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創業30年の運送業社長。親族・従業員に事業承継を試みるも断念しM&Aで後継者見つかる

2020年09月04日

hands

長野県で30年運送事業を手掛けてきた伊那運輸有限会社の前オーナー山越様。今年3月、兄弟で同業を営む買い手に会社を株式譲渡されました。事業承継を進めるにあたっては親族や有望な従業員など様々検討されてきましたが、なかなか進まず悩んだ末に金融機関に相談。M&A(第三者承継)という手段を知りました。

一般貨物自動車運送事業の許認可取得はとにかく時間と手間がかかる!

 

山越様は30年前に友人と伊那運輸を創業しました。前職の同僚5名が集まり登記上は会社を設立し社員もいましたが、なかなか認可が下りず運送事業を始められるまでにかかった準備期間は約二年!

 

cars on highway

SchwoazeによるPixabayからの画像

第一種運送業いわゆる青ナンバーで事業を行うには、地方運輸局または国土交通省から一般貨物自動車運送事業の認可を取得しなければいけません。

審査にはトラックの保有台数から所有地の面積、有蓋・無蓋車庫・事務所の保有、最低運用資金の確保など、満たさなければならない条件が多く、申請をして認可が下りるまで、早くても半年から一年はかかるとされている、非常に手間暇のかかる許認可なのです。

 

「当時は登記を済ませてとりあえず会社を設立したものの、認可申請が下りるまでの約一年はトラックを使っての仕事はできません。それでも社員5名を社会保険に加入させ、認可が下りるまでのあいだ食べさせていかなければなりませんでした。トラックも5台用意しても青ナンバーが付かないので使えません。

また、認可が下りるまで運転資金として銀行に2500万円の残高証明を用意しなければいけなかったんです。どうやって資金を工面しようかと悩んでいた時、たまたま運良く長野県内の立体駐車場の建設で運搬作業を請負うことになって。その仕事がきっかけで公庫から融資を受けることができ、無事に残高証明を用意することができました」。

 

wheels

Peter HによるPixabayからの画像

こうして無事に認可を取得し事業を開始されてからは、迅速、丁寧、確実なサービス提供がお客様に評価され、売上は順調に伸びていきました。長年、安定した経営を続けていましたが、山越様が60歳の時にリーマンショックが起こります。経営が次第に伸び悩むようになったその頃から、事業承継を考えるようになったといいます。

事業承継は10年かかると見越し身内・従業員への承継を検討するも断念・・リーダーシップがある人材を必要としていた

 

中小企業庁によるレポートでは、後継者の育成なども含め事業承継の準備には5~10年かかるといわれており、70歳までに引退を計画しているのであれば60歳から準備を始めることが理想的とされています。山越様も、無事に承継するまでに10年はかかるだろうと覚悟し早速、身内から後継者を探そうとされました。

ところが、「息子2人と娘1人がいましたが、子どもたちはそもそも事業に興味を持っておらず、娘がもしかしたら継いでくれるかもしれないと思いましたが、『お父さんのようには経営できない』と言われてしまいまして。無理に継がせるものではないなと諦めました。とはいえ、せっかく興した会社をたたむのも寂しいので、誰か継いでくれる人がいればと、見込みのある社員を育ててみることにしました」。

社内には有望な社員が3名おり、山越様は後継者候補として目をとめ育てていこうと決めました。しかし、次第に人間関係の問題が発生し、最終的には会社を率いていくプレッシャーに耐えられなくなって3名とも退職してしまったのだそうです。

「やはり人の問題なので難しいなと思いましたね。リーダーシップがないと経営はできない。その後は、知り合いなど外部のツテを頼りに何名か申し込みが来たのですが、人間関係のことを考えると本当に任せられるのか悩んでいたのです。そんな時にアルプス信用金庫の高坂さんからバトンズ経由でお相手を紹介してもらいました」。

 

現れたのは三兄弟で同業を営む買い手。経営にも慣れ、バランスがいい相手と巡り合い譲渡を決意

 

2019年2月頃にバトンズに掲載し、9月に兄弟で経営する同業のお相手とマッチング。トップ面談後はとんとん拍子で話が進み、契約書類や財務諸表を開示して企業評価を行ってもらい、年が明けて2020年3月に無事に最終契約を結ぶことになりました。

「会社は6月決算ですから、年が明けて6月末に最終契約を結ぶことができるかなと思っていたのですが、急に話が進展していきまして。手続きや書類の準備でバタバタと最終契約の3月まではあっという間でした」。

お相手は、三兄弟で運送業を経営されている買い手でした。M&A後、長男は会長、次男は社長となり、三男は山越様が譲渡された会社の新社長として経営を引き継ぐことになったのです。

「バランスが取れているし、私より15歳程若く経営者としてはすでに成熟している年齢ですから、譲渡した後もすぐに会社を引き継いで今まで通りやってくれるだろうなと思いました。ある意味、安心感があったのが決め手ですね」。

山越様は最終契約後も6月の決算が終わるまでは経営を続け、7月からは引継ぎのため顧問として会社に残っていらっしゃいます。

結婚は簡単だけど離婚は大変だよと言われるのと一緒で、会社をたたむのも色々と大変だと聞いていたんですよ。なので、こうした形で会社を存続できて良かったと思います。年内には引き継ぎを終えて引退する予定です」。

来年は、本格的に地域に貢献していきたいとのことで、なんと次期区長候補として立候補されるご予定です。紆余曲折ありましたが、無事に事業承継のお相手が見つかってよかったですね。

 

 

トップ画像:Skica911によるPixabayからの画像 

 

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