そろそろ引退を考えている経営者の方は、事業承継についてどこまで具体的に検討されているでしょうか。
昨今、全国的に企業の後継者不在問題が取り沙汰されるなか、「親族内に後継者がいないが事業承継できるものならば行いたい」「誰か優秀な経営者に事業を引き継いで欲しい」と希望する経営者から注目されているのが、第三者承継プラットフォームが提供する”M&Aマッチング”です。
後継者不在で悩む経営者の方は、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。
経営者交代率は下がり続けている
日本において、中小企業の後継者問題は年々深刻さを増しています。
中小企業庁長官・安藤久佳氏は、2018年の年頭所感で「現状が続くと、中小企業・小規模事業者廃業の急増により、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性がある」と危機感を示しています。
「大廃業時代」がすぐそこに来ているといわれる状況のなか、引退を前に事業承継を検討している経営者は、早くから積極的に後継者を探さなければ、取り返しのつかない事態に陥る可能性もあります。
廃業しかなくなるまで経営者でい続けた場合のリスク
後継者を見つけることができず、廃業に追い込まれるまで現役を続けていると、以下のようなリスクが発生します。
・完済できない負債が経営者個人の負担になる
・廃業資金が必要になる
・長くお世話になった従業員や取引先に迷惑をかける
経営者本人に大きな負担がかかるだけでなく、地域にとって必要不可欠な企業を失うことになります。後継者問題を解消できずに廃業せざるを得ない企業には、黒字で廃業してしまったり、多くの顧客を抱える企業が多く、日本社会や地域社会において大きな損失となっています。
なぜ事業が承継されないのか?
そもそも、中小企業の事業承継が社会問題として取り上げられるほど進んでいないのはなぜなのでしょうか。
事業承継が進まない主な理由は、3つあります。
親族に後継者が見つからず事業承継を諦めている
大きな理由としては、親族や従業員のなかから後継者が見つからないために、経営者が事業承継自体を諦めてしまっていることです。
経営者の子息に事業を承継する意欲がない、あるいは経営者が子息に事業を継がせたくないといった理由で事業承継が進んでいないケースが非常に多く見られます。
第三者承継は恥と考える日本企業の経営者たちがいる
日本の中小企業では「事業は親族が受け継ぐもの」という考えが根強く残っており、第三者への承継は恥と考えている経営者も少なくありません。
ただし、比較的若い世代を中心に、第三者を後継者候補に据える経営者が増えているのも事実です。2018年の全国「後継者不在企業」動向調査によると、30代~60代の経営者の3割以上が後継者候補を親族外から選択しており、第三者へ事業譲渡を行う事に対する抵抗感は軟化しつつあることがわかります。
任せられる人材との出会いがない
親族や従業員のなかから後継者を探そうとしている経営者は、どうしても「社外の第三者は会社のことをよく知らないから任せられない、任せたくない」という考えに陥り、「後継者がいない」状況を作り出しがちです。
しかし実際には、後継者として重要なのは、会社のことをよく知っていることよりも、経営の知識や能力を持っていることです。たとえ今は会社の事情を知らなくても、確かな経営スキルのある人間であれば、適任の後継者になりうる存在といえます。あとは、そのような経営スキルを持ち、会社の風土にマッチする人材と出会える場があれば、後継者が探しやすくなり、事業継承も比較的スムーズに進めることができるでしょう。
後継者候補とマッチングすることで事業承継はできる
中小企業の後継者不足が深刻化するなか、国や地方自治体は事業承継M&Aによる後継者候補探しをサポートするさまざまな施策を講じています。
たとえば事業承継にあたって必要な費用に対して補助金を助成したり、本来払わなくてはならない贈与税や相続税の支払いを猶予(免除)する税制措置をとるなど、より事業承継が行いやすい環境を整えています。そうした背景もあり事業承継の数は増え続けています。
後継者候補とマッチングする方法
ここからは、後継者候補とマッチングする主な方法を3つ、そのメリットやデメリットと合わせてご紹介します。
知人に紹介してもらう
家族や友人、取引先、知り合いの経営者など、信頼のおける知人や縁故者に後継者候補を紹介してもらう方法があります。
長年の付き合いがある知人・縁故者は後継者問題に悩む経営者のことをよく知り、その意思を尊重してくれる存在ですので、相談相手としてはうってつけといえるでしょう。
しかし、経営者との縁が深く、会社への思い入れもある知人ほど、「あの人を後継者にしたい」「あの人物は経営者にふさわしくない」といった私情を挟みやすいものです。また、事業承継のプロほど後継者問題に詳しいとは限らないため、長期的な視点や経営戦略の観点からのアドバイスは期待せず、あくまで参考程度にとどめておいたほうが良い場合もあります。
仲介に相談する
M&Aの仲介会社や仲介アドバイザーなどに事業承継を相談、後継者のマッチングから交渉までを代行してもらう方法です。
仲介に相談するメリットは、専門的なノウハウ・知識を持つ事業承継のプロの意見が聞けるだけでなく、経営者の希望条件を深堀りしたうえで、より本質的で戦略的な解決策を提示してくれることです。さらに、承継後の経営戦略の立案など、会社の将来も見据えた幅広い支援が受けられます。
ただし、決して安くない仲介手数料、成功報酬がかかります。一般的なM&A仲介会社の仲介手数料の相場は以下のとおりです。
・相談料・・・0~1万円
・着手金・・・0~300万円
・デューデリジェンス費用・・・10万~200万円
・月額報酬・・・30万~100万円
・中間報酬(基本合意契約締結後)・・・成功報酬の10~30%
・成功報酬・・・売却企業の総資産の1~5%
M&Aの仲介には費用がかかりますが、デューデリジェンスや交渉においては専門知識を持つ仲介の力は必要となります。後のトラブルを防ぐためにも、まずはプロに相談しましょう。
ポータルサイトに登録する
事業承継ポータルサイトは、中小機構や中小企業振興公社などが運営、経営者や後継予定者を対象に後継者候補探しのサポート、事業承継に必要な知識・スキルを提供するインターネット・サービスです。
ポータルサイトのM&AアドバイザーはM&A業界での実績が豊富で、マッチング後の円滑な交渉や事前のリスクヘッジをサポートしてもらえるため、譲渡側・譲受側双方に最適なレコメンド・コミュニケーションの機会が得られるでしょう。
ポータルサイトに公表する段階では企業名は公開されませんが、条件などからM&Aを検討していることを社内や競合などに推測されてしまう可能性があります。特に従業員への内示はタイミングが重要なため、タイミングによっては思わぬ反発に繋がることも考えられます。競合の少ない地域・業種の企業は注意が必要です。
ポータルサイトを利用する場合は、事前にマッチングのシステムやアドバイザーの実績等を確認し、自社の目的に合ったサービスが受けられるかどうかを検討しましょう。
新しい後継者探しで事業を承継しよう
親族や従業員への承継が当たり前だった時代が終わり、会社と従業員、経営者の意思を引き継ぐ第三者へ事業を承継することが注目されています。
事業承継に対する準備は早めに行うことが肝心です。準備不足で後継者問題が深刻化すれば、経営者自身や親族、従業員だけでなく取引先や顧客などの地域社会にも悪い影響を及ぼす可能性があります。
後継者が不在で困っている、もしくは社外からの後継者を募集している経営者は、今回お伝えした後継者探しの方法を参考に、納得のいく事業承継を実現しましょう。
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つなぐマッチングプラットフォームです。
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