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設立3年で上場企業グループへ!M&Aを決断した20代女 性起業家の新たな挑戦

2026年08月14日

20代半ばでSNSマーケティング会社を設立した伊藤舞様。会社のさらなる成長を見据え、設立から3年のタイミングで上場会社への譲渡を決断しました。現在も代表取締役として経営を担いながら、譲渡先グループの一員として挑戦を続ける伊藤様に、M&Aを決意した背景や譲渡先選びの基準、交渉を通じて感じたことなどについて伺いました。


 

譲渡企業
社名 株式会社エッセンスマーケティング
業種 マーケティング
拠点 東京都
譲渡理由 経営基盤の強化

 


 

譲受企業
社名 株式会社ネオマーケティング
業種 マーケティング
拠点 東京都
譲受理由 既存商品・サービスの強化

 企業概要 

株式会社エッセンスマーケティング
HP:https://essence-marketing.co.jp/

TikTokやInstagramを中心に、企業のSNSアカウントを戦略設計からコンテンツ制作、投稿運用までを一気通貫で支援。また、女性向けマーケティングスクール「ABCマーケティング」も運営。2026年4月にネオマーケティンググループへ参画。

 

TikTok、Instagram等の運用支援を軸に展開。女性集客を強化したい企業を業種問わず支援

── 貴社の創業背景と事業の特徴について教えてください。

私は大学時代からSNSに強い関心を持ち、インフルエンサーに近い立場で活動していました。卒業後は新卒でIT系ベンチャー企業に入社し、その後楽天グループへ転職。会社員として働く中で、「裁量を持った仕事ができるまでには時間がかかる」と感じるようになったことが、起業を決めたきっかけです。

当時は20代半ばでしたので、うまくいかなければもう一度就職すればいいという気持ちでまずは挑戦してみようと思い、2023年4月にエッセンスマーケティングを設立しました。最初は業務委託を活用しながら、私一人で始めました。

現在の主要事業は、企業のSNSアカウント運用支援です。企画立案から動画制作、投稿、分析・改善までを一貫して支援しています。

広告に頼らず、オーガニックで再生数やフォロワーを伸ばす企画力とアカウント運用力が当社の強みです。広告費を投じればTikTokなどは容易に再生数を伸ばせますが、ユーザーは広告に慣れているため、費用対効果が悪いケースも見られます。

だからこそ、中長期的にファンを増やしていくために、オーガニックで継続的にアカウントを成長させることが重要だと考えています。

── 創業から数年で、堅調に事業を伸ばされています。その要因は何だったのでしょうか。

SNSマーケティング業界が追い風だったことに加え、若い女性だけで構成されたSNSマーケティング会社が少なく、差別化できていたことが大きかったと思います。

クライアントは、女性向けのマーケティングを強化したい企業が中心で、化粧品メーカーをはじめ、ストレッチサロンやピラティスなどのウェルネス事業者、女性向けのスクール・習い事関連、女性客を増やしたい飲食店など、幅広い業種を支援しています。

バトンズで情報公開後、1週間で上場企業2社からオファー。「想像以上の反響」

── 今回、M&Aをお考えになった理由は何でしょうか。

一番の理由は、「自分一人で事業を成長させること」に限界を感じていたからです。事業を一定レベルまで成長させた段階で、経営者としての経験不足を感じるようになりました。

一方で、女性向けのSNSマーケティング市場には大きな成長余地も感じていました。自社だけで成長を目指すよりも、資本や経営ノウハウを持つ企業と組むことで、より大きく事業を伸ばせると考え、M&Aを決断しました。

── どのような方法でM&Aを進めたのでしょうか。

大手M&A仲介会社に勤める友人へ相談したところ、バトンズを勧められて2025年春ごろに登録しました。

バトンズで案件情報を公開してみると、反響は想像以上でした。約1週間で10社ほどからオファーが届き、そのうち2社は上場企業でした。設立からまだ2年だったので、上場企業から声をかけていただけたことには驚きました。

その後、4〜5社とトップ面談を行い、譲渡先企業を検討していきました。

自社課題を補完できる買い手企業の強みと、経営陣の人柄・経験値が決断の後押しに

── 多くの買い手様の中から、ネオマーケティングを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

最初の面談で、橋本社長をはじめ経営陣の皆さんの雰囲気がとても良く、「この会社と一緒に事業を成長させたい」と感じました。

事業面も、当社にとって非常に魅力的でした。設立間もない当社は、新規顧客の開拓や信用力の面が課題でした。多くの取引先を持つネオマーケティングは、私たちの課題を補完できる強みを持った会社でした。

また、橋本社長の創業者としての豊富な経験も安心材料のひとつでした。今後さまざまな課題が生じても、橋本社長のもとであれば乗り越えていけると感じましたし、「この方と同じ船に乗って挑戦したい」と思いました。

──最初のトップ面談では、ご自身からネオマーケティング社を訪問されたそうですね。どのようなお気持ちだったのでしょうか。

私にとって売り手として企業を探すことは、就職活動に近い感覚でした。これから運命共同体となる会社ですから、条件だけではなく、自分自身の目で会社の雰囲気や経営陣の人柄を確かめたいと考えていました。

また、こちらから訪問することで敬意を示せますし、本気でご一緒したいという思いも伝えられると思っていました。

従業員はM&Aにポジティブな反応。今後サポートを受けられることに安心感

── 貴社はZ世代の女性が中心の組織ですが、M&Aで会社の雰囲気が変わることへの不安はありませんでしたか?

面談を重ねる中で、当社の企業文化や価値観を尊重していただけると感じていたため、全くその不安はありませんでした。

実際にグループへ加わってからも、私たちの社風はそのまま尊重していただいています。強みを生かしながら、足りない部分はグループに補っていただける環境が整い、以前よりも事業に集中できるようになったという実感があります。

── M&Aを従業員の皆さまへ伝えた際の反応はいかがでしたか?

とてもポジティブな反応でした。設立間もない当社を上場企業が評価し、「一緒に成長していこう」と言ってくださったことは、メンバーにとっても大きな自信になったと思います。また、若いメンバーが中心の会社だったこともあり、経験豊富な経営陣のサポートを受けられることへの安心感も大きかったようです。

── M&Aを進める中で、大変だったことはありましたか?

本格的なM&Aは初めてだったので、分からないことばかりでした。例えば、EBITDA(※)という言葉の意味すら最初は知りませんでした。

バトンズの担当者である海山さんに一つひとつ丁寧にサポートいただき、条件交渉もこちらの意向を汲み取りながら進めていただけたので、不安を感じることはありませんでした。

(※)EBITDA‥会社の収益力を示す指標の一つで、利払い前・税引き前・減価償却前利益のこと。

M&Aの大きな変化は、経営面で手厚いサポートを受けられるようになったこと

── 伊藤社長はM&A後も継続して経営を担われていますが、今後の事業成長に向けた想いをお聞かせください。

ネオマーケティンググループの一員として、グループの成長にしっかり貢献していきたいと考えています。そのためにも、まずはエッセンスマーケティングを着実に成長させることが目標です。その上で、グループに欠かせない存在として、長く価値を発揮していきたいと思っています。

── PMI(統合後の取り組み)は、現在どのように進めていますか?

通常業務はこれまでとほとんど変わっていません。一方で、管理体制は無理のない範囲でネオマーケティングの仕組みに合わせながら進めています。

M&A後の一番大きな変化は、経営面で手厚いサポートを受けられるようになったことです。判断に迷ったときにすぐ相談できる環境があり、経営者としての基本的な考え方を学ばせていただいています。

私は社会人3年目で起業したこともあり、経営について深く相談できる相手がいませんでした。同じ目線で会社の成長を考え、必要なタイミングで助言をいただける環境は、とても恵まれていると感じています。

写真)左から4番目:伊藤様、5番目:ネオマーケティング 橋本社長、7番目:バトンズ 海山

── M&A後のシナジーについては、どのようにお考えですか。

営業面では、早くもシナジーを実感しています。ネオマーケティングには強固な営業基盤があるため、新たな顧客との接点が大きく広がりました。

今回のM&Aは2月にIR(投資家向け情報公開)を公表し、4月にグループ入りしましたが、正式なグループ化を待たず、2月の時点から案件をご紹介いただいていました。実際に3〜4月にかけて受注も始まっており、早い段階で成果につながっていることを嬉しく思っています。

グループの「SNSマーケティング」を担う会社として、存在感を発揮していきたい

── ネオマーケティンググループとして、今後の目標はありますか?

一番の目標は、ネオマーケティンググループのポートフォリオの中で、キラリと光る存在感のある子会社になることです。SNSマーケティングは、今後も成長が期待される領域です。その分野を担う子会社として実績を積み重ね、グループ全体の企業価値向上に貢献していきたいと思っています。

── 最後に、経営を通じて実現したいビジョンを教えてください。

私が一貫して考えているのは、「女性がもっと楽しく働ける社会をつくるために、自分に何ができるか」ということです。

学生時代は、仕事は我慢するもの、つらいものというイメージを持っていました。しかし実際に働いてみると、自分の力で社会に価値を生み出し、誰かの役に立てることはやり甲斐があり、楽しいことだと実感しました。

一方で、今でも仕事に対してネガティブなイメージを持っている方は少なくありません。だからこそ、自分自身の経験や価値観を発信しながら会社を成長させ、「働くことは楽しい」と感じられる女性を一人でも増やしていければと思います。

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