TOPM&A記事・コラム事業承継・M&Aトピックス民事再生法?破産?私的整理?廃業を考えたときに検討したい手法を詳しく紹介

民事再生法?破産?私的整理?廃業を考えたときに検討したい手法を詳しく紹介

2020.09.14

会社の経営が立ち行かなくなり、借入金の返済が難しくなったときに検討したいのが「民事再生」です。民事再生について定められた民事再生法は、経済的に困窮した経営者を保護する観点から誕生した法律で、具体的にどのような決まりがあるのか理解すると経営の活路を見出すことにも繋がります。M&A時にも活用したい民事再生について、法令や私的整理といった観点も踏まえて詳しく見ていきましょう。

 

民事再生法とは?再生協議会との関わり、厳しい条件がつくので簡単にはできない?

民事再生法とは、経済的に苦しい状況下にいる経営者や会社を守るために利用される仕組みのひとつです。民事再生と似た言葉として「破産」が思い浮かぶ方も多いかと思いますが、民事再生と破産の違いは「会社を残すか、消すか」という目的の所在にあります。

会社を残す(再生する)ための制度が民事再生、会社を消すための制度が破産です。ここでは、会社を残すために活用したい民事再生について、詳しく解説していきます。

 

民事再生とはどのような仕組みなのか

民事再生という言葉は、M&Aの場面でも良く耳にしますが、具体的にどのような仕組みなのでしょうか。

そもそも、業績が傾き、借入金が膨らんでしまった企業が事業再生を計るためには、大きく「法的整理」「私的整理」の2つがあります。

法的整理は、民事再生法などの法令に則り、裁判所の監督の下で定められた手続きを進めていく方法です。私的整理は裁判所が介入せず、債権者(企業からお金を回収できる人たち)全員の同意の上で柔軟に企業の再生を進めていく方法となります。

この記事のテーマでもある民事再生は、法的整理の代表的な例ともいえるでしょう。業務をこれまで通りに継続しながら、再生計画案という再生のための方法案を作成し、債権者から過半数以上の同意を得て、再生計画案に沿った手順で経営を回復させていく方法です。

事業を継続するための運転資金や裁判所への予納金、弁護士への依頼費用などが必要になるため、数百万から数千万円といったコストがかかります。また、財産評定という手順では公認会計士や税理士も携わるため、別途に依頼費用がかかることも念頭に置いておかなければなりません。

資金がない方のための民事再生ですが、先述したように数百万から数千万円といった費用がかかってしまいます。この費用を捻出できるうちに民事再生に踏み切るか否かといった決断を下さなければなりません。

 

民事再生のメリットは?

多額の費用を支払う民事再生には、それに見合うメリットも存在します。

・企業をこれまで通りに存続させられる

企業を存続させるためにまず頭に浮かぶのはリストラなどのコストカットです。しかし、企業の規模を縮小したり、人員を削減したりしなくても企業を存続させることが可能なのが民事再生のメリットといえます。再起のときに向けて今の状態を維持しながら、粛々と経営を続けていけるのは、新たなチャンスを得るための手段として魅力的とも考えられます。

・経営陣の入れ替えを行わなくてよい

民事再生を行う場合は、経営者の交代や外部から役員の招聘を行わなくて済むので、これまで通りの環境を維持できます。民事再生がスタートすると「監督委員」が経営陣に参入しますが、これまで通りの役員メンバーで事業を継続できるのはメリットでしょう。

 

民事再生のデメリットは?

反対に、生じるデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

・ブランドイメージや社会的な信頼が失われる

民事再生手続きに入ると、ニュースや新聞、噂で広く社会に情報が広まってしまう可能性が高いです。これまで築き上げてきたブランドイメージが低下してしまったり、取引先からの信頼が失われてしまったりといったデメリットについても考慮しておかなければなりません。

また、この場合は経営陣が入れ替わっていないことがデメリットとして働いてしまう可能性が高く、より一層の管理能力が問われる状況になった、という自覚が求められるでしょう。

・担保となっている資産が無くなってしまう可能性がある

民事再生手続きに入ると、通常の債務については返済が猶予されますが、担保権の行使は制限されていないので、担保として設定していた資産が回収されてしまう可能性があります。

仮に担保として設定していた資産が事業の存続に必要不可欠なものだった場合は注意が必要です。かならず、担保権を持っている方から民事再生について合意してもらわなければなりません。仮に担保権を行使して事業に必要な資産を回収していってしまった場合、民事再生そのものが不可能になってしまうでしょう。

これらのデメリットについても理解した上で、民事再生に踏み切るか否かを判断することが大切です。

 

民事再生はM&Aの場面で売り手が活用できる手法のひとつでもある

じつは、民事再生とM&Aは親和性の高い企業再生の手段として考えられています。民事再生を行う場合、裁判所によって債権返済のストップがかけられたり、債権の大幅なカットが行われたりするケースが多く存在します。ところが、今は無理でも今後必ず事業が再生するとみこめる場合は銀行などの大口債権者も納得して債権のカットに応じてくれますが、その信頼を得るのは非常に難しいでしょう。

そこで活用するのがM&Aです。M&Aといっても、どちらかといえばスポンサーに近いイメージですが、残っている資産や事業を売却して資本を投下してもらい、それらをもとに再生計画案を実行していく、というシナリオが作成できれば債権のカットにも頷いてもらいやすくなるでしょう。

このように、債権者、経営者(債務者)、M&Aによるスポンサーによる3者が合同で企業の再生に立ち会うケースも少なくありません。そういう意味では、民事再生とM&Aは親和性が高く、検討可能な手段です。

 

廃業を検討している企業は民事再生とM&Aをセットで考えてみるのもあり

民事再生や廃業といった手段を検討している方は、先述したように民事再生とM&Aをセットで考えてみるのもおすすめです。実務的には、特定の事業をスポンサー企業へ譲渡し、会社については廃業してしまう、という手法もよく用いられています。外科手術のように不採算事業を取り除いて債務を消してしまえば、残った事業についてはこれからも存続させることができるでしょう。

このように、民事再生やM&Aといった手段を使えば、様々な状況からでも企業の再生や発展が狙ます。

 

事業を再生させるために民事再生やM&Aといった選択も検討しよう

民事再生はどちらかというとマイナスイメージもあり、M&Aは事業再編や身売りといったイメージも過去にはありますが、これらを掛け合わせることで企業の再生が果たしやすくなるのです。

民事再生やM&Aを活用した企業再生を検討されている方は、まずはお気軽にバトンズまでご相談ください。

 

 

参考:民事再生法丨e-Gov

 

事業承継・M&Aトピックス

その他のオススメ記事

300万円以下の売りの会社・事業情報一覧へ