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終活や死後手続きの概念を変えるソーシャル企業。M&Aでさらなる利用拡大を目指す

2025年01月06日

死後事務手続きサポートサービス「MyPath(まいぱす)」を中心に、終活支援事業を手掛ける「株式会社まいぱす」はこの度、神奈川県で訪問介護事業所を運営する「株式会社アリスの介護」を譲り受けされました。今回初となるM&Aに取り組まれたまいぱすの代表取締役を務める田中勢士様に、M&Aに取り組まれた背景や今後の成長戦略について、お話を伺いました。


 

譲渡企業
社名 株式会社アリスの介護
業種 訪問介護
拠点 神奈川県
譲渡理由 選択と集中

 


 

譲受企業
社名 株式会社まいぱす
業種 個人向けサービス業
拠点 山口県
譲受理由 事業拡大

 


家族みんなで終活について話し合う社会を創る

山口県防府市に本社を置くまいぱすは、終活支援や死後手続きのサポート事業などを展開している会社です。現在提供しているサービス内容には、LINEや電話での就活相談、相続不動産の相談・サポート、ご家族が亡くなった際にご遺族が対応する手続きをサポートする「おくやみ110番®」などがあります。

2024年12月にスタートした「おくやみ110番®」は、24時間365日全国を対応エリアとしており、ご家族が急に亡くなった場合にも即日相談をすることができるサービスです。核家族化が進む現代では、家族と離れて暮らす家庭も多く、親の急逝に対する遺族の負荷が大きくなっているのが現状です。

そんな悩みに対して、地方の行政手続きや専門家、現地スタッフとの連携を通じて、ご遺体搬送や葬儀の準備などの手続きを速やかにサポートするのが本サービスです。田中様がこれらの事業を立ち上げるに至ったのは、自身の実体験がきっかけだったといいます。

「親族が亡くなった際、家族が葬儀の手配や参列者の対応などで慌ただしい時間を過ごしている様子を見ていました。本来、家族こそ亡くなった方との最期の時間をゆっくり過ごしたいはずなのに、さまざまな対応に追われてそれどころではない状況が当たり前になっていることに違和感を抱いていました。

『身近な家族こそ、故人と過ごす最後の時間を有意義に使えるようにするべきではないか』、『ご家族の負担を減らす方法はないか』と考えたことが、ご遺族支援サービスのビジネスモデルが生まれるきっかけとなりました。」

現在、ご家族の急逝に対して対応に悩まれた方が、ネット検索を通じてまいぱす社に問い合わせるケースが増えているとのこと。ご遺族支援サービスの利用が広がりつつある一方で、まいぱすでは人生の終わりについて事前に考え活動する「終活関連サービス」にも注力しています。

LINEを活用した終活相談や、家族のために終活に取り組みたい方を対象にした「家族終活ワークブック」の編集・発行、SNSの発信などを行なっており、誰しもに訪れる死に対して、家族で事前に話し合い、人生の終え方を考えるような社会の推進に向けてサービスを展開しています。

「私たちがテーマにしているのは、ご本人だけでなく、配偶者やお子様など、家族みんなで終活を考える『家族終活』です。日本では家族の間で死について話すことが敬遠されがちですが、人生設計の中で『人生をどう終えたいのか』は重要なテーマだと考えています。私たちのサービスをきっかけに、家族で死について話し合っていただければと思います。」

創業から4期目のM&A経験は、今後の成長に役立つ

今回、まいぱすがバトンズを通じて譲り受けたのは、訪問介護事業所を運営する「アリスの介護」です。同社は神奈川県川崎市に事業所を置き、利用者に生活援助や掃除、食事の用意などのサービスを提供。「社会復帰をしたい」「自宅で看取りたい」など、利用者一人ひとりの希望に合わせたきめ細やかなケアを大切にし、約10年間事業を運営してきました。

ご遺族支援や終活関連事業を展開しているまいぱすが、訪問介護事業所をM&Aで譲り受けた背景について、田中様は以下のように解説します。

「まいぱすは創業から4期目の企業であり、今はサービスの認知度向上と利用拡大を進めている段階にあります。認知を広げるには私たち自身の情報発信だけでは限界があるため、病院や介護施設、葬儀関連企業などと提携を進めてきました。そのような他社との連携を進める中で、手段のひとつとしてM&Aも検討し始めました。

ただ、施設には多くの利用者様がいらっしゃいますので、譲受することは大きな責任を伴います。その課題に関しては、当社に介護業界の経験豊富なメンバーがいますので、その者が役員となって引継ぎを行うことを想定して、事業規模や内容で運営できそうな事業所を探していました。」

今回譲受したアリスの介護でも、まいぱす社員が役員となり、事業の引継ぎとスタッフへのサポートを進めていくとのこと。創業から4期目のタイミングでM&Aを経験したことは、まいぱすの今後の成長にプラスになると田中様は話します。

「ご遺族支援や終活に関する事業の利用者が増加する中で、今後もさらなる成長に向けた事業戦略を練っています。その具体的な手法として、M&Aも選択肢の一つとしています。創業から早いタイミングでM&Aを経験することは、ノウハウの蓄積にもつながると考えています。」

訪問介護事業所の譲受は、サービスの認知度向上に貢献

まいぱすでは、自社サービスとの相乗効果を考慮し、当初から譲受先を介護事業所に絞り込んでいました。候補となった介護事業所の中から、アリスの介護を選んだ理由について田中様は「堅実な経営と社風」を挙げています。

「アリスの介護の譲受を検討するにあたって決算書を拝見すると、毎年コツコツと黒字を積み上げておられることがわかりました。また、代表の横山様とお話しした際にも、10年間真面目に歩んできた印象を受けました。このような堅実な経営を続けてきた企業と共に歩んでいけることは、社歴が浅く成長過程にある私たちにとって大きなプラスとなります。」

アリスの介護を譲受したことで、利用者にご遺族支援や終活サービスを紹介したり、身寄りのない方がお亡くなりになった際に死亡事務手続きサービスを提供したりするといった相互送客が期待できます。

初めてのM&Aだったが、条件交渉から契約までスムーズだった

初のM&Aに取り組んだ田中様でしたが、交渉から契約までの流れはとてもスムーズだったとのこと。そのM&A過程について、以下のように振り返っています。

「まいぱすとアリスの介護の間で条件交渉を行った際、条件で食い違うようなことはありませんでした。本当にスムーズに決まったという印象です。強いて挙げるとするなら、契約成立というゴールに向かって、自分たちが今どの段階にいるのかがわからず、少々不安に感じることもありました。ただ、この部分についてもバトンズの担当者である川村さんが売り手と買い手の間にうまく入ってコントロールしてくれたおかげで、ストレスにはなりませんでした。」

M&Aの初回実施時は様々な課題やトラブルが発生することもある中で、ご成約までスムーズに進めることができたと話す田中様。M&Aの過程を振り返ったときに、うまく進められた要因は何だったのでしょうか。

「まず基本的なスタンスとして、私たちがアリスの介護を選ぶのではなく『相手に私たちを選んでいただく』という心情でM&Aに臨んでいました。その上で、まいぱすの実状については包み隠さずにすべてをオープンにしてお話しすることを心掛けました。これにより、安心していただけた面があるのではないかと感じています。」

終活や死後手続きなどをワンストップで行えるプラットフォームを構築

まいぱすの成長戦略として、今後もM&Aを積極的に取り入れていく可能性を示唆された田中様。対象は、今回譲り受けた介護領域に加えて、葬祭関連企業なども考えられると話します。一方で、今回の経験を振り返り「M&Aはご縁である」と強調しています。

「実際に経験してみて、M&Aはお見合いのようなものであり、最終的にはご縁だと感じています。例えば、売り手様の希望価格が割安で、なおかつ高収益な企業であっても、私たちの企業文化と異なる社風であれば成就することはないでしょう。今回のM&Aがスムーズに進んだのは、業種は異なるものの、まいぱすとアリスの介護の根本的な価値観が似ていたからだと思います。

これまでの私たちの主力事業は、ご遺族支援や死後事務手続きなど、亡くなった後のサービスでした。現在新たな事業の柱として育てているのは、家族の終活や相続サポートといったサービスです。これにより、ご家族全員が終活から死後手続き、さらには相続までをワンストップで行えるプラットフォームが生まれます。

ただし、終活や死後手続きの概念を私たちだけで変えていくには限界があります。多くの事業者と連携を進めながら、当社の目指す社会実現のために着実に進んでいきたいと思います。」

株式会社まいぱす、株式会社アリスの介護の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同心より応援しております!

 

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