何でも気さくに話してくださり、明るく笑う笑顔が印象的な荒木様は、株式会社Geeekの代表を務める根っからの実業家。大学ご卒業後は医業に従事されるも、法人を立ち上げて多角的に事業を展開し、様々な心境の変化を経て、今回の売却対象となった事業を完成から僅か1ヶ月で譲渡するという異色の経歴の持ち主です。そんなバイタリティ溢れる荒木様の人生観や仕事観を、法人を立ち上げた当初の心境から未来に向けた抱負に関するインタビューを通じてお伺いしてまいりました。
譲渡企業 | |
---|---|
社名 | 株式会社Geeek |
業種 | IT |
拠点 | 東京都 |
譲渡理由 | 選択と集中 |
譲受企業 | |
---|---|
社名 | 株式会社セイビー |
業種 | WEBメディア事業など |
拠点 | 東京都 |
譲受理由 | 新規事業への参入 |
“労働集約型”の医業を営む傍らで、経済性を理由に事業を多角化したのち売却
もとはといえば、お医者様だった荒木様。実に17年もの長きに渡り、医業に従事されていたそうですが、それが労働集約型のビジネスであり、個人のパフォーマンスに大きな制約を受けることから、医業とは異なる事業を展開していく決断をされました。商才に優れ、不動産や有価証券取引など幅広く着手した荒木様。複数の事業を遠隔でコントロールしていくことに限界を感じ、一度は全てを手放したものの、再びご自身の手元に取り戻したのが今から10年前のこと。元来、好奇心や向学心の強いお人柄なのでしょう。今度は、プラットフォームビジネスに着眼し、ひとつのサイトを半年かけて完成させたものの、今回わずか1ヶ月で譲渡するに至ります。
「プラットフォームの構築がひと段落して、転身を考えていた際に手にした本が、ネット上でのM&Aについて書かれた本だったんです。その本で、小規模のM&Aが存在することを知りました。そこから、すぐにバトンズのことを調べて登録しました」とのこと。
「初めは売却希望価格を300万に設定したのですが、2週間で2件しか反響がなくて。そこで価格を200万に変えてみたところ、数時間で30件も問い合わせが来たんです。私にとっては、200万も300万も、そこまで大きな違いに感じられなかったのですが、あまりに反響の大きさが違いすぎて驚きました」とも。
最終的には、現在ファイナンシャルプランナーのサイト等を運営されている株式会社セイビーの岩瀬様を事業継承先としてご選択された荒木様。良い意味で身軽ながらも、確固たるビジョンを持って人生を構築されている荒木様に、そもそも本事業を始められたきっかけや、未来に向けた構想を深堀りさせていただきました。
「生きた証がほしい」と始めたプラットフォームビジネスは、既得権益への挑戦状
前述の通り、非常に優れたビジネスセンスをお持ちの荒木様は、ご自身の投資運用にも成功されており、いわゆる不労働所得で生活が成り立っているそうなのですが、「まるで老後のような生活」に物足りなさを感じ「自分が生きた証が欲しい」と始められたのが、今回の譲渡対象となったプラットフォームビジネスだったそうです。
そんな荒木様が興味を持たれたのは、士業と呼ばれる弁護士や税理士の業界におけるカスタマ・マッチング。なぜ、士業に着目されたのか、その理由をお伺いすると「彼らが身をおく領域は、“法律”という深い専門知識を必要とするので、素人にとっては非常に踏み込みにくいと感じていました。ですが、良くも悪くも法律に縛られているため、言葉は悪いかもしれませんが、業務そのものに特別な創造性は多くないと思っていました。創造性は発揮できない、という方が正しいのかもしれません。そして、スタートからゴールまでの道のりは、既に決められている場合が殆どです。ですが、これを明らかにすることなく利益を得ようとしている士業が多いと常々感じていて。まぁ、医者も同じようなものなのかもしれませんが…」とのこと。
「そして、こういう既得権益を壊してやりたい、という気持ちを強く持っていたんです。もちろん、業界の中には、変革を起こそうとしている弁護士さんや税理士さんもいるようですが、自分のような第三者の人間が壊す方が、早くて簡単だろうと思ったんです」とも。
でも、そうなると士業の方々をプラットフォームに呼んでくるのが難しいのではないかと思い、さらにお話を伺っていくと「先ほども申し上げた通り、この領域はサービスに明確な個人差が生まれにくい領域です。だからこそ、自分がどんな人間なのか、どんなパーソナリティを持っているのかが非常に重要だと思います。医者も同じですよね。例えば、風邪気味で医者に診てもらう時、提供されるサービスは大きく変わりません。検温して血圧を測って、触診されて、薬を処方してもらうだけ。であれば、満足度は何で決まるのか。それは、親身になってくれるか、丁寧に説明してくれるかで、決まることが多いでしょう。士業においても、そういったパーソナリティの部分が大事なのですが、それをアピールする場は多くありません。そんな彼らの不便さを解消するためにも、このプラットフォームは非常に役立つものだったんです」とのこと。
金銭授与のない世界で、至高の充実感を求めて新たなスタートを切る
そんな荒木様ですが、プラットフォームを半年かけて完成させたのち、わずか1ヶ月で譲渡へと踏み切ります。せっかく苦労して立ち上げたサイトをスピード譲渡した真意をお伺いすると「そもそも、法人を立ち上げて事業の多角化に取り組み始めたのは、“労働集約型の限界”という経済性の理由からでした。ですが、その後、一度築き上げた事業を売却して、再び全てを引き上げたのは、経済性というよりは、人生の充実感や達成感を得たいという精神性の理由からでした。だから、このプラットフォームも当初は無料でやるつもりだったんです。その方が広がりも早いだろうし、金銭授受の無い方が本質的なやりとりができると思っていたので。そして、その方が既得権益を壊す手段としてのプラットフォームらしいスタイルだとも思いました。ですが、サイトが整備されていくにつれて、もっともっと金銭が絡まない世界に身を投じた方が、より高いレベルでの充実感を得られるんじゃないかと考えるようになりました。サイトは既に完成しているので、管理するだけならば自分でなくてもいいのではないかとも思いました」とのこと。
金銭が絡まない世界とは、具体的にはどのような世界なのかを重ねて伺うと「あまり明確にビジョンが出来ていないのですが、ボランティアですかね。多くのボランティアは、自分が投じたサービスの価値が遠い未来で決まります。私は、サービスが提供されてから価値が決まるまでの時間が長ければ長いほど、そのサービスの価値は大きくなると考えています。例えば、たった10分で終わる床屋と、2時間かける床屋の提供するサービス価値は違います。だったら、例えば植林のように10年20年かけて価値を享受できるボランティア活動は、とても意義がある営みなのではないかと考えています。まだ具体性はないですが、次はそんな生き方をしたいと思っているんですよ」と笑う荒木様は、ご自身の才能を生かして、世のため人のために何かしたい、という高い志を持たれた、素敵な実業家でいらっしゃいました。
荒木様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!
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