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M&Aで押さえておきたいLOIって?ネットのM&A台頭で活用シーンも変化している

2020年09月16日

M&Aでは一度の契約で最終合意に至るケースは少なく、段階を踏み、一歩ずつ着地点を探しながら最終合意に向けて協議と契約を重ねていきます。そのステップの一つがLOI(Letter Of Intent)です。日本語では意向表明書と訳され、M&Aスキームや役職員の待遇といった基本的な概要について合意し、お互いの意向を表明する段階で取り交わされます。法的拘束力を持つものや、基本的な概要の決定に留まるものなど種類があるので、M&Aを検討している方はぜひ詳しく理解しておきましょう。

 

LOIとはどのような契約書類なのか

LOIはM&Aで交わす書面のうちの一つです。最終合意に向けて、M&Aの基本的な事柄を記載し、売り手と買い手のお互いが合意したことを証明します。

LOIが契約の終盤で交わされる場合はかなり具体的に、最終合意に近い内容でLOIを交わすこともありますが、契約の序盤に交わされる場合はその後の交渉で合意内容が変更されることも鑑みてあっさりとした内容でLOIを交わすこともあります。

 

LOIに書く内容とは?

基本的には、その時点で想定しているM&Aのスキームや役員・従業員の待遇、対価を支払うタイイング、デューデリジェンスの期間などを記載することが多いですが、中には法的拘束力を持つ事項についても記載されることがあります。

法的拘束力を持つ事項というのは、独占交渉権や秘密保持義務、裁判管轄などの条項です。これらが盛り込まれるケースも少なくないので、意向表明書の取り扱いには注意しなければなりません。

 

LOIに法的拘束力はあるのか

意向表明書そのものに法的な拘束力はありませんが、先述したように義務や権利についての記載が盛り込まれている場合は法的拘束力が含まれます。

よくあるケースとしては、M&Aの独占交渉権の記載です。独占交渉権とは、M&Aの買い手が「今後は売り手企業のM&Aにおいて、自社だけが交渉できる権利」と言い換えられます。買い手にとってみれば、競争が起こらないため独占交渉権を手に入れたいため、意向表明書に独占交渉権の記載が含まれることも往々にしてあります。

独占交渉権についての記載があるLOIを締結すると、売り手はLOIを交わした買い手以外と交渉する権利を失います。そうした意味では、法的拘束力を持つLOIは存在するでしょう。

 

LOIに法的拘束力を持たせたい買い手と持たせたくない売り手

LOIの捉え方は、買い手と売り手で少々異なります。先ほど紹介したように、買い手は他の買い手候補との競争によって譲渡金額が釣り上がって欲しくはありません。つまり、独占交渉権を手に入れて自社が求める条件での契約締結を望んでいます。

反対に、売り手企業からすれば独占交渉権を与えることはひとつのリスクとも考えられます。入札競争が起きないので譲渡金額や条件の向上が見込めないので、意向表明書の時点で独占交渉権を渡すことは避けたいと考えるのです。また、売り手企業はデューデリジェンスによって自社の機密情報を開示することにもつながるため、意欲的でない買い手企業と意向表明書を交わしてデューデリジェンスの取り決めを行いたくはありません。

売り手企業から見れば、意向表明書は「貴社とのM&Aにかなり意欲的ですよ」という買い手企業の意思表示の役割も持っているのです。

こうした両社の思惑がある上で、M&A上の様々な取り決めについての基本的な事柄について条件を取り決めて、場合によっては独占交渉権の付与についても交渉を行うのが、LOIの役割です。

ちなみに、大手M&A仲介会社はこの意向表明書を交わすタイミングで中間金をもらうケースが多く、M&Aの手続きにおいても中間地点であると考えられます。

 

M&Aを行う際にどのタイミングでLOIを差し入れるのか

LOIを交わすタイミングは、譲渡金額や大枠の条件が定まったタイミングであることが一般的です。トップ面談を終えて双方が大枠に合意した上で「これをたたき台にして、本格的な条件交渉に移りますよ」というサインとしての意味合いも含んでいます。

また、法的拘束力がないケースも多く、M&Aの案件によってはLOIを交わさずにM&Aを完了するケースも散見されています。

 

上場企業におけるLOIの注意点

LOIの締結を上場企業が行う場合は注意が必要です。LOIを締結することが金融商品取引所に規定されている適時開示義務に該当する可能性があります。

一般的には、詳しい取引内容の決定ではないので、開示する必要はないとも考えられるのですが、法的拘束力が付与されていたり、取引が実行される可能性が高かったりする場合は開示義務があるとみなされてしまいます。

株主への開示義務についても注意した上でLOIを取り扱うようにしましょう。

 

ネットによるM&Aの台頭でLOIの活用シーンに変化が

売り手企業は、複数の買い手候補と交渉を進める上で、意向表明書をもとに交渉相手を選別し、より理想に近い条件を提示してくれた企業と本格的な交渉をスタートしていきます。そのため、LOIは複数の買い手企業と交渉を進める際に、売り手企業が交渉相手を選ぶために提出してもらう書類とも考えられます。

もし、交渉相手が1社だけであれば、独占交渉権は必要なくなりますし、意向表明書を省略してもM&Aを行う上で支障はありません。

また、ネットでM&Aを完了させるケースも増えていますが、そうした場合もLOIを省略することが多くなっています。

そもそもLOIは基本的な条項に合意した段階で交わす文書ですが、その本質は「買い手と売り手の間にある情報格差を埋めるための手続き」の一つとも考えられます。例えば、売り手企業にしか分からない経営上の瑕疵やリスクを買い手企業が発見するために「デューデリジェンスを行う権利」について明記している、という背景も存在します。

しかし、ネットでのM&Aにおいては従来のM&Aに比べて遥かに情報へアクセスしやすくなっており、以前のような情報格差が生まれにくくなっています。情報の検索や開示がしやすくなったため、お互いに合意していればLOIを省略しても支障がないケースが増えてきているのです。

こうしたネットM&Aの普及による変化で、売り手企業や買い手企業がM&Aに対して求めるものも変化してきています。すなわち、M&A完了までのスピードを重視する企業が増加しているのです。ネットを活用することで手続きの効率が向上したことも含めて、オンラインでのM&Aは従来に比べてすばやく契約を締結できるようになりました。

とはいえ、LOIにも法的効力を持つ交渉独占権の記載など意味のある内容が含まれています。中小企業でも規模の大きな企業がネットでM&Aを行うのであれば、LOIはしかるべきステップとして有効です。しかし、中小企業のほとんどはLOIを交わす必要性が高くないともいえます。LOIは、企業の規模や取引の形態など、M&Aのケースに応じて活用していきましょう。

 

LOIを理解してM&Aの交渉を進めよう

LOIはM&Aの基本的な内容に合意した、というタイミングで交わされる書面でもあるので、基本合意書と同一に扱われることもあります。意向表明書も基本合意書も、買い手や売り手企業がスムーズに交渉を進めていくために必要な手続きですが、オンラインのM&AではLOIを省略するケースも増加しています。

LOIは、オンラインという特性を活かしつつ、スピード感のあるM&Aを行う上では不要になることもしばしば。バトンズではその点も踏まえて、業界一のノウハウを駆使して築いてきた実績と豊富な事例を照らし合わせながら、迅速に最良の結果に向けて尽力しています。M&Aをご検討中の方はぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

 

 

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