富山県で50年以上、森林の管理や特殊伐採事業を営まれてきた株式会社鶴巻育林サービス代表の鶴巻様は、2020年秋、薪ストーブの販売事業を行う買い手様に事業承継されました。第三者に会社譲渡されたことで、長年培ってきた事業を後世に残すことができ、従業員の雇用と取引先との関係も引き続き継続されることとなりました。
バトンズ掲載後、直ぐにマッチングしたのは希望していた既存取引先
鶴巻様がM&Aを検討されるようになったのは後継者不在がきっかけでした。ご自身も高齢になり、社内から後継者を見つけようとしたこともあったそうですが、経営を任せられる人材が見つからず、最終的にバトンズにご相談されることになりました。
「以前は従業員の中で後継者を探そうとした時期もありましたが、適当な人材が見つからず、昔からの得意先に譲渡できないか等、色々と考えていました。しかし、できるだけ早期に事業承継を行うべく、バトンズに相談しM&Aアドバイザーにもお相手を探してもらうことにしました」。
当初、鶴巻様は理想の買い手として既存のお取引先を期待していました。そこで早速、バトンズに案件掲載しお相手探しを始めてみると、間も無くしてマッチングしたのは、なんと近隣のお取引先である法人買い手様でした。
「当社の事業に非常に興味を示してくれ、前から買い手企業の代表のこともある程度知っていましたから、安心感がありスムーズに交渉を進めていくことができました」。
鶴巻様の希望通り、取引先であり事業についても全くの未経験ではないお相手とのマッチングが成立したことで、この買い手様なら任せられるだろうと交渉を進めることを決心されたそうです。
お互い繁忙期が異なる為、問題なく事業を引き継いでくれると判断
山仕事の繁忙期は春から初冬にかけてです。暖かいうちに森に入り、害獣が増えないように森林を整備し、木々が育ちやすい環境に整えていきます。一方で、マッチングしたお相手は薪ストーブやペレットストーブの販売やメンテナンスをする会社で、寒くなる秋から春分の日頃にかけて忙しくなります。
実は、鶴巻育林サービスが多忙なシーズンは、買い手企業がオフシーズンになる為、以前から夏は山や河川で草刈りなどのお手伝いをされていました。
「買い手企業は前から草刈りを手伝ってくれていて、山仕事をした後に出てくる廃材を薪ストーブの燃料として買い取ってくれていました。お互いに多忙な時期が重ならないので、こちらの仕事もバランスよく引き継いでくれるのではないかと思っています」と鶴巻様。
今後は会社として統合することで、お互いの事業に更に相乗効果を期待できる素晴らしい組み合わせになったのでした。
交渉中はコロナ禍だったこともあり成約時期が当初より延びてしまいましたが、M&Aアドバイザーが必要な契約書等を取りまとめ、無事、譲渡契約を交わすことができました。
本来であれば、全従業員を集めてM&Aを行ったことを周知したかったと鶴巻様は話されますが、コロナを懸念しなかなか全員を集めることができなかった為、個人的に従業員の皆さんにM&Aを行ったことを伝えられました。鶴巻育林サービスで勤務していた従業員11名は全員、買い手企業の元でこれまで通り働かれています。鶴巻様も、健康のため時々現場に出ていらっしゃるのだそうです。
「従業員達に開示するタイミングで反対されることがなかったのでよかったです。彼らは20年以上のベテランですが高齢でもあり、あと2~3年もすると交代すると思います。買い手さんには後進を養成していく必要があることを伝えています」。
「M&A後は会社を経営しなければいけないという責任がなくなったので、気持ちの面ではとても楽になりました」と鶴巻様。
買い手様の元で富山の森林を守る事業が承継され、今後益々発展されることをバトンズ一同祈念しております。
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