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ベンチャーキャピタル(VC)とは?基礎知識から仕組みまでをわかりやすく解説!

2022年01月05日

ベンチャーキャピタル(VC)とは一体何者?

ベンチャーキャピタルとは、将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業に投資する組織のことです。

主に株式に出資することによって資金を提供し、出資先が株式公開(IPO)にこぎつけたり、M&Aを受けた際に株を売却し大きな利益を上げるビジネスモデルです。創業間もないベンチャー企業やスタートアップ企業の事業の急成長を手助けする非常に重要な存在です。

すでに起業された方、これから起業しようと考えている方にとって、「資金調達をどのように行うか」は、避けて通れない重要な課題です。そこで今回は、ベンチャーキャピタルとは一体何者なのかを紹介し、ベンチャーキャピタルから出資を受けることのメリット・デメリットや、主なベンチャーキャピタルの種類について解説したいと思います。

 

ベンチャーキャピタル(VC)の仕組みや役割を解説!

ベンチャーキャピタルは、運営母体(金融機関や事業会社)や投資家などから資金を集め、集めた資金でファンドを組成します。ファンドは集まった資金をスタートアップ企業やベンチャー企業に出資します。

ベンチャーキャピタルのビジネスモデルは、ベンチャー企業やスタートアップ企業の株式に出資することで対象企業が成長または上場したのち、株式を第三者や市場で売却することによってキャピタルゲイン(値上がり益)を得ることを最終目的としています。また、ベンチャーキャピタルは株式出資を行うだけではなく、経営助言や役員派遣など、企業価値を高めるための活動も行います。

また、ベンチャーキャピタルは運営母体や投資家から、出資額に対しての定率の管理手数料に加え、出資が成功し、出資先が株式公開(IPO)を行いキャピタルゲインを得られた場合に、一定の割合の成功報酬を受け取るのが一般的です。この二つの報酬がベンチャーキャピタルの収益となります。

ベンチャーキャピタル(VC)が抱えるリスクとは?

企業への投資は上場企業の株式への投資と違い、以下のようなリスクがあります。

①市場で株式が取引されていないため、売りたいときに希望する値段で売却できる機会がほとんどない

②ベンチャー企業やスタートアップ企業は、通常利益を配当に回す割合(配当性向)が低いため、配当による出資の回収が期待できない

③上場企業に比べて事業の安定性が低く、事業基盤が構築されていない企業が多いため、売り上げや利益が安定していない

このようなリスクがある一方で、投資した企業が株式公開(IPO)やM&Aによるバイアウトなどにつながると、投資した金額を上回る多額のキャピタルゲインを得ることができます。投資としては、ハイリスク・ハイリターンといえるでしょう。

ベンチャーキャピタル(VC)の投資判断

ベンチャーキャピタルは常に市場に目を光らせ、新しいビジネスモデルを持つ企業や投資価値のある企業を探しています。そして、市場の成長性や、その市場における事業の強み、起業家自身の経歴や能力などを十分に吟味して、将来リターンが見込めると判断した企業や起業家に出資を行います。

その他にも、事業会社系のベンチャーキャピタルでは、親会社の事業に大きなシナジー効果をもたらす新たな技術やビジネスモデルを持っているベンチャー企業やスタートアップ企業に対して出資を行う場合があります。

出資時のベンチャーキャピタル(VC)の役割

企業に出資をするベンチャーキャピタルは、株主としての権利を持ち、経営に参画することができます。

株主としての権利は主に、

 

①企業の経営に参画したり、株主総会で議決に参加できる権利 (議決権)
②企業の利益から配当金などの利益の分配を受けることの出来る権利 (利益配当請求権)
③会社が解散した場合に、債務などを返済して残った財産の分配を受ける権利 (残余財産分配請求権)

 

などです。

さらに株式が買値より値上がりした場合、上場企業であれば市場で、未公開企業でも売却先(取引相手)が見つかれば売却することにより、キャピタルゲインを得ることができます。

 

ベンチャーキャピタル(VC)の種類

ベンチャーキャピタルには、母体となっている企業などによりいくつかの種類に分けられます。ここでは代表的なベンチャーキャピタルの類型を紹介します。

独立系ベンチャーキャピタル(VC)

独立系ベンチャーキャピタルは、系列の親会社を持たずにベンチャー投資を行うベンチャーキャピタルです。事業会社などの系列も無いため、事業提携などは行わず出資に対しての値上がり益のみを狙う事業スタイルとなります。系列がないので、事業のしがらみなどを気にせずに出資を受けることができます。

代表的な独立系ベンチャーキャピタルには、日本アジア投資日本ベンチャーキャピタルなどがあります。

政府系ベンチャーキャピタル(VC)

政府系ベンチャーキャピタルは、運営主体が政府系機関のベンチャーキャピタルです。

主に中小企業の支援や産業の活性化を目的としています。有名なところでは、INCJ(旧産業革新機構)があります。ルネサスエレクトロニクスやジャパンディスプレイなどの上場企業の再編や再構築において、出資者として度々ニュースに登場していますが、スタートアップ企業などの立ち上がったばかりの企業のためのベンチャーキャピタルへの投資も数多く行っています。

その他には、中小企業の支援・育成を目的として設立された中小企業投資育成株式会社があります。こちらは東京・大阪・名古屋で、それぞれのエリア名を冠する中小企業投資育成株式会社が支援を行っています。政府系は国内企業の支援を目的としているため、出資により経営の方向性について強く意見されるケースはあまりないといえます。

金融機関系ベンチャーキャピタル(VC)

金融機関系ベンチャーキャピタルは、地銀やメガバンク、保険会社やその他金融機関などが運営主体のベンチャーキャピタルです。金融機関としての強みを生かした事業連携や経営支援などが期待できるほか、資金調達においても支援を受けられる可能性があります。

主な金融機関系ベンチャーキャピタルには、みずほフィナンシャルグループ系のみずほキャピタルや三菱系の三菱UFJキャピタル、独立系のジャフコ、SBI傘下のSBIインベストメントなどがあります。

コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)

コーポレートベンチャーキャピタルは、事業会社が運営主体のベンチャーキャピタルです。出資の目的として純投資の他、先進的な研究開発やビジネスモデルを展開するスタートアップ企業に出資することで、自社事業へのシナジー効果や取り込みを狙うケースも多く、案件ごとに目的は異なります。

コーポレートベンチャーキャピタルを傘下にもつ事業会社は数多く、例えば、NTTドコモ傘下のNTTドコモ・ベンチャーズやソニー傘下のソニー株式会社事業開発プラットフォームイノベーションファンド室、パナソニック傘下のパナソニックベンチャーズなどがあります。

コーポレートベンチャーキャピタルは事業会社としての色が強く出るため、経営支援や業界での販路開拓やサポートなど、相性の良い事業会社であれば資金調達以外のメリットも受けることができます。

運営主体が異なるベンチャーキャピタル(VC)

このようにベンチャーキャピタルは運営主体によって特徴が異なります。、どのような投資戦略を持っているか、企業価値を高めるためにどのような活動を行っているかなどはそれぞれのベンチャーキャピタルによって様々です。

また、ベンチャーキャピタルの経営者や担当者と起業家との相性なども大切な要素です。自身の会社にどのようなサポートが必要であるかを吟味し、判断しましょう。

 

エクイティファイナンスとデットファイナンスを知ろう!融資と増資の違いを解説

ここまで、ベンチャーキャピタルは常に出資対象となり得る企業を探していることを知っていただけたと思います。しかしながら、そもそも創業したばかりの企業はどうやって資金調達を行っているのでしょうか。ここでは、企業が資金調達する方法を解説します。

企業が資金調達する方法は、株式を新たに発行して増資をするエクイティファイナンス、企業が資金の融資を受けるデットファイナンスの2つに分かれます。それぞれの意味やメリット、デメリットを解説します。

エクイティファイナンスとは?

エクイティファイナンスは、企業が新株を発行して出資者(ベンチャーキャピタルなど)に資金を払い込んでもらう方法です。ベンチャーキャピタルから出資を受ける場合は、通常エクイティファイナンスの形式をとります。エクイティとは「株式資本」という意味で、エクイティファイナンスとは、事業に必要な資金を調達する際、エクイティの増加をもたらす方法のことを指します。エクエイティファイナンスで調達した資金は、バランスシートにおいて資本の部に入るため、出資してもらった資金には借り入れのような返済期限がありません。

エクエイティファイナンスの種類

エクイティファイナンスの方法にもいくつか種類があります。代表的なものは以下のとおりです。

株主割当増資

新株の割り当てを受ける権利(新株予約権)を、既存の株主が保有する株数に応じて付与する増資の方法です。新株予約権を受け取った既存の株主は、払い込みを行い新株の割り当てを受けるか、新株予約権を行使せずに予約権を売却または放棄するかを選ぶことができます。

公募増資(時価発行増資)

公募増資は、時価で新株を発行し資金調達を行う方法です。一般から広く増資の引き受け手を募ることから上場企業で多く使われる方法です。

第三者割当増資

株主であるかどうかに関わらず、第三者に対して一定の値段で新株を引き受ける権利を付与して、新株を発行する増資の方法です。ベンチャーやスタートアップ企業への出資の際にも広く用いられています。増資の価格は自由に設定することができます。

エクエイティファイナンスのメリット・デメリット

それでは、エクエイティファイナンスのメリット・デメリットを見ていきましょう。

エクイティファイナンスは、返済が必要のない資金を無担保で調達できる点が一番のメリットです。さらに、自己資本比率を高められるため、財務上でもメリットがあります。株主への配当も業績が悪い時には必要なく、株主総会などで社外からの意見を取り入れられる可能性もあります。

そして、ベンチャーキャピタルからの資金調達の場合は、経営や事業のノウハウ、出資を受けることによる企業のブランディング、業務を進める上で必要な人材の獲得や新たな取引先など、資金そのものだけでなくベンチャーキャピタルのリソースをフル活用することもできます。

エクエイティファイナンスのデメリット

最大のデメリットは、経営権が握られる可能性がある点です。エクイティファイナンスは、株式を利用して資金調達をする方法であるため、新株を発行した結果、株主構成が大幅に変わり、経営権が握られ、会社の組織や支配関係が変わる可能性があります。

また、新株発行によって株主が増加すれば、既存の株主の株式の価値が下がる場合もあります。株価の下落は予測は難しく、この点もデメリットです。

デットファイナンスとは?

デットファイナンスは、企業が資金を借り入れることにより、資金調達を行う方法です。事業資金などを銀行から借り入れるケースが該当します。借り入れた資金はバランスシートの負債に計上されます。

資金の借り入れなので、当然、金利や返済期限が設定されます。金融機関は、融資額に対して企業が十分な担保を有しているか、事業は安定しているか、事業がきちんとキュッシュフロー(本業からの現金収入)を生み出しているかなどを総合的に判断して、融資を実行します。

スタートアップ企業やベンチャー企業は、信用力や担保となる資産(不動産や設備)などをあまり保有していないことが多く、成長投資のステージにある事業からのキュッシュフローも安定しないことが多いため、金融機関からの融資はハードルが高い場合もあります。

デットファイナンスの種類

デットファイナンスによる資金調達方法を見てみましょう。実態としては、銀行からの借り入れによる手法が一番多く、多くの企業が利用している手法です。

銀行などの金融機関からの借り入れ

企業が借り入れをする際に一般的なのが、銀行などの金融機関からの借り入れです。銀行からの融資には、プロパー融資と信用保証協会の保証付き融資があります。

プロパー融資は保証協会を通さずに融資を受けることができるため、保証料が必要ありません。信用保証協会の保証付き融資は、銀行と取引実績がない場合や企業の業績や担保が十分でない場合に、信用保証協会を保証人として、銀行から融資を受けられる仕組みです。企業は、信用保証協会に信用保証料を支払う必要があります。

公募債の発行

公募債は、社債の一形態です。自社で発行した社債を不特定多数の投資家に買い取ってもらい資金調達をする方法です。

国が国債を発行して資金を集めるのと同じように、企業も社債を発行して資金調達をすることができます。

社債には、普通社債、転換社債、ワラント債、劣後債、電力債の5つの種類があります。どの社債を発行するかは、会社の状況やフェーズにもよりますが、経営権に影響がない普通社債による資金調達が一般的です。

私募債の発行

私募債は、募集人数を50名未満の少数に絞って発行する社債のことです。広く投資家を募集するために公募を行ったとしても、知名度のない会社である場合、投資家は思うように集まりません。

私募債は、特定の人や会社に社債を引き受けてもらうため、知名度があまりない会社でも発行することができます。

投資家からの融資

ソーシャルレンディングなどを利用して、投資家から資金調達をする方法です。ソーシャルレンディングは、貸付型クラウドファンディングとも呼ばれています。ネット上でお金を貸したいヒトと企業を結びつける融資仲介サービスです。

サービス運営会社が、借り手の企業を審査し、金利や金額、期間などを決定し、貸し手は、審査された条件を見て、いくら出資するのかを決めます。融資希望会社は、借りたい金額と企業情報、事業計画などを運営会社へ開示することが求められ、場合によっては保証人を立てたり、担保の提出したりすることが必要になります。

デットファイナンスのメリット・デメリット

それでは、デットファイナンスのメリットとデメリットを見ていきましょう。

一番のメリットは、会社の経営に関与されることがないという点です。

経営体制を変える必要がなく、さらに融資された資金用途の報告義務なども基本的にはありません。このため、事業の範囲内であれば、調達したお金を自由に使うことができます。また、これまでの財務状況に問題がなく、資産価値の高い不動産を所有しているなど、担保が用意できれば、借り入れ金額の目途を付けやすいこともメリットと言えます。

デメリットは、融資を受けているため、会社にとっての負債が増える点です。また、返済期限が設定される点も注意が必要です。

元本に加えて、返済が完了するまでの間は利息も余分なコストとして発生し、会社の業績が良くない時期でも、期日通りに元本と利息の返済を行う必要があります。

 

ベンチャーキャピタル(VC)との出会い方

ここまで、ベンチャーキャピタルの起源や役割、種類を解説してきました。それでは、起業家は実際にどうやってベンチャーキャピタルと出会うのでしょうか?

ここからは起業家がベンチャーキャピタルに出会うための具体的な方法をご紹介します。

ベンチャーキャピタル(VC)に直接連絡する

インターネットの発達により、起業家は、ベンチャーキャピタルへアプローチしやすくなりました。インターネットでの検索を行い、ベンチャーキャピタルを探し、連絡するのが最も直接的な方法です。

しかし、ベンチャーキャピタルには、同じような考えを持つ起業家からたくさんのアプローチがあるため、連絡しても返答がある確率は高くないかもしれません。ベンチャーキャピタルの中には定期的に面談会などを設定しているところもありますので、積極的に申し込みを行いながら、直接話を聞いてもらえる機会を作っていきましょう。

知り合いから紹介してもらう

友人、知人、取引先、仕事仲間、出身学校など、ベンチャーキャピタルとつながりのある知り合いにいないか探してみましょう。自分と直接のつながりはなくても、知人からの紹介でも問題ありません。その他、商工会議所や、すでにベンチャーキャピタルから出資を受けている経営者などがいるかもしれません。

知り合いを通して紹介してもらう場合は、直接会える確率が個人で連絡をするよりも高くなります。

イベントやコンテストへの参加

起業家支援のためのイベントやコンテストは、一昔前に比べると格段に増えました。こういったイベントやコンテストは、起業家とベンチャーキャピタルが出会う、出会いの場にもなっています。ベンチャーキャピタルの人に出会えるだけでなく、他の起業家に会える点も大きなメリットです。

そして、ピッチコンテンストなどは、優勝や上位に入賞すると、それだけで出資が決まったり、入賞はできなくても、投資家の目にとまれば、結果的に資金調達につながったりする場合もあります。

イベント、コンテストは、ベンチャーキャピタル主催のものや、企業、大学、金融機関、地方自治体など、さまざまな組織が主催で開催しています。情報収集を行い、積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

マッチングサイトを活用する

最近では、M&Aを中心に様々なマッチングサイトがあります。ベンチャーキャピタルとマッチングできるサービスもありますし、様々な投資家とマッチングできるサービスもあります。

こういったサービスを活用することも検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ:起業家はベンチャーキャピタル(VC)からの出資を視野に入れてみよう

ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業やスタートアップ企業などに投資して、Exitした際の値上がり益を収益とするビジネスモデルです。出資だけではなく、役員の派遣やベンチャーキャピタル自身の人脈、販路の紹介など経営資源を活用し、出資先の企業価値を高める活動も行っています。

ベンチャーキャピタルから出資を受けるためには、事業の競争力や技術力、市場の成長性などについてプレゼンを行い十分な理解を得る必要があります。信用力のあるベンチャーキャピタルから出資を受けることができれば、出資を受けたこと自体が外部に対しての信用力にもなるため、今後の事業展開や資金調達において、有利に働く場合もあります。

足元がまだ不安定な事業で生き残るために、成長スピードを何よりも求められるベンチャー企業にとって、ベンチャーキャピタルは大変心強い味方です。人と人とのつながりを大事にしながら、ベンチャーキャピタルと良いパートナーシップを築いていけるよう、参考になれば幸いです。

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