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長野駅近隣のゲストハウスを事業承継!コロナと病気をきっかけに取り組み始めたM&Aの道のり

2024年07月01日

長野駅から徒歩5分という好立地にあるシェアハウス「森と水バックパッカーズ」。近隣には日本有数の観光地である善光寺もあり、開業から多くの旅行者に愛されてきた宿です。オーナーとして約13年間ゲストハウス運営をしてきた三井明高様は、自身の病気をきっかけに事業承継を検討。バトンズを通じて、長野県松本市出身の藤澤厚太様へ譲渡を実現されました。宿泊業を営む中で実感したコロナ禍の苦難、M&Aに至るまでの道のりと事業への想い、そして譲渡実行までの経緯についてお話を伺いました。


 

譲渡企業
事業名 森と水バックパッカーズ
業種 宿泊業(ゲストハウス)
拠点 長野県
譲渡理由 選択と集中

 


 

譲受企業
区分 個人
業種 コンサルティング業
拠点 長野県、東京都
譲受理由 起業

 


地方都市でも手軽に使えるゲストハウスを開業

三井様がシェアハウス「森と水バックパッカーズ」を開業されたのは、2011年のこと。40歳で脱サラし、アウトドアのツアーガイドをされていた三井様は、旅行客と接している中で「設備やアメニティは最低限でよいので、安価に宿泊できる施設はないものか」と思案する機会が増えていきました。

ゲストハウスは今でこそ日本全国で数も増えて盛んになっていますが、今から15年ほど前はその数も少なく、誰もが手軽に利用できる環境にはなかったといいます。

「当時、ゲストハウスは東京や京都にいくつかあり、海外からの旅行客が利用していましたが、地方では一般的ではありませんでした。設備は簡素でも、気楽に過ごせてゲスト同士も交流できる、そして宿泊費も安い。旅行客からの要望の中で、手軽に使えるそんなゲストハウスがあればと思っていました。

そんな構想を描く中で、三井様は長野駅徒歩5分という利便性の高い場所でゲストハウスの開業を決意。北アルプスなど有名な観光地へのアクセスもよく、またゲストハウスが日本全国で数多く開業される時代を迎えたこともあり、開業後は多くの旅行客が押し寄せることになります。

「最初は設備やアメニティなどについて指摘される宿泊客もいましたが、だんだんと望んで泊まりに来てくれる方も増え、ゲストハウスという形態にも馴染んでいってもらいました。やはり、宿泊費が安いのはお客様にとって魅力的です。私も『価格=品質』と考えていましたから、お客様の期待に応えるべく、安く泊まってもらう工夫を色々と模索してきました。」

2018年には、訪日外国人客が3000万人を超え(日本政府観光局調べ)、外国人観光客が数多く押し寄せる、いわゆるインバウンド全盛の時代を迎えます。それに併せ、ゲストハウスも多様化し、さらには民泊ブームも到来。手軽に旅行客を宿泊させる施設が急激に増えていきました。そんな環境変化に伴い、三井様は経営の舵取りに悩む機会が増えていったといいます。

『価格=品質』を開業時の経営理念に掲げていた三井様ですが、例えば宿泊業としてのサービス向上を目指せば、スタッフを常駐させた方が理にかなうのは誰もが理解できます。しかし、安価に宿泊できることが魅力の「森と水バックパッカーズ」で、スタッフを数多く常駐させれば、人件費を押し上げる要因となり、経営と相反することになります。

「そのあたりのバランスを考えた舵取りに苦労しました」と漏らす三井様。さらに、インバウンドブームに沸いた日本の観光業は2020年を迎えると、今まで経験したことのない非常事態に直面することになります。

 

コロナ禍の苦難と病気をきっかけに事業承継を検討

2020年春先から本格化したコロナ禍は、観光業、特にホテルや旅館といった業態に大きな影響を与えました。コロナ前までは年中無休で運営していた森と水バックパッカーズも休業を余儀なくされ、金曜日・土曜日だけの開店にするなど、厳しい経営の舵取りを迫られます。

「これまでは1〜2泊の旅行客が中心でしたが、コロナ禍を機に長期滞在も受け入れ始めました。長期滞在だと人手もあまりかからずに済むので、今までの運営方針をガラっと変えていきました。実は、コロナ禍の休業タイミングで従業員にも辞めてもらいまして。休業明けは私1人で再開したので、そこからは『いかに人手をかけずに対応できるか』が大きなテーマになっていました。」

やがて、コロナ禍も終息の兆しが見え始めると、全国の宿泊施設にも少しずつ宿泊客が戻り、2023年に入るとコロナ前と同程度の水準にまで宿泊客の予約も戻っていきました。森と水バックパッカーズも、久々に忙しさを感じるようになりましたが、その矢先に三井様の身体に異変が生じます。

「実は脳梗塞を患ってしまったのです。軽症なので日々の生活に問題はないのですが、入院はしなくてはいけません。自分一人で運営していたので、いざ入院するとなると、ゲストハウスはどうすればいいのか。新規予約はストップしたものの、来週以降もすでに予約が入っている状態。さすがに焦りました。自分の年齢のことも考えると、そろそろ手を引いた方がよいのかもしれないという結論に至ったんです。」

そのまま廃業することもひとつの選択でしたが、運営次第でしっかり利益が出る事業であることは三井様自身がよく知っています。それであれば、誰かに引き継いでもらえないものかと考え、長野県事業承継・引継ぎセンター(※)へ相談に向かいます。

(※)事業承継・引継ぎ支援センターとは ‥ 国が設置する公的相談窓口。 全国47都道府県に設置されており、後継者不在の中小企業・小規模事業者と譲受を希望する事業者とのマッチングを支援する機関。

 

譲渡先決定の決め手は「情熱」と「意欲」

左から二番目:藤澤様、左から三番目:三井様

長野県事業承継・引継ぎセンターに相談すると、いくつかの買い手候補者を紹介され、ここから三井様の事業承継への道のりが始まりました。

「事業承継・引継ぎ支援センターから買い手候補者をいくつか紹介してもらいましたが、少し意向が違うとわかりました。そこで、バトンズさんを紹介してもらったんです。」

譲渡するのであれば、引継ぎ先に成功してもらいたいと考えていた三井様は、できれば宿泊業の経験がある方がよいだろうと考えていました。宿泊業は認可等の手続きが煩雑であることを自身の経験から理解してたため、経験者の方が事業の引継ぎもスムーズに進むと考えたのです。

「バトンズさんに登録してから、1週間で3件くらい応募をいただきました。その後も週に1件くらいは応募がきていたと思います。まずは、宿泊業の経験がある方と具体的に交渉を進めましたが、2ヶ月くらい経った頃に、相手方が融資がおりない関係で引継ぎが難しくなったと連絡がありました。そこで、他の候補の方に連絡をとった際に『ぜひ、やらせてください!』という返事を頂いた方が、藤澤さんでした。」

譲渡先となった藤澤様は、東京在住の長野県出身。同じ長野出身の友人2人と地域創生の事業に挑戦したいと考え、M&Aを模索していたところでした。藤澤様は、これまで宿泊業の経験がなく、当初三井様が検討していた条件から外れている候補者でしたが、譲渡を決めた背景は何だったのでしょうか。

なによりも『情熱』と『意欲』ですね。確かに宿泊業の経験はありませんでしたが、経営するためにご自身で色々と調べて相談してきますし、事業承継の知識もある程度持っていました。一緒に事業をやる友人の方とも話をしましたが、熱意を感じました。率直に『この情熱はいいなぁ』と感じましたね。」

譲渡が成立したのは、バトンズで譲渡先を探し始めてから約5カ月が経った頃でした。

 

ゲストハウスを次世代に繋げ、前オーナーは新たな道へ

三井様は、すでにゲストハウス運営からは離れており、おおよその引継ぎも終えています。成約から2ヶ月間ほどが経ち、宿泊業としての事務的な作業や運営方法なども引継ぎができているといいます。

「譲渡を終えて、想像していた以上に心がスッキリしました。これで病気になっても心配ありませんし、時間にも余裕ができました。」

10年以上のゲストハウス運営に一区切りがついた三井様。これまでの経営を振り返り、ゲストハウスのやり甲斐や大変だったポイントについて、以下のように話しています。

「私の場合、ゲストハウスを賃貸業的ではなく、仲間集めの感覚でやっていました。共感できる仲間が集まれば、本当に面白いです。ただ、コミュニティ形成において感覚が合わない人を受け入れてしまうと、なかなか大変です。

もし同じような考え方でゲストハウス運営を考えている人は、やはり最初に会って話をするだけでなく、1日ゲストハウスに泊まってみてもらい、体験してもらってから判断すると良いと思います。」

郊外に自給自足可能な田舎暮らしの施設を保有している三井様は、今後はその施設で体験者を受け入れたり、シェアハウスやゲストハウス事業を展開したいと意気込みます。初となるM&Aを終え、最後にバトンズを利用した感想についてもお伺いしました。

「バトンズは、先方とのコミュニケーションをしっかりサポートしてもらえます。その点が助かりました。オンラインでのコミュニケーションをとりやすい環境をつくっていただいたおかげで、藤澤様とフランクに色々と話し合うことができましたね。M&Aは、良い方に出逢えるかどうかが全てだと思っています。バトンズは、その環境を手軽に利用できるので、うまく話が進みやすいんだと思います。」

「良い方と出逢うのがすべて」と安堵の表情を浮かべて話す三井様は、納得するM&Aを実現し、新たな活動へ歩みを始めていました。

森と水バックパッカーズの今後のご発展を、バトンズ一同、心より応援しております!

 

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