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セルフネイル市場の立役者、異業種の社長と再起を目指す

2021年10月13日

実店舗販売では直営店10店舗、フランチャイズ6店舗を展開するネイル用品製造販売会社である株式会社ルーティア(http://rootia.jp/)。千葉県に本社を置く、日本におけるネイル業界の先駆者とも言える企業を2021年9月に会社譲渡された小山様に、お話を伺いました。

新規事業としてのネイル事業。「爪、マニキュア塗ります」から生まれた一号店。

株式会社ルーティアの親会社は、経営コンサルティングを営んでいる企業でした。その中で新規事業の一環として、ネイル用品の輸入と通販を始めたのが現在の事業に携わっていったきっかけです。「ネイルサロン向けの卸売りだけでなく、個人向けにネイル用品を販売していったら売れるのではないか。日本人は器用だから、絶対セルフネイルが流行る。」2000年代初頭にこの発想は極めて先進的でした。当時のネイリスト協会はそもそもジェルネイルを重視しておらず、主流はアクリルのスカルプチュア。一般的にはマニキュアが使われていました。まずは通販で一般向けのネイル用品の販売を始め、その2年後くらいに初めての店舗を出されたそうです。当時、看板に書いたのは「爪、マニキュア塗ります」という文字だったといいます。

​​そんな小山様、元々日常的にネイルをしている、というわけではなかったそうです。事業を始めたことをきっかけに自分でもセルフネイルをやってみて「爪もすっぴんではいられなくなりました。慣れれば日常になるんですよね。みんな、ちょっと塗ったらすぐハマりますよ。」と弾んだお声でお話いただきました。小山様が、セルフネイルを広げていきたいという情熱は、自身のネイルに惹かれる気持ちが原動力になっているんですね。

そんな株式会社ルーティアの店舗では、まずはお客様にネイルの施術を手軽な金額で提供されているそうです。単色のジェルネイルで1,000円、少しストーンが乗ったビジューネイルで2,000円くらいの価格が中心で、2~3回施術をしたところで必ずセルフネイルをスタートできるセットを紹介されています。ジェルネイルはスカルプチュアと比べて、扱いが比較的簡単なので、数回自分が施術してもらってセットを買えば自分でもすぐにできるようになります。ネイリストではない一般の方に、ジェルの使い方の説明書をつけてセット販売を始めたのは株式会社ルーティアが日本で初めてでした。

個人向けネイル用品販売のパイオニアとして荒波に揉まれながらも市場を拡大

ネルパラ・ネイルカウンター

順風満帆に業界の先駆者として会社を成長させてきたかのように見える小山様ですが、社長に就任したばかりのタイミングでまず最初に始めたのは肥大化していた経営資源の整理でした。小山様の前に代表を務めていた方は、会社は大きくなるべきだという考えをお持ちの方だったそうで、中国に工場を作って大幅に人員を増やしたりとてもダイナミックな経営をされていたそうです。しかし中国の人件費や家賃の高騰が原因で工場を閉鎖するなど、まずは経営を健全化させる必要がある、と考えられ、かなり時間がかかったものの適切な経営資源の配分を意識して事業の整理を行われました。その後、会社は順調に成長。しかし2020年、小山様に次の試練が降りかかります。

株式会社ルーティアは、新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて10店舗あった直営店の営業を商業施設にあわせて全て休止しました。社員10名、パートアルバイト65名。人件費や家賃の維持費はかかっていくけど売上は一切入って来ない悲劇に見舞われます。それでもなんとか会社としての蓄えを切り崩して社員を養っていましたが、2021年6月、ついに小山様は「ここからは秒読みだな」と覚悟を決められました。

最初は弁護士へ相談しました。会社を畳むのにどれくらいの費用かかるのか。不安な気持ちの小山様へ突きつけられた金額は、4~500万円という決して安くはない金額でした。

一か八か、M&Aか。

最近、テレビや新聞を賑わせるM&A。まずはネットでとにかく色々なサイトを検索していきました。その中で最後に小山様が選んだのはバトンズ。選んだ理由は「商売っけがあるから」だそうです。小山様のおっしゃる商売っけとは、経営方針や人となりが感じ取れて、最後まで面倒を見てくれそうな雰囲気なところ。すぐにバトンズで電話をかけ、早速バトンズの担当者との面談が決まりました。

予想外のプランを提示!?経営パートナーとの奇跡的な出会い

バトンズはWebサービスではあるものの、バトンズの担当者とWebで面談する機会を設けているので人となりを感じることができ、とても安心ができたとおっしゃっていただきました。また、M&A支援専門家である大河原雄剛経営経理研究所の大河原雄剛様を紹介され、初めての顔合わせにも同席してもらえたことも信頼につながったとおっしゃっていただきました。初めてのM&Aは誰でも不安なもの。大河原様との面談の中で小山様は尋ねます。「資金繰りは行き詰まっているし、人件費も多くかかっています。それでも売れますか?」これは小山様の心からこぼれ落ちた一言でした。大河原様は少年のような笑顔で一言、力強く「いけると思います、がんばりましょう。」と答えられたそうです。スッと心が軽くなった小山様。「私より若いのに頑張るって言ってる!一緒に頑張ってみよう!」そこから、小山様の事業承継に向けた本格的な活動が始まりました。

ネットM&Aの特性上、問い合わせはすぐに複数入りました。しかし、美容業界は実名を開示しない状態で、全てお断りされていたそうです。理由は「狭い業界だから」。M&Aで一番注意しなければいけないのは情報流出。もし業界に株式会社ルーティアが売却される、などと噂が回ってしまったら、取引先との関係が切れてしまう可能性もあります。そのため、面談はインターネット事業を営む企業と不動産事業を営む企業の2社へ絞られたそうです。

そのうち1件が今回の買い手となった有限会社丸京の柏崎様。第一印象は一言で表現すると「変な人」だったそうです。人となりは情が深い方で好印象を感じたそうですが、面談の中で自身の事業について夢を語られたり、麦茶の氷をバリバリ食べて「これはおいしい!高い氷だ。会社のと全然違う」と言ったり。引き継ぎ後は引退を考えていた小山様に「残って一緒に会社を立て直しましょう。数年後にはその立て直した会社を小山様のご子息とご息女に譲ってもいい。」と、小山様が思ってもいなかったプランを提示されたそうです。

M&A後の社内は、新しいことが始まるワクワクでいっぱい!

後列左:柏﨑様 前左:小山様

経営者として突飛なところはありつつも、類稀なるリーダーシップと気概を持った柏崎様。いざ小山様が柏崎様への引き継ぎを決めて、初めて柏崎様が小山様のお子さん達と顔を合わせた折にも「負債を減らして経営の立て直しが終わった時に、分社化して会社を買い戻していいぞ!」ときっぱりと言い放たれたそうです。なかなかそんな器の大きな経営者はいませんよね。小山様も、今回のM&Aを通してとても素敵な出会いと学びをいただいたとおっしゃっていました。

すでに柏崎様は経営に参画されており、小山様、柏崎様、小山様の2名のご息女とご子息、商品部の男性社員の6名でグループチャットを組まれているとのこと。そこでは日常的に事業についてのやりとりが生まれており、小山様もお子さん方の出すアイディアなどを見て「私より商売上手なんじゃないの」と新しい気付きがあったとおっしゃっていました。

従業員にもすでに会社の引き継ぎについて話してはいるものの、動揺が生まれることはなく、むしろみんな安心されているとのこと。小山様が続投されることに加え、スピード感があり物事を即決していく柏崎様の参画により、むしろワクワクした機運が社内を満たしているそうです。

株式会社ルーティアの、再起をかけたチャレンジが始まります。

この案件を担当した大河原雄剛経営経理研究所の紹介ページ

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