昨年まではサラリーマン、現在はEC事業で成功を収める若手実業家。わずか1年足らずでキャリアの大転換を果たし、次のステップへと進むために事業の一部を譲渡することで経営の選択と集中を実現させたのが、株式会社Japan Standard の内山様です。稀に見るスピードで事業を拡大させてきたことなど良い意味で感じさせない、気さくで穏やかな雰囲気の内山様。そんな内山様は、ご自身のM&Aというものをどう考え、そこから何を得られたのか、お話を伺ってまいりました。
脱サラ後、わずか数ヶ月で株式会社化!選択と集中のために事業の一部を譲渡
高校生の頃から起業精神は持っていたものの、先立つ資金もないまま踏み切れず、大学卒業後はサラリーマンという進路を選んだ内山様は「今やっていることは、自分が本当にやりたいことではないんじゃないか?」という気持ちが常にあったそうです。昨年一念発起して会社を退職。たった独りで始めた輸入販売事業を、わずか数ヶ月で株式会社化するまでに成長させました。
実は、事業をスタートしてまもなく、一部の決済システムが使えなくなるというEC事業にとって致命的なトラブルに見舞われたという内山様。これから家族をどう養っていけばいいのか、その時は本当に悩み苦しまれたそうです。
そこからの数ヶ月間は、あまり記憶がないくらいがむしゃらに働いて、最終的には事業の主軸を切り替えることで危機を乗り越えることができ、現在に至るとのこと。その後は海外メーカーからの提携オファーが順調に増え、ついには事業の一部を精査しなければならないほどになったのだそうです。
こうした経緯を経て、今回の譲渡対象として選ばれたのは、 “アボカド栽培キット”の輸入販売事業。アメリカに本社を構え、中国の工場で製造を行っているメーカーが提携先だそうで、内山様が初めて海外から契約を取り付けたという思い入れの深い案件とのこと。
一番苦しかった時期を共に駆け抜けたパートナーということもあり、事業譲渡の話を先方担当者に話した時には驚かれたそうですが、現状を率直に伝え、自分が抱えて手が回らないままよりは、この事業だけに注力できる誰かに変わった方が、先方にとっても最終的に良い結果になるということを熱心に伝えたことで、スムーズな引き継ぎが叶ったとのことでした。
26件の問合わせ中、最も熱量が高かった相手に継承
そんな内山様が、総数26件にも及ぶ問い合わせの中から、ご自身の後継として選ばれたのは、現在も大手企業にご勤務の三宅様。やりとりをしていく中で1番最初に独占契約の申し出があり、明らかに他の候補者とは異なる本気度と熱量が印象的だったそうです。
「もともと、何年後かには誰かに譲渡するだろうと思って事業を立ち上げましたが、想定以上のスピードで事業が拡大していって、このアボカド事業に費やす時間がどうしても作れず、このタイミングでM&Aという決断を下しました。
だからこそ、自分の手を離れた後も、熱意を持って事業を育ててくれる誰かに託したいと思っていました。三宅さんに対面でお会いして、事業計画・運営方法の詳細を確かめていく中で、この人であれば安心して任せることができると思えたんです。」とのこと。
他にも個人から法人まで、そして同業者から全く異なる業界の従事者まで幅広い方面から問い合わせが来たそうで、いろんな方々のお話を聞くにつけ、このコロナ禍で他の事業の芽を育てたいと思っている企業や、リスクヘッジのために副業として何かを始めたいと考えている個人が多く存在することを同時に実感されたとも。
自力で成し遂げた初めてのM&Aは、今後に生かせる学びの宝庫
今回のM&Aは内山様にとって初めてのご経験。それにもかかわらず、特にアドバイザーを立てずに最後までご自身でやり遂げた内山様に、実際、どのように進められたのかをお伺いすると「まずは相場を調べるために、手軽そうなネット系のM&A仲介会社に登録しました。正直、大手のM&A会社は規模が大きい案件しか受け付けてくれないだろうと思いましたし、手数料も高い印象があったので。
バトンズは、M&Aに関する知識を得られるようなコラムもあったりして、流れを掴むのに役に立ちました。合意書や契約書も全て揃っていて、気軽にダウンロードして使えるのも助かりました。“とりあえず、始めてみよう”という気持ちで登録したら、全国から興味を持って問い合わせてくれる方々が集まってきて、事業買収を検討されている方々と直接コミュニケーションを取りながら進められたので、特段、つまずくことはありませんでした。
敢えて大変だったことを挙げるなら、海外メーカーを巻き込んで調整しなければならなかったので、国を跨いでの契約調整や業務分掌の確認などが大変でした」とのこと。
「M&Aと聞くと、ハードルが高そうな、難しそうな印象を持つ方も多いかと思いますが、実際にやってみると、売り手と買い手の双方、そしてパートナーにもより良い結果が生まれるものだと思います」とも。
そんな内山様に今後の展望をお伺いすると、「EC事業も楽しいのですが、次は何か他のことをやりたいと思っているんです。実は犬が大好きで、来年の後半には犬のトリミングサロンを開きたいと思っています。そのために、既に6月からトリマーのオンライン講習を受けているんですよ」という、驚きの答えが返ってまいりました。
オンラインの事業からリアル店舗の事業へと、まさに180度の方向転換を試みるバイタリティの高さや、多くの逆境を乗り越えてきた膨大なエネルギーは、いったいどこから湧いてくるのか。大変興味深かったので、そのパワーの源を最後にお伺いすると「世界中には、自分よりも大変な経験をしている人が多くいます。例えば、ニュースでアフガニスタンの情勢を聞き、空港から必死で出国しようとしている人たちを見ると、自分は日本に生まれて、平和に育てられているんだな、と感じるんです。
だから、そんな自分が抱える悩みなんて小さなもので、こうして恵まれているのだから頑張らないといけない、そう思うんです」とのこと。常に目の前の壁を突破しようとする胆力の源が、大局観に基づく謙虚な姿勢からくるものだと知り、改めて驚かされました。
内山様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!
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