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事業承継は事業拡大のチャンス。成長戦略のためのM&Aという選択

2020.03.19

後継者問題を抱える中小企業・零細企業にとって、事業承継は単なる経営権の譲渡のみならず、自社の事業拡大のチャンスにも繋がります。

今回は事業成長のための事業承継(M&A)の目的や、実際に事業承継と自社の成長をやり遂げた企業の実例を取り上げます。自社の成長を視野に入れた戦略的なM&Aとはどのようなものか、事業承継を検討している企業の経営者はもちろん、M&Aによってさらなる事業拡大を図りたい企業の担当者はぜひ参考にしてください。

成長戦略を目的としたM&Aによる事業承継とは

「成長戦略のためのM&A」と聞くと、大手企業が買収によって事業拡大や新規事業への参入を果たす経営手法をイメージする人が多いのではないでしょうか。

しかし事業承継によるM&Aでは、買い手側ばかりにメリットがあるわけではありません。本来は世代交代を目的とした事業承継型のM&Aですから、売り手企業側が後継者問題を解決するのはもちろんのこと、買い手企業のグループに入ることで以下のようなメリットを得られるのです。

●売り手企業の人手不足を解消
●買い手企業の設備・資金を活用できる
●新たな顧客の開拓
●経営者の交代による会社の若返り

後継者不在に悩む中小企業・零細企業は、事業承継と共にこのような根本的な経営課題を解決することを目標に成長戦略を立て、M&Aを行うことが可能になります。

 

成長戦略のための事業承継① 激変する時代に対応する

企業の成長のためには、グローバル化やIT化などの世界的な潮流、それぞれの業界内での激しいビジネスの変化に対応し続けることが必要です。

ITシステムの活用

業歴の長い、昔ながらの中小企業の中には、顧客や取引先、在庫、請求書の管理などを紙ベース、手作りした表計算ソフトで行っているところも少なくありません。しかし、近年のテクノロジーの発達・デジタルシフトの潮流から、業務や顧客の管理はシステム化・IT化することが当たり前の時代になりました。

自社内にシステム化・IT化を進めるためのノウハウや資金が不足していたとしても、M&A後に買い手企業のシステムを活用できるようになれば、管理業務のコストパフォーマンスを上げ、本業にリソースを集中させることができます。

経営者交代による組織のリフレッシュ

どの業界にも、時代とともに刻々と変化するトレンドがあります。経営者はいち早く業界のトレンドを察知し、取り残されないための戦略を考えなければなりません。しかし、体力的な問題、年齢的な問題で経営からの引退を考えている経営者や、適切なタイミングで事業承継ができなかったために仕方なく社長の座にとどまっている経営者が舵取りをしている場合、そうした業界の動向に素早く対応することが難しくなっている場合が多くあります。

経営者のメンタルの部分は、会社経営や従業員にも影響を与えます。M&Aによる事業承継では、経営権を新たな後継者にバトンタッチすることで、組織をリフレッシュし、時流にあった会社経営につなげることが狙えます。

 

成長戦略のための事業承継② 会社の基盤を強固にする

M&Aによって会社の財務が強化されると、それまで行われてこなかった、新たな投資を行いやすくなります。社内外の様々なリソースに投資を行うことによって会社の基盤をより強くできれば、会社の成長につながります。

事業、取引先の開拓

業績の長い企業は取引先や顧客がある程度固定されるうえ、親から子または従業員へと事業を引き継ぐことでさらに顧客や取引先の変化がなくなっていきます。それを続けているとどうしても「内向きな会社の文化」が浸透してしまい、新しいことへの挑戦や変化を避けるようになる傾向があります。

M&Aで新たな人材を経営者に迎えることは、新規事業や取引先開拓のためのアイデア・発想が生まれやすい環境を作るという狙いもあります。

人材の強化

会社を強くするために投資を行うべきなのは事業だけではありません。人材の強化も会社の成長のためには重要です。M&Aによる事業承継で資金と教育制度が整えられ、それまでコスト面で新卒採用に消極的だった中小企業が、積極的に新卒採用ができるようになるケースがあります。人材育成のノウハウを手に入れることで、採用した人材をより効果的に配置したり活用したりできるようになることも期待できます。

 

成長戦略のための事業承継③ シナジー効果の創出

シナジー効果をねらってM&Aを行うケースは少なくありません。シナジー効果とは、複数の事業や企業が合わさることで、効率化が図られ、それぞれを単独で行っていた場合よりも大きな成果を生み出せるような、相乗効果のことを指します。M&Aによって得られるシナジー効果には、具体的に以下のようなものがあります。

自社になかったノウハウ・設備を得る(投資シナジー)

研究開発やノウハウなどを企業同士で共同開発・共同利用することで、自社になかった技術やノウハウ、設備の獲得、複合によって投資した分のシナジー効果に期待できます。

自社が持っていない顧客を得る(販売シナジー)

自社が持っていない顧客や流通経路、広告を統合することで販売促進のシナジー効果が得られ、売上アップやコストカットなどに期待できます。

経験や知識の共有(経営シナジー)

買い手企業の過去の失敗経験や戦略、管理業務などを共有することで、売り手企業は数十年分の経験や知識を得ることができます。

コストの削減(操業シナジー)

M&Aのシナジー効果の中でもっともイメージしやすいのが操業シナジーです。同じ取り組みを行う企業が原材料を共同で仕入れたり、同じ施設や設備を共同で利用したりすることにより、コストが削減できるというメリットが得られます。

 

事業承継を通じて事業が成長した事例

ここからは、M&Aによる事業承継を通じて事業成長が成功した実際の事例を紹介します。

コンビニへの販路を活かすためM&Aに踏み切った和菓子製造・小売会社

和菓子製造・小売を行う株式会社億万両本舗和作は、後継者問題の解決のため事業を同業に譲りたいと考えていました。

しかし、技術や職人、生産能力といった同じような強みを持つ同業よりも、自社と異なる強みを持つ企業との方が大きなシナジー効果を狙えると考え、コンビニエンスストアへの販路を持つ中日本氷糖株式会社に譲渡。億万両本舗和作は、自社の課題であった営業力や販売力をM&Aによって強化することに成功し、M&A後は和菓子のインターネット販売をスタート、好評を得ています。

この事例の詳細はこちら (日本M&Aセンターのサイトに遷移します)

M&Aを通じて人材不足を解決した家事代行サービスのパイオニア

慢性的な人材不足に悩んでいた家事代行サービスのミニメイド・サービス株式会社は、「経営者の事業承継」と「自社の成長戦略」という2つの目的でM&Aを検討、人材派遣サービス最大手のフルキャストホールディングスに自社を譲渡しました。
当初は内部承継を考えていたものの、自社に欠けている視点の補完や今後の成長を狙い、成長戦略を見据えてM&Aによる事業承継を選択。ミニメイド・サービス社の大きな経営課題は採用でしたが、M&A前の採用実績が年間20名程度だったのに対し、M&A後は2カ月間で50名程の採用に成功し、効果を実感しているようです。

この事例の詳細はこちら (日本M&Aセンターのサイトに遷移します)

最適なマッチング企業が見つかれば大きな発展につながる

事業承継は「後継者に引き継いでしまえばすべて終わり」ではありません。育て上げてきた企業が承継後も生き残るためには、後継者問題の解消のみならず、業態変更や事業拡大を覚悟のうえで、将来的に会社や事業がどのような成長を遂げていくべきかを見据えて、事業承継を検討していかなければなりません。

成長戦略を目的としたM&Aを成功に導くためには、最適なマッチング企業を見つけることが最も重要です。M&Aの専門家やインターネットのM&Aプラットフォームを活用し、シナジー効果が最大限に発揮される譲渡先を見つけましょう。

 

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