「社会課題解決」のビジョンが両社を繋ぐ。M&AでAI実装力を取り込み、共に成長する戦略
2026年09月11日
2026年09月11日
コンサルティングや投資業を行うCoaspira株式会社は、2026年1月にシステム開発企業の合同会社Y.pm(2026年11月にCoaspira D-Labs株式会社へ商号変更予定) を譲り受けました。連携先の現場に向けた AI実装を構想し、卓越した技術力をもつY.pmのM&Aを決めたCoaspira。両社を繋いだのは、「社会課題の解決」を目指す明確なビジョンでした。今回、Coaspira代表取締役グループCEOの川崎正和様、代表取締役社長の川崎智寛様、 Y.pm代表の東様にインタビューを行い、M&Aの背景や合意プロセス、今後の事業計画についてお話を伺いました。
| 譲渡企業 | |
|---|---|
| 社名 | 合同会社Y.pm |
| 業種 | IT(受託開発) |
| 拠点 | 東京都 |
| 譲渡理由 | 経営基盤の強化 |


| 譲受企業 | |
|---|---|
| 社名 | Coaspira株式会社 |
| 業種 | コンサルティング業 |
| 拠点 | 東京都 |
| 譲受理由 | 既存商品・サービスの強化 |
—— 貴社の事業内容について教えてください。
買い手 川崎正和様:当社の重要なパートナー企業の一つに、児童福祉・障害福祉事業を全国展開するQOLグループがあります。福祉・医療領域においては、QOLグループを中心に、他の企業様とも連携しながら新規事業の開拓を行っています。 当社が主軸とする事業は2つです。
1つ目は「実装コンサルティング」です。戦略立案や提案書の作成にとどまる一般的なコンサルティングとは異なり、お客様の組織に深く入り込み、戦略、財務、AI、マーケティングなどを実際の現場に導入して企業価値を高めます。提案だけでは現場が動かないケースが多いため、私たちは徹底して「実装」にこだわっています。
2つ目は「価値共創型の投資」です。単に資本を提供してリターンを待つのではなく、当社の経営機能を持ち込み、対象企業様と共に価値を創出します。短期間でのバリューアップや高値売却を目的とせず、事業成長に深くコミットし、グループ全体で大きな成果を上げることを目指しています。
—— どのような業種を対象に事業を提供していますか?
川崎正和様:福祉、医療、スポーツ、エンタメの4領域を対象としています。これらの領域は、AIなどの最新技術の導入が後回しにされがちで、デジタル化が非常に遅れている分野です。そのため、社会的意義が大きいこれらの領域に私たちが率先して投資を行い、課題解決をすることにコミットしています。
—— M&Aを検討し始めた経緯について教えてください。
川崎正和様:当社は共同代表体制をとっています。 川崎智寛代表 は、業界のネットワークと現場理解を担い 、私(川崎正和・グループCEO)は業界を問わず、戦略・財務・AIを活用したコンサルティングと、同一・近接領域の企業を継続的にグループ化し、経営機能を共通化して全体の価値を高める取り組みを主に見ています。しかし、これからの時代に不可欠な「AIを実装する技術力」が社内に不足していたため、AI活用を提案しても現場への実装に至らないという課題がありました。
そこで、優れたAIノウハウを持つY.pm様にお声がけし、グループに参画していただきました。私たちのビジョンに共感していただき、まさにパズルのピースがはまったような感覚でした。
—— M&Aにおいて、どのような企業をターゲットにされているのでしょうか。
川崎正和様:選定基準は主に2つあります。1つ目は、後継者不在の中小企業様です。確かな技術や現場を持ちながら、後継者不在でお困りの企業様に、私たちの経営機能やAIを導入してバリューアップを図ります。たとえ赤字であっても、シナジーによる再建が見込める場合は積極的にお迎えしたいと考えています。
2つ目は、優れた技術を持ちながらも、実証フィールドを持たない事業者様です。今回のY.pm様がまさにこのケースです。Y.pm様が持つ卓越した技術力と、私たちが連携する現場という実証フィールドを掛け合わせることで、大きなシナジーが生まれると感じました。
—— Y.pm様の事業内容と、M&Aを検討された経緯を教えてください。
Y.pm 東様:当社は設立約4年で、主にシステムの受託開発を行ってきました。初年度は大型案件に恵まれ黒字でしたが、徐々に新規案件の獲得が難航するようになりました。自社のリソースのみでの事業拡大に限界を感じ、M&Aを選択肢として検討するようになりました。
—— M&Aを検討するにあたって、何を最も重視されましたか?
東様:最も重視したのは、M&A後の従業員の雇用と待遇です。今回、株式会社ミライア様に仲介をお願いし、4社ほどご提案をいただきました。その中で、従業員の処遇について最も現実的で安心できるお話をいただいたのがCoaspira様でした。
また、ビジネスの「社会的意義」も大きな決め手でした。その他の候補企業は、システム開発が主軸で規模拡大を目的としたM&Aだったため、これまでの延長線上の未来しか描けませんでした。
一方で、Coaspira様は「AIを用いて現場の課題を解決し、エンドユーザーに直接価値を届ける」という非常に前向きで意義深い議論ができました。社会課題の解決に本気で取り組む姿勢に惹かれたことが、最終的な決断に至った理由です。
—— 初回面談時の印象をお聞かせください。
東様:正直に申し上げると、最初はよくわからない部分もあったというのが本音ですが、面談を重ねるうちに、川崎智寛社長をはじめとする経営陣の皆様の事業に対する想いやお人柄が分かってきました。「この方たちとなら、新しい未来を共に創っていける」と強く感じるようになりました。
川崎正和様:私たちはPMI(M&A後の統合プロセス)において、ミッションやビジョンの共有を最重要視しています。ここが擦り合っていれば、統合後に文化的な摩擦は起きません。そのため、面談時にはこの部分にどれだけ理解をいただけるかを確認しており、逆にどれほど業績が良くても、ビジョンに共鳴いただけない場合はお断りしています。
今回の面談でも、条件面以上に「どのような思いで事業に取り組むか」というビジョンの共有を丁寧に行いました。その部分に共感いただけたのは、M&Aを前に進める大きなポイントでした。
—— M&Aを伝えた際の従業員の皆様の反応はいかがでしたか?
東様:非常に前向きに受け止めてもらえました。当社では、日頃から全社員に対して数字や財務状況をフルオープンにして共有していました。そのため、従業員自身も会社のボトルネックや先行きへの不安を正確に把握していたと思います。M&Aの検討も随時共有していたので、最終的な合意内容を伝えた際は、皆心底安心し、ホッとした様子でした。
—— バトンズを活用された感想と、仲介として支援されたミライア様へのご印象を教えてください。
川崎智寛様:他のサービスと比較しても圧倒的に使いやすく、日々多くの企業様と接点を持たせていただいています。その中から、ビジョンが重なる方とじっくりお話しできる。そういう出会い方ができるプラットフォームだと感じています。
また、今回間に入っていただいたミライアの波江田様には、本当に素晴らしいサポートをしていただきました。仲介会社の中には、目先の利益を優先して無理に企業価値を引き上げようとするケースも見受けられます。波江田様は単なる条件交渉にとどまらず、私たちの社会的な志を深く理解し、双方にとって最高の形になるよう奔走してくださいました。
東様:初めてのM&Aで不安も大きかったのですが、波江田様が私たちの心細さに優しく寄り添ってくださいました。当社の技術力や事業の社会的意義をCoaspira様へ丁寧に伝えてくださり、「何としてもこの2社を繋げたい」という情熱を持って親身に伴走していただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
—— PMIの進捗はいかがでしょうか?
川崎正和様:理念や目指す方向性の共有は進み、現在は次のビジネスステージへと進んでいます。今後はグループ内からの依頼を割り振るだけでなく、外部からの新規案件獲得も目指しています。
Y.pm様はこれまで新規受注の獲得に課題を抱えていましたが、東社長らの時間が足りなくなるほど活躍できるプロジェクトを多数用意していく予定です。
—— 最後に、それぞれの今後の事業展望についてお聞かせください。
東様:Coaspiraが対象とする医療、福祉、スポーツ、エンタメの領域には、現場で働く方々が多数いらっしゃいます。その方々がより良い労働環境で仕事ができるよう、システムやAIを構築していきたいです。それぞれの現場作業の自動化・効率化を進め、働く人々の負担を軽減するソリューションを積極的に提供していければと思います。
川崎正和様:私たちはM&Aを成長のための強力な手段と捉えており、今後も自社の価値向上とパートナー企業の開拓を積極的に進めます。優れた技術を持ちながら、それを試すフィールドをお持ちでないエンジニア企業様などと、ぜひご一緒したいと考えています。
私たちは、代表を含め、若い世代のメンバーが中心となって経営していることも特徴のひとつです。目先の数年ではなく、10年後、20年後も会社を存続・成長させ続けるという強い責任感を持っています。事業を買うというより、その事業が次の世代まで続いていく仕組みを一緒につくる。そういう感覚に近いです。
事業を売却して終わりではなく、次世代に向けて市場を広げ、新しい価値を共に創り上げていきたい。そういった熱い思いを持ったオーナー様に、ぜひ私たちの仲間に加わっていただきたいです。
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