「株式会社横浜食品サービス」の河野様は、福島県内で建設業を営む買い手へ、パプリカ・レタス・ほうれん草などを生産する子会社である「有限会社はなわふれあい農園」を株式譲渡しました。
譲渡理由は、集中と選択。約20年育てた事業の引継ぎ手探しを開始。
「株式会社横浜食品サービス」の子会社である、「有限会社はなわふれあい農園」は、福島県東白川郡塙町でパプリカ・レタス・ほうれん草などを生産している企業です。元々はパプリカではなくフルーツトマトの生産を行っていました。
しかし、20年ほど前に河野様が「有限会社はなわふれあい農園」の代表となられてからは、1キロあたりの単価が高く、当時は国内の生産数が少なくて競合企業が少なかったパプリカの生産へ舵を切りました。
施設は主に通年でパプリカを生産する暖房機があるエリアと、夏場はパプリカ、冬場はレタス・ほうれん草などを生産する暖房機がないエリアに分かれています。「株式会社横浜食品サービス」が主力事業である鮮魚事業に特化していくための<選択と集中>戦略の一環としてM&Aでの譲渡を検討されるようになり、3~4年前から子会社譲渡に向けて活動を開始されていたそうです。
当初、河野様は取引のあった銀行に相談されました。しかし譲渡希望価格が比較的小規模であったため、アドバイザー業務を依頼するには手数料が見合わず、お相手探しのみをお願いすることになりました。相談を進めていく中で、買い手を探す手段の1つとして銀行からご紹介があり、バトンズへの登録を検討されました。
アドバイザーのスピード対応により、1ヶ月かからずM&Aに成功!
バトンズに登録してすぐ、バトンズのカスタマーソリューションチームと面談された河野様。アドバイザーに希望する条件として、仲介料が200万円以内・手付金20万円程度・福島の事務所であること、の3つを伝えると税理士法人三部会計事務所の三部志清様をバトンズより紹介されました。三部様は河野様との面談した翌週すぐに今回の買い手を紹介してくれたそうです。
買い手は福島県内の建設業の経営者で、御子息に会社を承継したばかりの方でした。新規事業として農業を営みたいという強い意向があり、福島県内ということもあって1ヶ月もかからず全ての手続きを完了させることができたそうです。
これまでも3~4年かけて様々な買い手と面談されてきたそうですが、決め手は福島県内の事業者であることと購入意思の強さ、従業員を継続雇用してくれることの3点であったといいます。
従業員には最終契約の前日にM&Aについて伝えました。建設業を営んできた社長ということもあり、異業界の方が上司なるので不安の声はあったそうです。しかし、河野様がしばらく残って引き継ぐということと、作る作物が変わらないことを説明して安心していただけたとのこと。
今回は異業種への会社譲渡ということもあり、従業員により慎重な説明が求められたのではないかと思いますが、河野様の丁寧な対応により上手く従業員を引き継がれた事例となりました。
売り手目線で考える、農業の事業買収を成功させるメソッドとは
近年注目を集めつつある農業のM&A。最新の設備やロボット、AIや情報通信技術(ICT)等の先端技術を活用して省力化や精密化、高品質生産等を目指す農場経営は「スマート農業」と呼ばれています。
今回実際にM&Aで農業を営む企業を売却された河野様に、これから農業の事業買収を成功させるためのポイントを教えていただきました。
農業は、事業自体が小さくても設備投資金額が大きく、すぐに利益を出すのが難しい産業になります。河野様が買い手を探される中で面談した相手方の中にも、電機メーカーのような将来を見据えて事業を考えている会社が多かったとのこと。お話を伺う中で、長期的な視野で収益化を考える必要がある業種だということが分かりました。
また、もし個人の方が家族ぐるみで運営していくようであれば観光農園のような経営の仕方も有効だそうです。季節の果物や野菜を収穫して持ち帰ってもらうような体験型のビジネスは利益率も高く、観光ビジネスやイベント運営のノウハウを持った方であれば上手く事業を組み立てていけそうですね。
経営者の高齢化や担い手不足が深刻な農業。バトンズは、1社でも多く価値ある事業と食文化を次世代へつないでいけるように応援していきたいと思います。
この案件を担当したM&Aアドバイザー、税理士法人三部会計事務所の紹介ページ
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