ノウハウ

2019.10.28

会社の形態の違いって?どんな会社もM&A可能?形態別に徹底解説!

普段、会社の形態について意識することはあまりないかもしれません。しかし、M&Aを検討する際にこの会社の形態によって、出資の意思決定や合併時の会社の作り方などに違いが出てきます。

多くの人にとって一番なじみのある会社の形態は「株式会社」かもしれませんが、ほかにも「合同会社」や「合資会社」など会社にはいくつかの種類があります。
今回は、会社の形態によってそれぞれどのような違いがあるのか解説します。

会社法による会社の形態

会社を経営するうえで守るべきルールが定められた、「会社法」と呼ばれる法律があります。この中で、会社は大まかに4種類に分類されています。「株式会社」「合名会社」「合資会社」そして「合同会社」です。

以前は「有限会社」と呼ばれる分類があり、小規模に事業を始めたい経営者は有限会社を設立する傾向がありました。法律が改正されたため今では有限会社を新設することができなくなり、以前から存続している有限会社は「特例有限会社」という分類に変わっています。

株式会社と持分会社

現在設立可能な4種類の会社のうち、合名会社・合資会社・合同会社の3種類をまとめて「持分会社」と呼ぶことがあります。株式会社と持分会社は何が違うのでしょうか。

以前は会社を設立するための必要最低資本金が、1つの違いとして挙げられました。会社設立のためには一定額以上の資本金を用意する必要があり、株式会社の場合は1000万円、有限会社の場合は300万円でした。しかし現在はこの最低資本金制度が廃止となり、法律上はどの区分の会社であっても1円の資本金でも設立することができます。そのため、株式会社と持分会社に最低資本金の違いはありません。

株式会社と持分会社の最大の違いは、出資者の立ち位置です。株式会社では出資者と経営者が分離している一方、持分会社では出資者が会社の経営を行っています。そして、出資者の会社に対する責任の大きさも形態ごとに異なります。株式会社と3種類の持分会社の特徴や制度上の決まりをそれぞれ具体的に見てみましょう。

株式会社の特徴について

まずは、親しみのある「株式会社」の特徴を見ていきましょう。

株式会社は、出資者から集めた資金を資本金として事業を行う会社です。株式を発行することで資金を募り、出資者は株主となって経営方針などに対する権利の一部を保有します。出資者の知名度が高いとその会社の社会的な信用度が高くなりやすいという特徴もあります。

一般的に出資者は経営者とは別で、経営者が事業の中で生み出した利益を出資者に還元する方式で経営していて、「所有と経営の分離」と表現されることもあります。

また、株式会社は出資者が経営に関わらなくてもよいことから、不特定多数の人が出資することができます。このため、大規模な事業展開を目指す場合に有益な形態と言えます。

制度上の決まりとして、株式会社には「有限責任社員」が1名以上いなければいけません。有限責任社員とは、会社の債務に対して有限の責任を負う社員のことです。会社が債務を抱えた場合、出資した金額分の責任を負わなければいけませんが、追加で出資したり弁済したりする義務はありません。

なお、一般的には「社員」と言うと会社の従業員を指しますが、会社法で言う「社員」は会社の出資者のことを指すので注意しましょう。

持分会社の特徴について

持分会社は、「合名会社」「合資会社」「合同会社」の3種類です。共通した特徴は、株式会社と異なり所有と経営が分離されていないという点です。つまり、基本的に出資者が会社を経営しています。それぞれの違いは、社員の構成です。詳しく見てみましょう。

合名会社とは

持分会社の一種である「合名会社」は、無限責任社員のみで構成された会社です。有限責任社員と異なり、無限責任社員は会社の負債に対して出資額を超えて無制限に責任を負わなければいけません。そのため、事業がうまくいかなかった場合は出資者が全責任を負わなければならず、非常にリスクが大きいと言えます。

一方で、ほかの形態と比較すると定款(会社の規則を定めたもの)の自由度が高く、また、株式会社よりも低費用で会社の設立ができるというメリットがあります。少人数かつ小規模で、親族など親しい人と共に事業を始める際に選ばれることが多いのが合名会社です。

合資会社とは

同じく持分会社の一種である「合資会社」は、無限責任社員と有限責任社員がどちらも1名以上いなければ設立できません。そのため、合資会社を新設するためには最低2名の社員が必要なのが特徴です。一般的に、無限責任社員が経営の中心を担うことが多くなっています。

合同会社とは

「合同会社」は持分会社の中で最もポピュラーな形態の会社です。株式会社と同じく出資者全員が有限責任社員であり、リスクの高い無限責任社員を選定する必要がないからです。

株式会社よりも設立費用が安い点や、決算関連の公表義務がない点など、持分会社ならではのメリットも備えており、株式会社に定められている取締役会などの機関を設置する必要もありません。そのため、小規模で事業を行う場合には株式会社ではなく合同会社を選択するケースも多く見られます。

なお、Googleやアップル、アマゾンなど外資系の有名企業も、日本法人は合同会社の形態をとっています。

特例有限会社の特徴について

以前は株式会社とは別に「有限会社」という区分がありましたが、2006年に施行された会社法により有限会社の新設ができなくなりました。そこで、代わりにできたのが「特例有限会社」です。

従来の有限会社は現在、法律上では株式会社という扱いになっています。しかし、既存の有限会社は今までの制度の下で経営することが可能です。そのため、株式会社ではなく特例有限会社と呼ばれているのです。ただし有限会社や特例有限会社を新たに設立することはできず、また、正式な株式会社になるためには手続きをしなければいけません。