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2件の学習塾を同時成約!M&Aを活用した若き経営者の事業戦略

2026年09月01日

獣医学部の学生時代に起業し、専門塾や動物病院など多角的な事業を展開してきた株式会社wevet代表の上井登志之様。新たな事業拡大の手段としてM&Aに着目し、バトンズを通じて地域密着型の学習塾と、医学部受験特化のオンライン学習塾を譲り受けました。2つのM&Aを同時に進めるにあたり、どのような買収基準を設け、M&A後にどんな改善施策を行ったのか。20代経営者のM&A戦略についてお話を伺いました。

 企業概要 

株式会社wevet
HP:https://wevet.co.jp/

教育事業を主軸として、獣医専門オンライン予備校「ベレクト」、獣医師国家試験予備校「ベレクトNEXT」等を展開。M&Aで学習管理型オンライン個別指導「医進会」、個別指導・学習塾「こだわり塾」を譲り受け、学習塾事業を幅広く展開。そのほか、ペット領域の事業開発を支援するコンサルティング事業「ペトプロ」も展開。

 

インターン経験を経て学生起業。ゼロイチではなくM&Aに活路を見出す

──貴社の事業内容と上井様のご経歴をお聞かせください。

当社は教育事業を主軸に、獣医専門のオンライン予備校や国家試験対策塾などを運営しています。起業のきっかけは、私が東京農工大学の獣医学部に在学中、約1年半にわたり経験したインターンシップです。

獣医学部の学生の多くは、卒業後に臨床医や公務員の道に進みます。しかし私は動物病院を展開する企業でのインターンを通じて、プロジェクトを自ら企画して形にすることの魅力と適性を感じ、起業を志すようになりました。

最初に教育事業からスタートしたのは、私自身が受験生時代に地方特有の情報不足で苦労した経験があったからです。その原体験をもとに、当時の自分が「こんな塾があったら‥」と思える学習管理型の専門塾を、在学中に立ち上げました。

──M&Aに着目された経緯と、買収検討基準を教えてください。

これまでさまざまな事業にチャレンジしてきましたが、当然ながら軌道に乗らないケースも多くありました。

その経験から、ゼロからの立ち上げよりも「すでに土台がある事業」の改善に集中する方が、確実かつ迅速に事業を伸ばせると考え、M&Aを検討するようになりました。

M&Aの選定には、主に3つの基準を意識しています。1つ目は、会社全体の財務健全性を維持しながら、投資回収の見通しを持てる案件であること。2つ目は、一定の収益性が確保されている、あるいは自社の施策によって収益性を改善できる具体的な余地があること。3つ目は、自社のノウハウによってサービスや商品の質を改善・向上させられる事業であることです。

当社は現在、教育事業を主軸にしていますが、M&Aの対象を教育業界のみに絞っているわけではありません。集客、サービス設計、業務改善、組織運営など、これまで培ってきたノウハウを活かして事業価値を高められる領域を中心に検討しています。

オンラインとリアルの学習塾、同時期に2件のM&Aを決断した決め手と改善施策

──譲り受けた2つの事業の決め手は何だったのでしょうか?

今回、バトンズを通じてほぼ同時期に、医学部受験に特化したオンライン予備校「医進会」と、埼玉県川口市の地域密着型学習塾「こだわり塾」の2つの事業を譲り受けました。

「医進会」に関しては、当社がすでに獣医学部向け・獣医師国家試験向けのオンライン塾を運営していたため、ダイレクトなシナジーを見込めたことが大きな理由です。「こだわり塾」は、地域に長く根付き、一定の生徒基盤を持っていたことに加え、商圏や競争環境も魅力的でした。

また、前オーナーが現場に業務を任せていたため、現場スタッフを中心に教室を運営できる体制がすでに整っている状態でした。現場の安心感と、今後の成長余地も見込めたので非常に魅力を感じました。

──事業を譲り受けた後、どのような改善施策に着手されていますか?

「医進会」では、既存サービスの強みを整理したうえで、サービス内容と料金体系、Webサイト、集客導線などの見直しを進めています。「こだわり塾」においてもWebサイトをリニューアルし、デジタルマーケティングの強化を図っています。定期的に現地へ足を運び、教室を支えているスタッフとコミュニケーションを取りながら改善を進めています。

──交渉プロセスにおいて、難しさや壁を感じたポイントはありましたか?

「こだわり塾」の案件では、秘密保持の契約上、成約前に現場の教室長と直接お話しすることができませんでした。そのため、キーパーソンがどのような方なのか、M&A後に私たちとうまくやっていけるのかというのがリスクとしてありました。

その点は、開示された運営状況や組織体制、スタッフへの業務移管状況などを確認するとともに、売主様との対話を重ねながら総合的に判断しました。結果として、実行前の判断通り現場の方々にも恵まれ、良いM&Aになったと感じています。

「医進会」の方は、デューデリジェンスを進める中で、承継する資産・契約や責任範囲をより明確にすることが適切だと判断し、当初検討していた株式譲渡から事業譲渡へスキームを変更しました。その際に先方と交渉をした部分がありましたが、それ以外はスムーズに進んだという感覚です。

成長の鍵は「再現性」。M&Aを駆使して教育事業の枠を超えた多角化戦略

──バトンズをご利用いただいた率直なご感想をお聞かせください。

特に小規模なM&A案件では、案件規模に応じて取引コストをコントロールすることが重要だと感じています。法務・財務など専門的な確認が必要な場面では専門家の力も借りながら、必要な部分に適切なコストをかけられる点も重要だと思っています。その点、バトンズはコストを抑えつつ、売り手様と直接スピーディーに対話できるプラットフォームとして非常に有効だと実感しています。

また、案件の網羅性も魅力のひとつです。M&Aを積極的に検討していた当時は、2日に1回くらいのペースで新着案件をチェックしていました。有料プラン(プレミアムプロ)を利用した際も、専任の担当者から優良案件をご提案いただき、交渉開始への強力なきっかけになりました。

──譲り受けた各事業の今後の成長プランについて教えてください。

「医進会」は現役医学生による指導と、毎日の自学自習まで管理する仕組みに大きな強みがあります。地方国公立医学部への強みをさらに磨きながら、私立併願・私立専願の受験生にも対応していきます。

一方、「こだわり塾」は地域密着型の塾として歴史が長いため、当面はこれまでのスタイルを変えずに運営していく方針です。まずは既存校の運営基盤と収益力をさらに強くし、その先の選択肢として複数教室展開やフランチャイズなども検討していきたいと考えています。

──最後に、経営者としての今後のビジョンをお聞かせください。

現在は教育事業を軸に事業を展開していますが、その領域に限らず、素晴らしい商品やノウハウを持ったビジネスをスケールさせる「プロデューサー」でありたいと思っています。
構造的な成長余地があり、当社のノウハウを活かして顧客に提供する価値を高められる事業に挑戦していきたいです。

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