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覚えて得する!会社を買うとついてくる“あるもの”

2018年11月18日

▼起業する際に重要なのは、経営資源の基本となる「人・物・金・情報」をどれだけタイムリーに準備できるかです。M&Aを利用した引き継ぎ起業は、足りない経営資源を補う「プラス」からの起業方法として近年注目を集めています。今回は、そのメリットと注意点を見ていきます。

 

意外と知らない、会社に紐づいているもの

 

M&Aを利用した引き継ぎ起業が注目されるわけ

近年M&Aを利用して起業する方法が注目を集めています。副業や兼業の奨励により起業が注目され始めましたが、ゼロからの起業はハードルが高い事や、後継者不足などから事業を売りたい中小企業が増えていて供給があること、これらを受けて中小M&Aのマッチングサービスが普及し始めたことなどが主な理由です。

2017年度版中小企業白書によると、起業家がスタートアップ期に直面する問題として、事業や経営に必要な知識やノウハウの取得、資金調達、質の高い人材の確保、販路開拓とマーケティング、自社の宣伝及びPR、量的な労働力の確保などが多く挙げられていることが分かりました。

このような「人・物・金・情報」に関する経営資源問題は、すでに存在する事業を買い取り起業することで、ある程度回避が可能です。引き継ぎ起業どのようなメリットがあるのかを具体的に見てみきましょう。

 

さまざまな経営資源が確保できる引き継ぎ起業

 

・即戦力が付いてくる

起業にあたって新たな人材を採用する必要がある場合、面接や育成などに多くの時間と費用が掛かります。中小規模のM&Aの場合、事業のノウハウを持った即戦力となる人材を前経営者から引き継げる形が多いため、新たな人材を探す必要は基本的にありません。前経営者の承諾さえあれば、前経営者の支援やコンサルティングなども依頼することができます。

・経営を軌道に乗せるまでの時間短縮が可能

ゼロからの起業では、起業にまつわる法的な手続きから初期設備投資やサービスの立ち上げ、顧客を開拓など、経営が軌道に乗るまでに少なくとも数年見積もる必要があります。既存のビジネスを買い取って起業する場合すでに設備があり、販路や顧客の開拓も引き継ぐことができるため大幅な時間短縮となります。

・経営戦略を立てやすい

既存の事業には過去からの売り上げデータが付いてきます。そのためキャッシュフローを予測しやすく、現実的な経営戦略を立てることが可能となります。また、実践的なノウハウなどを引き継ぐことができるため、問題に直面した際に試行錯誤する時間を減らせ、短時間で安定した経営レベルに持っていくことが可能となります。

・許認可や商標などを受け継げる

事業に必要なさまざまな許認可や商標、特許などの無形資産や、プログラムなどの技術資産を受け継ぐことができます。許認可の中には、新たに取得することが難しいものなどもあり、また取得が簡単なものでも申請の手間が省けるという利点があります。

以上のようにM&Aを利用して起業する場合、必要な経営資源がある程度揃っている状態で経営が開始できますので、ゼロからの起業に比べると時間的なリスクを大幅に減らすことが可能となることが分かります。

 

M&Aを利用して引き継ぎ起業を考える際に注意すべき点

 

必要な経営資源がある程度揃っているからといって、楽をすることが目的で引き継ぎ起業を考えるのは安直です。最後にM&Aを利用して起業を考える際の注意点を見ていきます。

まず考慮したい点は、引き継ぎ起業によって自分に足りない経営資源を補えるかどうかです。例えば確固たるアイディアがあり人脈もあるが資金が足りない場合には、まとまった買い取り費用が必要でノウハウも付いてくる引き継ぎ起業方法がベストとは限りません。マネジメントの知識と経験があり、資金と経営ノウハウはあるが人脈と時間がない場合、マッチする会社や事業があればM&Aによる起業は有効な選択肢でしょう。

できるだけ多くの情報収集をすることも重要です。M&Aではデューデリジェンスによって、適正な企業価値や買収後の経営リスクなどを把握します。企業情報をどれだけ正確に把握できるかによって、M&Aによる起業の成否は大きく変わるためです。当事者や関係者によるバイアスのかかった情報でなく、第三者によるフェアな情報を多く集めることが重要となります。

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