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M&Aの手法、それぞれの特徴を徹底解説!

2020.03.17

M&Aと聞いて、どんな手法で行われているのかわかる方は、それほど多くはないと思います。興味はあるけれど経験したことがない分、未知の世界なのではないでしょうか。今回は、自分が売り手として、買い手としてM&Aで売買を行う際に適切な手法を選択できるよう、それぞれの手法の特徴をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。

M&A(Mergers and Acquisitions)とは

M&AのMは「Merger(合併)」、Aは「Acquisitions(買収)」の略です。直訳すれば、「合併と買収」。複数の会社を統合したり、ビジネスを売買する手法のことをM&Aと言います。

M&Aの手法の種類

一口にM&Aといってもその手法はさまざまです。3つの手法の特徴をご紹介します。

手法①買収

買収には、株式を取得する方法と事業を取得する方法の2パターンがあります。
株式を取得する場合は、「株式譲渡・移転・第三者割当増資」。
事業を取得する場合は、「事業譲渡・会社分割」の方法があります。

手法②合併

合併とは、2つ以上の企業が統合して1つの企業になることです。合併を行うことで買収側の1社を残して他の会社は吸収されることになります。

手法③分割

分割とは、企業が権利の一部もしくは全てを、そのまま別の会社に継承させることです。会社を分割する方法にも、「吸収分割」と「新設分割」の2種類があります。

M&Aで買収するケース

ここまで、M&Aの手法を3種類お伝えしました。ここからはそれぞれの手法について詳しく解説していきます。まずは①買収についてです。

株式取得

・株式譲渡について
株式譲渡とは、企業もしくは個人が保有する株式を売買し、株主の権利を他者に移行させることです。買い手側は経営権を獲得することになるので、その対価として売り手側に現金を支払います。

メリットは下記2点です。
①株主以外は何も変わらないので事業はそのまま存続できる
②取引先の契約などに関しても引き継ぐことができるため大きな影響がなく統合できる

株式譲渡の手続きは契約書の作成のみで完了するため、特別に株主総会を開いて承認を得る必要もなく、迅速に進めることができます。

デメリットは、会社を丸ごと買い取ることになるため、売り手側の損失に気づかずに引き継いでしまうリスクがあることです。リスクを回避するためには、デューデリジェンスを通じて買収する会社についてきちんと調べておきましょう。

<デューデリジェンスの意味と手続きについて>

・移転(株式移転)について

株式移転とは、基本的には自社の持株会社を設立するときに行われる手法です。メリットは、買収する際に株式交付することができるため、多額の資金がなくても行うことができます。

デメリットとしては、事務的な手続きが多い点です。株式移転を行う際には、事前に株主総会などを開き承認を得たり、株式移転計画書の作成や事前開示などを行わなければなりません。

・株式交換について

株式交換とは、発行済みの株式全てを他者が取得することです。通常株式交換は、他者を自社の完全子会社化する際に行われます。株式交換で完全子会社になった企業のことを株式交換完全子法人と言います。自社が発行する株式だけではなく現金でも交換が可能です。

・第三者割当増資について

第三者割当増資とは、企業が第三者に対して、新株の権利を割り当てることを言います。あくまでも売買という形ではなく増資のため、譲渡損益が生じません。

課税対象でないため売り手側に資金需要がある場合には有効な手法です。資本提携と並行して行うこともできるため事業の拡大や多角化も可能となります。

デメリットは、新規株式を発行して、発行済み株式数が増加することで1株に対する価値が下がり「株式の希薄化」に繋がってしまうことです。この場合、既存株主も影響を受けることになるため、損失を防ぐためにも株式を手放さなければいけない可能性もあります。

事業譲渡

事業譲渡とは、企業の固定資産やノウハウなどの全部もしくは一部を第三者に譲渡する手法です。買い手企業にとっては簿外債務までも引き受けてしまうリスクが少ない利点があります。その理由としては、譲渡対象になる資産・負債・従業員や契約等を選別した上で個別に進める必要があるからです。

その点に関しては、先述した株式譲渡と比べると手続きが難しくなることを留意しておきましょう。

合併するケース

次は合併するケースの手法を詳しく解説します。合併にも新設合併と吸収合併の二種類があります。違いを見ていきましょう。

新設合併

新設合併とは、買い手側と売り手側の企業を消滅させて新たな会社を新設させることです。同業者同士で新設合併を行った場合、これまでよりも規模を拡大して業界をシェアできる可能性が広がります。それにより大量に生産や仕入れが可能になれば大幅なコスト削減にもなります。

ただし、新たな会社を設立するか形になるため、吸収合併よりも多くの手続きが必要となります。また、システムやルールなども新たに設けなければなりません。

吸収合併

吸収合併とは、買収する会社が売り手側の権利を全て継承することです。
買い手側は新設合併に比べ必要な手続きが少ないため、合併までにかかる手間を短縮することが可能です。また、合併後に増加した資本金にのみ課税されるためコストを抑えることもできます。

一方で、買い手側は負債などのリスクも含めて引き継ぐ可能性があるため、先述したデューデリジェンスを行う必要があります。

会社分割

会社分割には、「新設分割」と「吸収分割」の方法があります。
新設分割は、切り出す事業を新たに設立する会社に継承させること。吸収分割は、切り出す事業を既存の会社に継承させる手法のことを言います。

その他の手法とは異なり、十分な資金が用意できなくても対価を株式で支払うことができることが特徴です。

資本業務提携とは

通常の業務提携よりもさらに強固な関係を構築する資本業務提携は、業務提携を行うために対象会社に対しては資産を注入し、提携先に対しては議決権を与える手法です。一般的に、資本提携を行うときには協力内容を明確にし、業務提携契約を締結することが基本です。

資本業務提携を行うメリットは、大きく3つあります。

1つ目は、ゼロから事業を育てていく時間やコストが不要で、一気に成長スピードを上げることができる点です。

2つ目は、単独では困難である経営資源を、資本業務提携によって獲得しやすくすることができます。

また、2つ以上の企業が資本業務提携を行い統合することでそれぞれの企業のノウハウや設備を活かすシナジー効果で、さらに大きな価値を生み出すことができるのが3つ目のメリットです。

業務提携の場合には資産移動は行いませんが、資本業務提携は資産移動など様々な手続きを行います。そのため、いったん構築した資本関係は簡単に解消することはできません。

双方にとってふさわしいM&A手法を

近年では、事業の存続や業務の拡大、新規事業の開拓のための戦略としてM&Aの手法を取り入れる企業も増えています。双方にとってメリットのあるM&Aを行うためには、仲介会社などを通じてアドバイスを受けたり、デューデリジェンスを行いマッチングの相談をするのも成功のカギです。

様々な手法があるため、企業にとってどのような方法でM&Aを行うかも重要です。売り手・買い手双方にとって意味のあるM&Aになるよう、それぞれの会社にとってふさわしい手法を選ぶようにしましょう。

 

 

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