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元請け比率9割の造園会社がM&A!会社の将来性を見据え、異業種企業へ会社を託す

2024年04月15日

エクステリア・ガーデンリビングの設計・施工を営む有限会社シープランツは、都市公園管理や廃棄物処理業などを行う有限会社ジャパンクリーンサービスへ会社譲渡を実現されました。設立から20年以上堅実な経営を続けてきたシープランツ代表取締役の森修一様は、後継者不在によりM&Aを検討。M&Aアドバイザリー業務を手掛ける「株式会社アシブネ」とともに後継者探しを進めてきました。自身で創業した会社を異業種となるジャパンクリーンサービスへ譲渡することを決めた背景や、M&Aの過程における心情の変化について、森様にお話を伺いました。


 

譲渡企業
社名 有限会社シープランツ
業種 エクステリア・ガーデンリビングの設計・施工
拠点 愛媛県
譲渡理由 後継者不在

 


 

譲受企業
社名 有限会社ジャパンクリーンサービス
業種 都市公園管理業、廃棄物処理業など
拠点 広島県
譲受理由 新規エリアへの進出

 


「脱下請け」の取り組みで、安定的な経営体制を実現

長年にわたり無借金経営を続けてきたシープランツは、多くの会社がコロナ渦で苦境に立たされる中でも、売上を大幅に減少させることなく経営を続けてきました。同社の取引先は、個人宅・病院・店舗などからの直接依頼が多く、元請けと下請けの比率は9:1。売上の9割を元請けが占めるこの比率は、10年以上前から全社で取り組まれてきた「脱下請け」の成果だと森様は話します。

また、下請けとしては大手ハウスメーカーや工務店との良好な取引関係を続けているなど、安定経営を長らく続けてきた森様は、もともと知り合いからの紹介をきっかけにこの業界に参入されたといいます。

「もともと私はスーパーの一社員として働いていました。そのスーパーに、建材屋の社長と同級生の役員がおり、その方から次の職場として建材屋を紹介してもらいました。この出会いが、私が施工の世界へ入るきっかけとなりました。

その建材屋で6年ほど働き、その後独立して立ち上げたのがシープランツです。振り返ってみると、自分が面白いと感じる庭づくりの仕事と出会えたことは、私の人生における大きな転機になりました。」

シープランツは、庭師・プランナー・建設現場の職人など、少数精鋭のプロフェッショナルから成る企業。森様は、メンバーと共に苦難を乗り越えてきたことで現在の安定的な経営環境がつくることができたと、これまでの歩みを振り返ります。

「他の会社も同じだと思いますが、会社の経営は山あり谷ありの連続です。谷間にいるときに、従業員と一緒に解決策を考えてきた結果が、現在のシープランツという会社なのだと思います。」

時間をかけてプラットフォームを選定し、バトンズでM&Aを進める

シープランツを譲渡しようと森様がバトンズに直登録されたのは、3〜4年ほど前のこと。後継者不在を理由にM&Aを検討し始め、まずはネットで検索をしていくつかのM&Aプラットフォームに登録。その後、時間をかけて信頼できるサイトを慎重に見極めていかれたそうです。

「バトンズに登録した頃、私の年齢は60代後半でした。後継者がいなかったため、以前から『事業承継のために何か手を打たなければならない』という想いがありましたが、60代後半に差し掛かって、いよいよ差し迫ってきたという気持ちでした。

そのため、できるだけ早く相手を見つけたいと急ぐ感情はありましたが、どのM&Aプラットフォームが信頼できるサイトかすぐには分からず。気持ち的には急ぎつつも、時間をかけてしっかりと見極めていくことにしました。」

そうしてバトンズを選定された森様は、M&Aアドバイザーによるサポートを受けてM&Aを進めることを選択。バトンズの認定アドバイザーである「株式会社アシブネ」白石様を紹介され、今回のM&Aを二人三脚で進めていきました。白石様の実直な人柄と安心感は、森様がM&Aを本格的に進める原動力となったと森様は話します。

譲渡先を検討する際、森様が重視していたポイントは、従業員を継続的に雇用してもらえることと、社名を残してもらえること。そして、異業種の企業へシープランツを譲りたいという希望もありました。

「同業社に譲渡した場合、同じ業界の会社同士ということで今までの延長線上の事業戦略になる可能性が高いでしょう。私はそれよりも、異業種の新しい発想や目線を取り入れた方がシープランツの将来性を考えたときに良いのではないかと感じていました。また、異業種の方が弊社の苦手な部分を補完してくれるなど、シナジーや利点もあるのではないかと考えました。」

M&Aは、決めるべきタイミングで決断することが大事

譲渡先候補として複数企業と交渉を重ねた森様。最終的にジャパンクリーンサービスへの譲渡を決断した背景について、以下のように話しています。

「お互いの希望条件がある中で、完全に条件がマッチする企業と出会えることは稀です。そのため、ある程度の条件が一致した後は擦り合わせをしていく段階に入ると思いますが、ジャパンクリーンサービス様とすり合わせを行う中で、ここがM&Aを決断するタイミングではないかと感じ始めました。

ここで私が見送っても、次にもっと良い買い手が現れる保証もありませんし、また0から買い手候補先と話し合いを進めるには、かなりの時間がかかるかもしれません。」

M&A実行の目標時期が明確に定められていない場合、良くも悪くも成約をどこまでも先延ばしにすることが可能になります。そのため、とくに後継者不在によるM&A検討の場合では、決断を下すタイミングも重要であると森様の話します。

「M&A市場は、譲渡企業よりも譲受企業の方が多い売り手市場と言われていますが、だからといって必ずしも良い買い手様が次々に現れるというわけではありません。そのため、しかるべきタイミングで決断することも重要となります。

もし何年もかけてじっくりと吟味したい場合、成約まで一定の期間を要することを考えると、余裕のあるうちに着手するのがよいと思います。後継者不在でM&Aを検討する経営者は、年齢的な問題から焦ってしまうこともあると思いますから。」

買い手様、アドバイザーとの信頼があってM&Aは成約する

M&Aの成約には、買い手様と売り手様、それを調整するM&Aアドバイザーの信頼関係も重要となります。交渉時のジャパンクリーンサービスとの関係性について、森様は以下のように述べられます。

交渉の過程で、私自身の想いを正直に話すことができましたし、ジャパンクリーンサービスの渡部様も様々なことを正直に話してくださいました。とはいえ、限られた交渉期間の中で、お互いを完全に理解することは難しいでしょう。仮に時間をかけてどこまでも話し合ったとしても、それで全ての問題を解決することはできませんから。」

最後は腹を括って決断する必要があると話す森様は、今回のM&Aを実行するにあたり、アドバイザーとして支えた白石様のサポートが大きな背中押しとなったといいます。

「M&Aの過程では、どの買い手様と交渉すべきか迷ったり、交渉がうまくいかなかったりすることもありました。しかしその都度、白石様は私の想いを理解しようと努め、誠実に支えてくれました。そのような白石様のサポートにもお応えするためにも、何とか成約を実現したいという気持ちになりました。」

異業種への譲渡を決め、M&A実行後も会社をサポート

現在はシープランツの引継ぎ業務を行っている森様。M&A成約後はすぐに退任することを予定していた森様ですが、異業種への譲渡となったため、目処がつくまで職責を果たしたいと話します。

「今後、エクステリア業界の市場規模が縮小していく中で、安定経営を続けてきたシープランツでも、経営の舵取りが難しくなってくると考えられます。私の引継ぎ期間は限られていますが、この会社が正しい方向に進めるよう、微力ながらお役立ちできればと思っています。」

シープランツが次のステップへと進むよう、責任を持って引継ぎを終えられた後は、仕事という枠にとらわれず、これまでご自身が未体験だった世界と関わりたいと言います。

「庭づくりの仕事を始めたとき、知らないことがたくさんあって、毎日新しい経験ができることが楽しかったんですね。引継ぎを終えたら、この分野に飛び込んだあのときのように、新しい経験をたくさん積んでいきたいです。『知らなかったことに出会えることが楽しい』そんな日々を過ごしていきたいですね。」

森様と有限会社シープランツの今後の発展を、バトンズ一同、心より応援しています!

 

担当アドバイザー「株式会社アシブネ」白石隆二様のコメント
シープランツの森様とは、2021年1月にバトンズ様よりご紹介を受けお会いしました。

 

森様は初対面にも関わらず、M&Aを検討するに至った経緯を誠実にお話しして下さりました。特に、一緒に働く従業員様のことを第一に考える姿勢は今でも強く印象に残っています。ご親族や従業員様への承継が難しく、顧客のほとんどが地域の個人様であるため、廃業に伴う影響も大きいことからご支援を開始させて頂きました。

 

お相手探しは、森様が直接登録していたバトンズを中心に進めました。合計14件ものオファーを頂き、その内の3者と面談を実施しました。弊社は森様が検討しやすいようお相手様の情報収集に努め、森様のご意向を第一に考えたご支援に徹しました。

 

約2年間という長期的なご支援となりましたが、森様の経営に対するお考えや従業員様・お客様に対するお気持ち等は、私自身の大きな学びにも繋がりました。今回のご成約により、シープランツ様がお客様に提供してきた素晴らしい価値がより一層地域に根ざし、より一層ご発展されることを心から願っております。

 

この案件を担当した「株式会社アシブネ」の紹介ページ

 

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