を反映した企業評価を行うことができます。客観性の高い評価内容になるのが大きなメリットです。その一方で市場の影響を受けやすい手法でもあり、正確さの面では劣ることも考えられます。

 

マーケットアプローチを用いる場面

マーケットアプローチは、ベンチャー企業を評価する際に多用されます。評価の材料になるものを持っていない場合でも算出できるため、利益がまだ出ていない企業の評価が可能です。

 

代表的な手法

マーケットアプローチには、主に以下の3つの評価方法があります。

〇類似会社比準方式

類似会社比準方式とは、自社と似た事業を行う企業の財務指標を用いて評価を下すという方法です。「マルチプル法」とも呼ばれ、類似企業の「EBITDA」(利払い前・税引き前・減価償却前利益)や「PER」(株価収益率)といった指標によって判断します。

〇類似業種比準方式

類似業種比準方式とは、業種や類似上場企業の状況を見て評価を行う手法です。経営者が多くの株式を持ったまま他界してしまったというような場合にも用いられます。

〇市場株価法

過去半年間などの一定期間の平均株価を出して、評価額とする手法です。株価を使用するので上場企業のみ行うことができ、非上場企業では適用できません。

 

このようにマーケットアプローチは、いずれの方法でも市場の影響を大きく受ける特徴があります。

 

まとめ

M&Aを考えている企業にとって、企業評価は無視できない重要な指標です。ただし企業評価を正確に行うことは決して簡単なことではありません。専門家のサポートを受け、正当な評価を行えるようにすると安心です。

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