1. 事業承継・M&AならBATONZ(バトンズ)
  2. 事業承継・M&A売り案件一覧
  3. M&A記事・コラム
  4. 事業承継・M&Aトピックス
  5. エニママを活用し、SNSによる消費者とのつながりを拡大。 「かかりつけ農家」という新しい販売スタイル

エニママを活用し、SNSによる消費者とのつながりを拡大。 「かかりつけ農家」という新しい販売スタイル

2025年11月04日

有機栽培米をつくる農家と消費者をつなぐ架け橋になる

──貴社がお米の販売を手掛けるようになった経緯をお聞かせください。

弊社は内装工事業を主軸として、名古屋市を中心に多くの公共工事を手がけています。仕事柄、さまざまな営業先を回るのですが、ある購買担当の方から「おいしいお米を作っている農家さんがいるから、一度食べてみてよ」と勧められたのがきっかけです。

実際に勧められたお米を試食してみると、これまでスーパーで購入していたお米とはまったく違う味わいであることに驚きました。おいしさの秘密について、農家さんは「有機栽培米」であるとお話され、また「自分たちが作ったお米のこだわりを、もっと多くの人に知ってほしい」という強い想いをもっていらっしゃいました。

そしてどういう訳か、農業とは無縁の私に「お米のPRのお手伝いをしてもらえないか?」と声がかかりました。まさか自分が農業の分野に関わるとは思ってもみませんでしたが、おいしいお米との出会いが新たな挑戦へとつながった瞬間でした。

──その有機栽培米をPRするにあたってどんな手法を実践したのでしょうか?

ただ売るだけではなく、農家さんと消費者がつながり、顔が見える関係の中で安心・安全なお米を届けられる方法はないかと考えました。そんな中で、バトンズさんが提供する「BATONZ TEAM BUILDER業務支援サービス」を通じて、SNS運用のプロフェッショナルであるエニママさんをご紹介いただいたのです。

SNSを通じて「こんなにこだわって作っています」と伝えることで、実際に食べた方の反響がダイレクトに届くようになり、農家さん自身の意識が大きく変わりました。

有機栽培米は非常に手間がかかるのに、卸業者を通じてスーパーで販売すると、農家さんの手元に残るお金は微々たるもの。しかし、ちゃんと手間をかけていることが伝わると、「金額は気にしないから、安心・安全なお米を購入したい。毎月、大切な人に送りたい」と言ってくれる方が多数いらっしゃいました。

そういった生の声を聞くと、農家さんのモチベーションもすごく上がるんですよね。また、エニママさん主導の座談会で、ある農家の方は有機栽培米に好意的な消費者の声を聞いて、「この人たちのために作っていきたい」という気持ちが芽生えたそうです。

顔が見える関係を重視した「かかりつけ農家」という販売スタイル

──お米の販売事業の目標や販売方針についてお聞かせください。

現在、お米の販売事業は売上として大きく立っているわけではなく、ほとんどボランティアのような感覚で取り組んでいます。ここ数年、お米の流通には仲介業者による買い占めなどの問題があり、「お米がない」と言われる状況がたびたび発生していました。

最近でこそ備蓄米がスーパーに並ぶようになりましたが、それでも一般のお米の価格は高騰しており、5キロで3500円だったものが5000円、場合によっては倍近くになっています。

そうした中で、弊社が農家さんから直接仕入れて販売している有機栽培米の価格が一般のお米とほぼ同じ水準になり、以前は高価で敬遠されがちでしたが、今では「試してみようかな」と思っていただけるまでになりました。価格に差がなければ、有機米に興味を示される方は多いですからね。

弊社で取り扱うお米は、買い手に対し売り手の顔が見える関係をベースとした、“かかりつけ農家”というコンセプトで販売していきたいと思っています。そのためにも、消費者の方が信頼できる農家さんから、いつでも安心してお米を購入できる仕組みを構築する必要があります。そこでエニママさんに協力いただき、昨年10月に楽天で新米の予約販売を1週間限定で実施しました。

結果、約1.5トンの注文が入るほどの反響をいただきました。しかし、注文が集中したことで、発送作業に負担がかかってしまうという別の課題が顕在化。収穫の繁忙期における農家さんの負担を減らすためにも、今後は3ヶ月、6ヶ月、1年といった契約パッケージを用意し、お客様に継続的にお米をお届けできる仕組みを整える予定です。

──貴社で想定されているお客様は、主に個人になるのでしょうか?

実は、とあるホテルチェーンから「この価格で分けてほしい」といった依頼を受けたことがありますが、そうした申し出はすべてお断りしています。理由は、これまで大切にしてきたお客様を何よりも優先したいからです。

初めてのお客様が「安いお米が欲しい」と言われても、我々の思いや姿勢を明確に伝え、丁寧にお断りしています。特に米不足の時期には、「他からはこのくらいの価格で仕入れていたので、同様の価格でお願いできないか?」といった要望もありましたが、「そうした価格では応じられない」とお伝えしました。

今回のインスタグラムの取り組みにおいても、広く大量に売るのではなく、価値を理解してくださる方に届けることが前提です。そうした意識を持った方に知っていただき、その方々に買っていただければ十分だと考えています。

一方で、お米の価値をしっかり理解してくださるような店舗やホテルであれば、取引を検討しても良いのではないかと感じることもあります。特に、お米を使うことで料理の質を高めたいと考えている方々には、提供する価値があると思っています。

垣根を越えたコラボレーションで生まれる新しい農業のカタチ

──エニママさんとは、どのような協力関係を築いていらっしゃるのでしょうか?

協働で進めている取り組みの中心は、SNSの運用ですね。有機栽培米をPRするにあたり、「まずは認知を広げて、ファンを増やすことが重要」という提案を受け、インスタグラムを活用することになったのですが、それが非常に良かったと感じています。

弊社はこれまでSNS系のツールを使用した経験がなかったため、運用についてはエニママさんの女性メンバー3名の方と話し合いながら、どのような形が良いかを日々模索している段階です。その中で、主婦ならではの助言や行動力がすごく大きな助けとなっています。

たとえば、座談会を開いて消費者の声を集めてもらったり、ご飯を使った簡単なレシピを考案してもらったりと、自分たちだけでは考えもしなかったアイデアを次々と出してくれます。ママさんたちの感覚はとても貴重で、今後の展開においても頼りにさせていただきたいと思っています。

──最後に、一次産業の後継者不足や担い手不足という問題がクローズアップされる中で、貴社はどのような対策を考えているかお聞かせください。

弊社が将来的に実現できたらと考えている夢のひとつに、「建設業と農業の仕事の融合」というものがあります。建設業は現場での施工が中心で、弊社はその分野にも関わっているため、農家さんと協力しながら人材を相互に活用できないかという発想です。

たとえば、農業の収穫期である8月から10月には、弊社の内装工事部門に在籍している人材をある程度確保できるため、農家さんの収穫作業に送り込むことができるかもしれません。そして収穫が終わる10月以降は農家さんの仕事が落ち着く時期になるため、今度はその方々に建築現場で働いてもらうことができないかと考えています。

農業も建設業も、どちらも屋外で体を使う仕事であるため共通点が多く、うまくマッチする可能性があります。人手不足が深刻な中、職人たちが農業の現場を経験することで、新たな視点や気づきを得られることにもなるでしょう。

また、逆に農家さんが建設業の現場に携わることで、新たな気づきが生まれるかもしれません。今年の収穫期には間に合いませんが、収穫が終わった後の1月〜3月の期間に、農家さんの人材を建築業に活用できるような体制を組めないかと検討しているところです。一次産業の担い手不足の課題に対して、新たな解決策を見出すことができればと思います。

誰でも会社を売買できる時代に、テレビで話題急増中

事業承継・M&Aトピックス

その他のオススメ記事