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【2020年版】事業承継税制の概要や更新内容を徹底解説!

2020年10月12日

優良な中小企業の廃業を防ぐために、行政は事業承継補助金や公庫の融資といった様々な支援策を講じています。その中でも、事業承継を検討する上でぜひ活用していただきたいのが「事業承継税制」という制度。条件を満たせば、贈与税や相続税が非課税になり、事業承継で大きなネックとなっていた重い税負担から解放されます。事業承継税制について、2020年の最新情報を交えて専門家が詳しく解説します。

事業承継税制とは

事業承継税制とは、中小企業庁が推進する「経営承継円滑化法」の柱となる税制を緩和する政策の一つです。事業を営む法人と個人に適用される制度で、認可されれば事業承継時にかかる贈与税や相続税の納付が猶予されます。

また、承継後も経営上の条件をクリアしていれば猶予期間が延長されたり、税負担が免除されたりといったメリットがあるため、事業承継を検討する際にはぜひ活用していただきたい制度です。

 

事業承継時に活用できる節税制度

事業承継税制は、事業承継を行う法人や個人に適用されます。事業承継まわりの法令は状況に合わせて細かく改正が繰り返されており、事業承継税制についても、2018年に大幅な改正が行われました。

改正以前は「猶予される株式数は発行済株式の2/3まで」、「相続税の猶予割合は80%まで」といった定めがありましたが、改正後は発行済株式の100%が猶予対象となり、相続税の猶予割合も100%に変更されました。つまり、条件を満たせば事業承継時に支払う贈与税や相続税を0円にできる制度なのです。

事業承継はコスト的にも経営に大きな負担をかけやすく、その中で生じる多額の贈与税や相続税といった負担は、事業承継が進まない一因となっていました。税負担が軽減されれば、承継後の経営に集中できますし、事業承継に取り組む意欲も向上します。実際に、事業承継税制を活用しながら事業承継に取り組む企業は増加しており、今後もさらに活用されていく制度と考えられます。

条件を満たせば贈与税や相続税が0円に

事業承継時に税負担をスルーできる、というだけでも事業承継税制は魅力的な制度ではありますが、メリットはそれだけではありません。事業承継税制によって猶予された贈与税や相続税の支払いは、承継後に課される経営の条件をクリアすれば、猶予期間を無期限に延長できます。

大まかな条件としては、「承継後5年間は毎年納税猶予の届け出を行うこと」というものや、「承継後5年間の雇用を平均して、8割を切っていた場合は理由等をまとめた書面の提出や認定経営革新等支援機関からのアドバイスを受けること」などが挙げられます。

5年が経過すると比較的緩やかな条件に切り替わりますが、猶予期間である、という前提があるので、3年ごとに納税猶予の申請を行わなければなりません。

また、事業承継によって経営者となった後継者が死亡したり、別の誰かに事業承継を行って経営者を退いたりした場合、納税猶予の権利は失われます。

その場合は猶予していた贈与税、相続税を支払うか、新たに納税猶予をスタートするか選ぶことになりますが、新たな後継者が事業承継税制を使って納税を猶予してもらうこともできるため、実質的な贈与税や相続税の負担は0円のまま、事業承継を果たすことができるという仕組みです。

 

申請には様々な認定や手続きが必要

事業承継税制を活用するには、事前に認定や手続きをクリアしている必要があります。ここからは、大まかな流れと必要になる認定や手続きについて見ていきましょう。

特例承継計画を策定し都道府県へ提出

まずは特例承認計画という計画書を作成し、都道府県庁へ提出します。

特例承認計画には事業承継計画を記載します。事業承継計画が企業の実態に即しているか、内容はふさわしいものか、という点について、認定経営革新等支援機関からの指導や助言を受ける必要があるため、お近くの認定経営革新等支援機関へ相談してみるのが良いでしょう。

株式等の贈与前に計画を策定するのが一般的ですが、先に株式の移譲を済ませていたとしても問題はありません。その場合は、都道府県知事への認定申請前に特例承認計画を作成しておきましょう。

都道府県知事へ認定申請を行う

作成した特例承認計画と申請書を都道府県知事へ提出し、事業承継税制の利用を申請します。無事に認定されれば事業承継税制が適用されます。

税務署への申告

贈与税の申告書を税務署へ提出します。その際に都道府県知事からの認定書の写しを添付することで、事業承継税制が適用されます。また、別に相続時精算課税制度の適用を受ける場合はその旨を記載しておきましょう。

都道府県へ年次報告書を提出

事業承継税制によって納税猶予が始まったら、始めの5年間は、毎年、都道府県庁へ年次報告書を、税務署には継続届出書を提出しなければなりません。

5年が経過したら、3年に1度のペースで税務署へ継続届出書を提出し、納税猶予を継続する旨を伝えましょう

参考:法人版事業承継税制丨中小企業庁

 

2020年度の更新内容について

2020年度の税制改正では、事業承継に関連する以下の内容について以下の変更点が盛り込まれています。

連結納税制度の見直し

事業再編やグループ経営を後押しすべく、連結グループへ加入する際の時価評価課税や繰越欠損金切り捨ての対象を縮小した上で、既に緩和している研究開発税制や外国税額控除といった既存の税制措置を堅持するとしています。

株価を対価としたM&Aの円滑化

株式を対価としてM&Aを行う場合は、譲渡企業の株主が受け取る「株式譲渡益」について、課税繰り延べ措置を講ずるとしています。これは、税金が課税される時期を先延ばしすることが可能になるということです。

親族以外の第三者による事業承継の促進

法人版事業承継税制の拡充や個人版事業承継税制の創設に続く第3弾の措置として、後継者不在の中小企業が株式や事業を譲渡したり、M&Aを通して第三者へ事業承継を行ったりすることを促進する措置を講ずる、としています。

これは、事業承継の分野でいま注目を集めている「事業承継型M&A」と呼ばれる形態です。いわゆるM&Aの形態を事業承継に応用し、優良な中小企業を次世代へ残すためにM&Aをもっと普及させよう、という動きが活発になっているのです。

引用:令和2年度税制改正に関する経済産業省要望のポイント丨経済産業省

 

他にも、中小M&Aガイドラインが策定されるなど、第三者への事業承継はこれからさらに潮流に乗っていくことが予想されます。第三者承継(事業承継型M&A)という手法も含めて、広く「事業承継」を捉えることで、残すべき企業を存続させるための活路が見えてくるのではないでしょうか。

 

事業承継税制を活用して会社の発展を目指す

事業承継税制は、事業承継に取り組む方に積極的に活用していただきたい制度のひとつです。ボトルネックとなっていた税負担が緩和されるだけでなく、事業承継計画を専門家の目からチェックしてもらえる機会も得られます。

事業承継税制を活用して、一人で悩むことなく、官民とも連携して事業の存続に向き合っていきましょう。

 

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